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最初に会った時は本当にシャイで、僕たちもコミュニケーションを取るのが難しかったのですが、撮影が進むに連れてどんどんと心を開いてくれました。彼の撮影は日本のパートからだったんですけど、それがすごくよかった。まず、孤独な青年役として日本のパートを撮って、物理的にも僕たちとの距離が近くなって会話もできるようになってきて。その後、台湾パートを撮影する頃には、本当に映画の中のキャラクターのように明るい感じで。まさに映画の流れと同じように撮影ができたので、僕たちとの距離感の縮まり方が、キラキラした時を演じるに当たって、すごくいい作用をしていたと思います。それから、例えばアドリブがあったら、僕は彼が何を言っているのか分からないはずなのですが、日本の俳優を撮っている時と同じように、この人はこういうことを考えているなとか、こういうふうに動くだろうなとか、そういうことがよく分かる人でした。なので、言葉が通じるとか通じないとかは関係なく、いい俳優をカメラで撮っていると、その感情がちゃんと分かるというのはすごいと思いました。
彼女が15歳ぐらいの時に初めてご一緒してから、 何本か一緒に撮っていますが、お芝居の面では、僕たちスタッフもすごく彼女を信頼しているし、彼女も僕たちを信頼してカメラの前に立ってくれているというのが分かります。今回もすごく難しい役だったと思いますが、陰と陽をうまく演じ分けていました。清原さんも、台湾での体験を撮る前の日本のパートから撮影したので、脚本から想像して自分の中に感情を落とし込むのは相当難しいことだったと思うんですけど、もう台湾に行ってきて、それを体験した後というような表情をしていたので、すごいと思いました。
普通の映画と比べると、場所と人の感情のリンクみたいなところでは、シチュエーションや時間の量が相当多いと思うので、そこが特に面白いところだと思います。出てくる人々は同じなんだけど、風景や時間がどんどん変わっていって、一緒にリンクしながら成長したりしていくところが、見どころというか、面白いところだと思います。
映像的なことで言うと、雪景色や電車の風景など、すごくいい風景がいっぱい映っていて、日本に住んでいる僕ですら知らない所がたくさん出てきます。その中でジミーの感情が動く瞬間みたいなところがいろいろとあります。台湾の風景は、日本人から見ても、どこか懐かしさがある風景だと思います。そうした見どころもあるし、場所と人とのリンクみたいなのものを感じながら見ると面白いかなと思います。
(取材・文/田中雄二)
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