高島礼子「何にでも挑戦していきたい」 年齢を重ねた今だからこそ感じる、仕事の楽しさ【インタビュー】

2024年1月20日 / 08:00

ーでは、高島さんにとっての宝物は?

 来年、還暦を迎えますが、これまでたくさんの方に支えていただき、苦しい時も幸せな時もそばにいてくれた友人や家族を含めて、人間関係は私の宝物です。人間関係に支えられてここまで楽しく生きてこれたと思ってるので、人とのご縁はすごく大切にしていきたいなと思います。

ー年齢を重ねても、若く、美しくいられる秘訣(ひけつ)は?

 自分ではそう思っていないですが、でも、先輩の女優さんたちは皆さん、お若いですよね。お元気だし、おきれいなので、自然といい見本を見てこれたというのはあるのかなと思います。私自身は、あまり美を突き詰めてきた記憶はないんですよ。なので、これから頑張りたいなと。これからはこのままではダメだと思うので、紀香ちゃんからいろいろと学んで、きれいに、元気でいられるようにということを意識して努めていきたいですね。

ー今後のお仕事の目標を教えてください。

 昨年の夏くらいからおばあちゃん役をいただくことが多くなったんですよ。ああ、私はもうそうした役をやる年齢なのかな? と不思議に思っていたのですが、この60歳の体力だから、おばあちゃん役ができるんだなと気付きました。撮影は体力勝負なので、この年齢だからおばあちゃんができる。これが本当に70歳、80歳になってしまったら、せりふを覚えられるのかとか、正座をし続けることに耐えられるのかとか、ハードな撮影スケジュールに耐えられるのかとか、さまざまなハードルが出てくると思います。なので、今、来るべくしてきたんだなと思いました。それに、今、そうした役をやることで、また別の楽しみも生まれてきました。私は仕事が趣味みたいなところがあるんですが、今、すごく楽しいんです。おばあちゃん役はこれからもどんどんやっていきたいですね。

 それに、今回は男装もするのですが、何にでも挑戦していきたいです。実は、ここ数年は、それまでNGにしていたクイズ番組にも挑戦しているんですよ。頭がいい役柄ばかり演じていたので、クイズ番組に出てそのイメージと違うことをしてしまったらいけないと思っていたんですが、最近はそういうことではなく、楽しむということを覚えた。それは、周りのご縁のおかげです。やっぱり自己流はダメ。周りの方のアドバイスをしっかりと聞かないと。年齢を重ねれば重ねるほど、自己流になってきちゃいますよね。頑固になる。けれど、人の話に耳を傾けて、自分の中の引き出しを開けることができる人間になりたいです。

ー改めて作品への意気込みと、読者にメッセージをお願いします。

 お客さまにどれだけ楽しんでいただけるかをテーマに頑張っていきたいと思います。いらっしゃる方たちの心に少しでも長く留まる作品になるよう頑張りますので、お寒い中になりますが、足を運んでいただければと思っております。

(取材・文・写真:嶋田真己)

明治座創業150周年ファイナル公演 舞台「メイジ・ザ・キャッツアイ」

 

 明治座創業150周年ファイナル公演 舞台「メイジ・ザ・キャッツアイ」は、2月6日~3月3日に都内・明治座で上演。

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

安田章大「体験したことのない違和感を持ち帰ってくれたら」 アングラ演劇の旗手・唐十郎作品に関西弁で挑む『アリババ』『愛の乞食』【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年7月18日

-「違和感を持ち帰ってほしい」ということですが、今の世の中、「分からないもの」は何かと切り捨てられがちです。その点については、どのようにお考えでしょうか。  まず、僕自身は分からないものを提示しているつもりはありません。だから、その人の中で … 続きを読む

【映画コラム】7月前半『スーパーマン』『ストレンジ・ダーリン』『「桐島です」』『生きがい IKIGAI』

映画2025年7月18日

『「桐島です」』(4日公開)  1970年代に起こった連続企業爆破事件の指名手配犯で、約半世紀におよぶ逃亡生活の末に病死した桐島聡の人生を高橋伴明監督が映画化。  桐島が逃亡中に何を考えどういう生活を送っていたのかは想像するしかない。だから … 続きを読む

俳優デビュー25周年の上戸彩が15年ぶりの写真集を発売 台湾で幻想的な夜市でのロケから寝起き姿まで多彩な魅力満載

イベント2025年7月14日

  -先ほどグルメの話がちょっと出ましたが、台湾で撮影中の思い出とかエピソードがあれば。  台湾におじゃまさせていただいたのは、映画『テルマエ・ロマエ』の撮影以来2回目だったんですが、とにかくスタッフのみなさんと和気あいあい撮影が … 続きを読む

JT・モルナー監督「この映画の実現は厳しいと言われた時に、『羅生門』を見れば分かると言いました」『ストレンジ・ダーリン』【インタビュー】

映画2025年7月11日

-最初に35ミリフィルムで撮ったというテロップが出ますが、画面の色遣いや音楽の使い方を見ていると、70年代のニューシネマのような雰囲気があると思いましたが、そういう狙いはあったのでしょうか。  その通りです。ただ、それはアメリカ映画に限った … 続きを読む

鹿賀丈史「演じることよりも感じることの方が先だったかなと思います」『生きがい IKIGAI』【インタビュー】

映画2025年7月10日

-2度の災害を経験して行き場のない怒りを抱いている山本が、ボランティアの若者と出会って心が解けていって笑顔を浮かべる場面が印象的でしたが、若者役の小林虎之介さんとの絡みはいかがでしたか。  僕は若い人と芝居をするのがすごくうれしいんです。今 … 続きを読む

Willfriends

page top