竹中直人「ニック・フューリーというよりも別のキャラクターになったような気になった」ドラマ「シークレット・インベージョン」【インタビュー】

2023年8月7日 / 07:30

―ニック・フューリーの声優を約12年担当されていますが、竹中さんの中にあるフューリーの印象は変わりましたか。

 変わりましたね。ニックといえば全身黒のコートに黒いアイパッチですからね。そのイメージが今回は普通の人になってる。いつものニックじゃない。今までとは違う感覚になりました。そして老いというものにも触れています。より深く「人間ニック・フューリー」を感じることができました。

―MCU以外にも長年たくさんの吹き替えやアニメ作品に出演されていますが、声優というお仕事についてお聞かせください。

 声優のお仕事は字幕を追わずに分かりやすくする作業でもあります。そして、吹き替えによって、そのキャラクターを膨らますこともできるし、逆に縮めてしまうこともある。とても緊張感のある仕事です。声優は子どもの頃からあこがれの仕事だったのでずっとやってみたいと思っていました。俳優はもちろん、自分じゃない人間になれるという意味でとてもあこがれていた仕事です。声優も外国の俳優に新たな命を吹き込んでいくというとても魅力的な仕事だと思います。しかしまさか自分が声優の仕事を続けていけるとは思ってもいなかった。そして、ニック・フューリーというキャラクターを続けさせていただいている事、とてもうれしく思っています。

 「シークレット・インベージョン」は全く先が読めない展開です。どんな声の音色と息遣いでニックの吹き替えを演じるかが毎回楽しみな収録でした。

―MCU愛の強い竹中さんですが、ニック以外にMARVELヒーローの中で好きなヒーローはだれですか。

 いちばん好きなのはワンダ(スカーレット・ウィッチ/エリザベス・オルセン)ですね!! 彼女の怒りの表情がたまらない! エリザベス・オルセン最高です!!

―声優のお仕事に昔からあこがれがあったということでしたがはじめの頃はどのように声を当てていたのでしょうか。また、参考にした方などはいますか。

 誰かを参考にしたことはないですね。自分が担当するキャラクターのイメージに合わせるのが楽しい作業です。昔から直感で声を当ててきましたね。「このキャラクターはどんな声の音色を出すんだろう」とイメージを膨らませながら声を作っていきます。声の音色を探る作業は今も昔も変わりませんね。作品によっては監督から「竹中さんの声のままで」と言われることもあります。「すぐに竹中の声だってわかったよ」って言われることもありますね。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「光る君へ」第十八回「岐路」女にすがる男たちの姿と、その中で際立つまひろと道長の絆【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年5月11日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。5月5日に放送された第十八回「岐路」では、藤原道長(柄本佑)の兄・道兼(玉置玲央)の死と、それによって空席となった関白の座を巡る道長と藤原伊周(三浦翔平)の争いが描かれた。  妻・定子(高畑充希 … 続きを読む

【週末映画コラム】映画館の大画面で見るべき映画『猿の惑星/キングダム』/“お気楽なラブコメ”が久しぶりに復活『恋するプリテンダー』

映画2024年5月10日

『猿の惑星/キングダム』(5月10日公開)    今から300年後の地球。荒廃した世界で高い知能と言語を得た猿たちが、文明も言語も失い野生化した人類を支配していた。そんな中、若きノア(オーウェン・ティーグ)は、巨大な帝国を築く独裁 … 続きを読む

「場所と人とのリンクみたいなのものを感じながら見ると面白いと思います」今村圭佑撮影監督『青春18×2 君へと続く道』【インタビュー】

映画2024年5月9日

 18年前の台湾。高校3年生のジミー(シュー・グァンハン)はアルバイト先で4歳年上の日本人バックパッカーのアミ(清原果耶)と出会い、恋心を抱く。だが、突然アミの帰国が決まり、落ち込むジミーにアミはあることを提案する。現在。人生につまずいた3 … 続きを読む

田中泯「日本の政治に対する僕自身の憤りに通じる部分も多かった」世界配信となる初主演のポリティカル・サスペンスに意気込み「フクロウと呼ばれた男」【インタビュー】

ドラマ2024年5月9日

 あらゆるスキャンダルやセンセーショナルな事件を、社会の陰に隠れて解決してきたフィクサー、“フクロウ”こと⼤神⿓太郎。彼は、⼤神家と親交の深かった次期総理候補の息⼦が謎の死を遂げたことをきっかけに、政界に潜む巨悪の正体に近づいていくが…。先 … 続きを読む

海宝直人&村井良大、戦時下の広島を舞台にした名作漫画をミュージカル化 「それでも生きていこうというエネルギーをお見せしたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年5月9日

 太平洋戦争下の広島県呉市に生きる人々の姿を淡々と丁寧に描いた、こうの史代氏による漫画「この世界の片隅に」がミュージカル化され、5月9日から上演される。主人公の浦野すず役をWキャストで務めるのは、昆夏美と大原櫻子。すずが嫁ぐ相手の北條周作を … 続きを読む

Willfriends

page top