エンターテインメント・ウェブマガジン
日本のアニメからも大きな影響を受けています。例えば、僕は大友克洋監督の『AKIRA』(88)とともに育った世代です。あの映画のオープニングはとても印象的で、ネオ東京をいろんなアングルで撮影していました。その色彩の感じを、僕はキュレトリアルと呼んでいますが、ファンタジーでありながら、リアルでもあるという、同時に両方の要素を持つことをかなえていると思うので、今回はそれも参考にしました。それから、新海誠監督の『君の名は。』(16)は、全く違う世界から来た人間同士がつながるという物語でもあるので、それについても話し合ったりしました。あとは、90年代育ちなので、周防正行監督の『Shall we ダンス?』(96)が大好きです。あれも背景の違った人物たちが、ダンスを通じてつながる作品でもありますよね。このように、自分の中で、いろんな作品から取り入れたものを参考にしています。
私もあの映画が大好きなのでうれしいです。あの映画は父と息子との関係でしたが、この映画のエンバーは娘で、僕にも娘がいますが、子どもとして、親に対してどんな義務を感じるのか、自分を犠牲にするというと大げさですが、相手のために、自分に何ができるのかということを掘り下げている点で、この映画とも共通していると思います。
こうして作品をお見せできる機会を頂き、ありがとうございます。できれば大きなスクリーンの劇場で見ていただきたいです。皆さんが劇場を出るまで楽しんでいただきたいと思ってみんなで作り上げた作品ですので、たくさん笑っていただいて、家族や友人との共通の思い出として、映画について話し合っていただければと思います。映画を見終わった後で、自分の愛する人ともっと話したい、つながりたいという気持ちになっていただけたら、本当にうれしいです。
(取材・文/田中雄二)

(C)2023 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
映画2025年12月5日
-戦場で、田丸が絵や漫画を描くことにどのような意味があったと思いますか。 功績係に任命された田丸には、もちろん何かを書き記すという使命感もあったでしょうが、いつ自分や仲間が命を落とすか分からない状況の中で、自分の世界の中で向き合えるものが … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年12月4日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む
ドラマ2025年12月1日
-雰囲気のいい現場だったようですね。 中でもしのぶさんは、「これはこういうことなのかな?」といった感じで、積極的に質問をされるんです。その上、「私、緊張しちゃう」などと、ご自身の気持ちを織り交ぜながら現場にいてくださるので、私も質問が … 続きを読む
ドラマ2025年12月1日
―確かにその通りですね(笑)。 ただ、大半は史実通りですが、(小田)新之助(井之脇海)とふく(=うつせみ/小野花梨)ととよ坊の一家、序盤に登場した蔦重の恩人の花魁・朝顔(愛希れいか)など、一部に私が創作したオリジナルキャラもいます。と … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年11月30日
今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む