「アンチヒーロー」最終話を前にプロデューサーが語る 「伏線はほぼ回収できたと思っています」

2024年6月15日 / 10:00

 TBS系の日曜劇場で放送中のドラマ「アンチヒーロー」の最終話試写会が11日に行われ、16日の放送を前に飯田和孝プロデューサーが記者の質問に答えた。

(C)TBS

 まず、登場人物の名字に色が入っている点については、「明墨(長谷川博己)という主人公の名前は、最初の段階から決まっていて、そこに色が含まれてくるというのがあって、脚本を作る段階で統一したコンセプトとして変えていきました。例えば、緋山(岩田剛典)はもともとは「檜」だったのを緋色の「緋」に変えたり、沢原麻希(珠城りょう)の「ま」を麻色の字にしたり、志水(緒形直人)の水色、桃瀬(吹石一恵)の桃色といった感じです」と答えた。

 SNSやインターネット上で行われている考察については、「皆さん、裏を読むのがすごい。そこで議論をしてくれるのが面白くて。例えば、『白木(大島優子)が裏切った。でも名字に色が付いているから裏切っていないはず。これは絶対に作戦だ。そう信じたい』みたいな。信じたいということは、やっぱり仲間であってほしいというか、キャラクターに対する愛着を持ってくれているという発見がありました」と語った。

 また、「お墓のシーンで、奥にいるのは誰なんだろうと考えていただいて、あれは緑川(木村佳乃)で、彼女が寝返るんじゃないか、瀬古裁判官(神野三鈴)が全てを暴露するのでは、などと言ってくれているので、そこはもう最終話を見て楽しんでいただければと思います」と語った。

 そして、「投稿の考察を見て、しめしめと思う部分ももちろんあるんですけど、やっぱり投稿からいろいろと課題が見つかったりもします。こう描くとこう感じるのかとか、ここはもっと繊細にやらなければいけなかったのかとか…。投稿をする人たちの中には、いろんなドラマを見て目の肥えた方が多いので、われわれがドラマを制作する上で、勉強として捉えさせていただいています」と明かした。

 「最終話の予告で、伏線を全て回収するとあったが」という問いに対しては、「それが目的というよりは、皆さんにスッキリしてほしいなというのがあります。ドラマを作りながらいつも考えるのは、皆さんが想像しているものを上回りたいということ。そういった思いもちょっと込められています。伏線は、恐らくほぼ回収できたと思っています」と答えた。

 飯田氏は、最終話の見どころを、「明墨先生が、お父さん(志水)を冤罪(えんざい)にしたことによって、家族を奪ってしまった少女(紗耶)への思い、それを救う物語だと企画書の表紙に書いてあります。最終話は、志水と紗耶(近藤華)、倉田(藤木直人)と紫ノ宮(堀田真由)、伊達原(野村萬斎)と娘の関係が描かれます。そこから、自分自身にとって何が大切なのかという感情に注目して見てほしいと思っています。特に16日は父の日ですし、そういったことも踏まえて、親子で見ていただけるとうれしいです」と語った。

(C)TBS


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

上白石萌歌「小さなお子さまから大人の方まで幅広く届いてほしいと思います」『トリツカレ男』【インタビュー】

映画2025年11月11日

 何かに夢中になると他のことが目に入らなくなってしまうジュゼッペ(声:佐野晶哉)は、街の人々から「トリツカレ男」と呼ばれている。ある日、ジュゼッペは、公園で風船売りをしているペチカに一目ぼれし、夢中になるが…。作家・いしいしんじの同名小説を … 続きを読む

八木莉可子「相反する二面性をどちらも大切にしたい」「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」【インタビュー】

ドラマ2025年11月10日

 草なぎ剛主演の月10ドラマ「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜午後10時)。第3話で強烈なインパクトを残したゆずは(八木莉可子)の母(雛形あきこ)が、再びHeaven’s messenger … 続きを読む

目黒蓮が抱いた“継承への思い” 妻夫木聡、佐藤浩市から受け取った“優しさ”と俳優としての“居住い” 日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」【インタビュー】

ドラマ2025年11月9日

 日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」への出演発表時、“物語の鍵を握る重要な役どころ”という情報のみだった目黒蓮演じる謎の人物。そこから約2カ月、11月2日放送の第4話でようやくその正体の一端が解禁された。男の名は中条耕一、佐藤浩市演じる山王 … 続きを読む

堤真一、三宅唱監督「実はこういうことも奇跡なんじゃないのということを感じさせてくれる映画だと思います」『旅と日々』【インタビュー】

映画2025年11月6日

 三宅唱監督が脚本も手掛け、つげ義春の短編漫画『海辺の叙景』と『ほんやら洞のべんさん』を原作に撮り上げた『旅と日々』が11月7日(金)から全国公開される。創作に行き詰まった脚本家の李(シム・ウンギョン)が旅先での出会いをきっかけに人生と向き … 続きを読む

【映画コラム】俳優同士の演技合戦が見ものの3作『爆弾』『盤上の向日葵』『てっぺんの向こうにあなたがいる』

映画2025年11月1日

『爆弾』(10月31日公開)  酔った勢いで自販機を壊し店員にも暴行を働き、警察に連行された正体不明の中年男(佐藤二朗)。自らを「スズキタゴサク」と名乗る彼は、霊感が働くとうそぶいて都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する。  やがてその言葉 … 続きを読む

Willfriends

page top