エンターテインメント・ウェブマガジン
『キングコング 髑髏島の巨神』(17)を監督した友人のジョーダン・ボート・ロバーツが、「ベトナムに滞在してみないか」と誘ってくれたんです。その時、ロボット映画を作りたいと思っていたので、例えば、お寺に行く僧侶の姿を見ながら、「あれがロボットだったらどうだろうか」などと想像力を膨らませていました。
ベトナム戦争の映画となると、自分の中で大きいのは『地獄の黙示録』(79)とか『プラトーン』(86)『フルメタル・ジャケット』(87)なんですけど、あれは対象が人間ですよね。あれがもしロボットだったらというふうに考えました。それに、今までベトナム戦争を想定したSF映画は作られていないのではないかと思いました。
ベトナム戦争の想定は、例えば、ジェームズ・キャメロンが『アバター』(09)でも使っていますが、あれは舞台が宇宙ですよね。なので、舞台が地球上でというのはまだないなと。それで「これは他の監督が絶対にやりそうだ」と気付きました。もし先を越されたら嫉妬してしまう、レースではないけれど自分が先にやらなければみたいな気持ちがありました。なので、ベトナム戦争の影響は確かにあります。
日本の観客には、まず「ありがとうございます」と言いたいです。なぜなら、日本のポップカルチャーと映画、そしてデザインや美的感覚、こうしたものに本当に影響を受けているからです。特にデザインに関しては、世界で最も素晴らしいものだと思います。この映画を作るに当たって、本当にたくさんのものを日本からお借りしています。そうやって作られた作品です。ただ、いろいろなものを借りてはいますが、新鮮に感じられるような形で組み合わせたつもりなので、そういうところを見ていただけるとうれしいです。自分としては、この映画はアメリカやイギリスというよりも、日本の映画のような気がしています。だから、日本で公開されることは、この映画にとっては古巣に戻るようなものです。そんな映画ですので、ぜひご覧になってください。
(取材・文・写真/田中雄二)
(C)2023 20th Century Studios
映画2025年5月17日
-役作りをする上で気を付けたことはありましたか。 気を付けたことで言うと、子どもたちがメインで見るので、物語の展開もそうですけど、スピード感みたいなものは割と気を付けていました。あとは、「こうやって言ったら分かるよね」というような、押し付 … 続きを読む
映画2025年5月16日
『ノスフェラトゥ』(5月16日公開) 1838年。不動産業者のトーマス・ハッター(ニコラス・ホルト)は、自身の城を売却しようとしているオルロック伯爵(ビル・スカルスガルド)のもとへ向かう。 トーマスの不在中、彼の新妻エレン(リリー=ロー … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年5月16日
-ドラマ化が大ヒットを記録したこの作品をミュージカル化することにはどのような思いがありますか。 この作品をミュージカルにするのは、すごくハードルが高いのではないかと思ったので、驚きました。ストレートプレーで上演した方が、もっとダイレクトに … 続きを読む
映画2025年5月15日
-クリストファー・マッカリー監督の印象は? 今や彼は自分のおじさんのような存在なので「マッカリーおじさん」みたいな呼び方をしていますが、自分にとっては先生ですね。彼は演出だけではなくて指導力もとても優れています。自分が恵まれていると思うの … 続きを読む
映画2025年5月12日
ーところで本作は、研さんの9年ぶりの映画主演作だそうですね。 研 そういうことは全く頭になかったです。「何周年記念のお祝い」みたいなことがあまり好きではないんです。「何年やったからといって、何が偉いの?」と思ってしまって。自分が人間的に成長 … 続きを読む