「映画を見終わった後で、自分の愛する人ともっと話したい、つながりたいという気持ちになっていただけたら、本当にうれしいです」『マイ・エレメント』ピーター・ソーン監督【インタビュー】

2023年7月19日 / 08:00

-今回、影響を受けたり、参考にした映画はありましたか。また、日本のアニメについてはどのように考えていますか。

 日本のアニメからも大きな影響を受けています。例えば、僕は大友克洋監督の『AKIRA』(88)とともに育った世代です。あの映画のオープニングはとても印象的で、ネオ東京をいろんなアングルで撮影していました。その色彩の感じを、僕はキュレトリアルと呼んでいますが、ファンタジーでありながら、リアルでもあるという、同時に両方の要素を持つことをかなえていると思うので、今回はそれも参考にしました。それから、新海誠監督の『君の名は。』(16)は、全く違う世界から来た人間同士がつながるという物語でもあるので、それについても話し合ったりしました。あとは、90年代育ちなので、周防正行監督の『Shall we ダンス?』(96)が大好きです。あれも背景の違った人物たちが、ダンスを通じてつながる作品でもありますよね。このように、自分の中で、いろんな作品から取り入れたものを参考にしています。

-監督が話す、親子の断絶から和解というテーマでいえば、私はこの映画を見ながら、『フィールド・オブ・ドリームス』(89)という映画のことを思い出しました。

 私もあの映画が大好きなのでうれしいです。あの映画は父と息子との関係でしたが、この映画のエンバーは娘で、僕にも娘がいますが、子どもとして、親に対してどんな義務を感じるのか、自分を犠牲にするというと大げさですが、相手のために、自分に何ができるのかということを掘り下げている点で、この映画とも共通していると思います。

-最後に、映画の見どころも含めて、これから見る日本の観客に向けて、何かメッセージがあればお願いします。

 こうして作品をお見せできる機会を頂き、ありがとうございます。できれば大きなスクリーンの劇場で見ていただきたいです。皆さんが劇場を出るまで楽しんでいただきたいと思ってみんなで作り上げた作品ですので、たくさん笑っていただいて、家族や友人との共通の思い出として、映画について話し合っていただければと思います。映画を見終わった後で、自分の愛する人ともっと話したい、つながりたいという気持ちになっていただけたら、本当にうれしいです。

(取材・文/田中雄二)

(C)2023 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

  • 1
  • 2
 

関連ニュースRELATED NEWS

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

早瀬憩「撮影中は朝子と一心同体で生きた感覚がありました」感動のヒューマンサスペンスで入魂の演技『私はあなたを知らない、』【インタビュー】

映画2026年8月27日

-中野監督は、早瀬さんのクランクアップ時の様子について「崩れ落ちるように」と語っていますが、当時の心境はいかがでしたか。  撮影中は朝子と一心同体で生きた感覚があったので、クランクアップしたときは「うれしい」でも「寂しい」でもなく、何とも言 … 続きを読む

渡邊圭祐「登場人物に共感ができない部分があるからこそ面白い」 舞台「Yerma イェルマ」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年8月27日

 スペインの詩人・劇作家ロルカの傑作「イェルマ」を起点に、作:オノマリコ×演出:稲葉賀恵によって、1930年代のスペインから現代の東京へと舞台を移し、生きる価値を見出そうとする女と男たちの物語を描く舞台「Yerma イェルマ」が9月21日か … 続きを読む

西島秀俊「人間は互いに支え合い、助け合って生きている」入魂のヒューマンドラマで、スペシャルニーズの子どもたちと共演『時には懺悔を』【インタビュー】

映画2026年8月26日

-しんすけさんを含め、スペシャルニーズの方々やそのご家族にお会いしたことで、作品に取り組むお気持ちに変化はありましたか。  最初にお会いしたとき、ご家族から「俳優として接してください」とお話がありました。「やりたいことは遠慮しないでください … 続きを読む

【K-POPもKドラマも深読みしたら韓国が見えた】#MOMOはなぜ、同い年のアナウンサーを「友達」と呼んだのか――韓国語「チング」のもう一つの意味

2026年8月25日

 K-POPや韓国ドラマは、エンターテインメントであると同時に、韓国社会を映す鏡でもある。何気ない言葉やしぐさ、習慣の背景をたどると、その国ならではの価値観や歴史、人との関わり方が見えてくる。この連載では、韓国カルチャーを入り口に、知ってい … 続きを読む

毎熊克哉、近藤華「見えないという恐怖をちょっと和らげてくれる映画だと思います」『見えない娘 THE INVISBLES』【インタビュー】

映画2026年8月25日

近藤 風子が映画を撮ることに興味があるのは、自分ともすごく似ているところだったので、近藤華のオタク的な部分を出して演じた部分はありました。風子は年齢的に子どもでも大人でもない時期なので、自分は大人だと思って背伸びをしているところから、だんだ … 続きを読む

page top