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台湾ニューシネマの系譜を継ぐシャオ・ヤーチュエン監督が、1989年のバブル期の台湾を舞台に、正反対な2人の大人の間で揺れ動く少年の成長を描いた『オールド・フォックス 11歳の選択』が、6月14日から全国公開される。ヤーチュエン監督と、少年の父の幼なじみの人妻役で台湾映画に初出演を果たした門脇麦に話を聞いた。

(左から)シャオ・ヤーチュエン監督、門脇麦 (C)エンタメOVO
あの時代を選んだのは、あまりにも激しく貧富の差が生まれた時代だからです。88年から89年にかけて、台湾では株価が大きく変動しました。不動産が4倍になったのが印象的でした。だから、最初に子どもの話を撮ろうと思った時に、その子がどういうふうに価値観を得ていったのかを描くには、89年が最適だと思ったんです。
直接の動機は、この役に合う人を探していた時に、台湾だけでなくもっと候補者を広げてみようと思ったことです。日本人の起用もありなのではないかという話が出た時には、これは日本人の話ではないので大丈夫かなと思いました。門脇さんのことは、以前から配信ドラマなどで拝見していたので、打診してみようという話になりました。そういう流れでお願いしたら、来てくださったんです。
台湾の作品は昔からすごく好きだったので、断る理由はないなと思いました。
1日かけて2シーンくらいをじっくり撮影することもあり、時間にゆとりがありました。日本だと10〜12シーンを撮ったりすることもあるので。台湾の現場でも、もちろん妥協しているところもあるとは思いますけど、いい現場だなと思いました。それが圧倒的に日本と違うところでしたね。あと、何回「謝謝(シエシエ)」と言ったことかと。私がほぼ「シエシエ」しかしゃべれないこともあるんですけど、それぐらい皆さんが本当に親切で、「シエシエばかり言ってすみません」ばかり言っていました。
日本だと、段取りをした後にモニターの所へ行かれる監督が多いのですが、ヤーチュエン監督は、基本的にずっと現場にいらっしゃって、特にスタート前に、言葉が通じないということもあるので、「じゃあ行くよ」と言ってから、私たちの目をすごく見てくださって、そこから始めてくださるんです。監督のお人柄もあると思うんですけど、“人と仕事をしている”という実感や温もりがある最高の現場でした。
それは多分、自分が社会を観察する中から出てきた自然な気持ちだったと思います。異なる価値観を持った大人がいる、その中で子どもに映画を見せる時に、社会にはこういう大人もいるし、こういう価値観もあるけれど、それを選択していくのは君なんだよという発想から出たものだと思います。
この作品の中で、彼の功績はすごく大きいです。最初に脚本を書いた時に、一番のプレッシャーだったのは、主役の11歳の男の子が見つかるのかということでした。もし失敗したら、映画が駄目になるということをすごく思いました。結果的には、彼が説得力のある演技をしてくれたので、とても助かりました。
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