中村隼人、横浜流星と作り上げる「2人の違いがぶつかる殺陣」 舞台「巌流島」【インタビュー】

2022年12月30日 / 08:00

-本作は隼人さんにとって、歌舞伎以外では初めての大規模な舞台出演となります。初めての挑戦に際して、楽しみにしていることは?

 歌舞伎は、これまで何十人もの先人たちが務めてきた役を演じます。歴史を重ね、演出的にも研ぎ澄まされて今に至るため、お手本とするべきものがたくさんあります。その分、しなくてはいけないことや、やってはいけない“お約束ごと”もあります。なので、本作のような公演は、自分で作った役を演じるという、歌舞伎とは全く違うものになると思います。比べられる対象がいないというのは、ある種の怖さもありますが、面白さもある。それは楽しみなところです。

-ところで、隼人さんは、いつ頃から歌舞伎俳優になることを考えていたのですか。

 決意したのは、中学2年生ぐらいだったと思います。高校進学について考える中で、「もっと歌舞伎をやりたい」と感じ、芸能活動が可能な学校を選ぶという決断をしました。

-当時、歌舞伎のどんなところに魅力を感じていましたか。

 まず、努力しても努力しても、まだ超えなければいけない壁があるというところだと思います。先人たちの作った壁を超えたいという役者としてのプライドがありますし、そうした刺激が僕を動かしているところがあります。それから、単純に歌舞伎が好きなんですよ。楽しい。楽しいけれど、好きだけど、嫌い(笑)。すごく矛盾していますが、そんな感覚です。

-今後、目指す姿は?

 もちろん頂いたお仕事を頑張るというのは当然ですが、僕自身が目標としているのは、「歌舞伎から必要とされる人間になる」ということ。歌舞伎界も今後、さらに苦しい時期が訪れると思いますが、それを乗り越えるべく、自分自身が歌舞伎の舞台に出ることはもちろん、それ以外の活動も積極的に行い、成長して戻ってくることが大事だと思っています。

(取材・文・写真/嶋田真己)

舞台「巌流島」

 舞台「巌流島」は、2023年2月10日~22日に都内・明治座ほか、金沢、新潟、秋田、名古屋、神戸、高松、福岡で上演。
公式サイト https://ganryujima-ntv.jp

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

DAIGO「クリスマス気分を盛り上げてくれる作品なので、『パーシーのクリスマス急行』にぜひ乗車してください」『映画 きかんしゃトーマス サンタをさがせ!パーシーのクリスマス急行』【インタビュー】

映画2025年12月12日

-パーシーのように、与えられた仕事を楽しくやるコツがあれば教えください。  仕事があることが幸せ。シンプルにそういう意識を持ってやっています。僕もミュージシャンを目指していろいろとやっていましたが、思うように行かなくて。でも、音楽に対する情 … 続きを読む

高橋克典「これは吉良の物語でもあるのだと感じていただけるような芝居をしたい」 堤幸彦「『忠臣蔵』は、演劇的に言えば1丁目1番地的な作品」 舞台「忠臣蔵」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年12月10日

-堤さんと高橋さんは高橋さんのドラマデビュー作以来のタッグと聞いています。堤さんは高橋さんの吉良上野介にどのような期待を寄せていますか。 堤 ぴったりだと思いますよ。生き馬の目を抜く芸能界で酸いも甘いも知り尽くしていますから。デビューの瞬間 … 続きを読む

生田斗真が驚きの一人二役!「最初から決まっていたわけではありません」制作統括・藤並英樹氏が明かす舞台裏【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月8日

-治済に対する仇討ちのため、対立関係にあった蔦重と松平定信(井上祐貴)がタッグを組む展開にも驚かされると同時に、思わず胸が熱くなりました。 藤並 白河藩に戻った後の定信は、それまでとは打って変わって、大田南畝や山東京伝に本を書かせているんで … 続きを読む

板垣李光人「最初から、戦争を考えて見るのではなく、実際に見て感じたことを広めていっていただければ、それが一番うれしいです」『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』【インタビュー】

映画2025年12月5日

-戦場で、田丸が絵や漫画を描くことにどのような意味があったと思いますか。  功績係に任命された田丸には、もちろん何かを書き記すという使命感もあったでしょうが、いつ自分や仲間が命を落とすか分からない状況の中で、自分の世界の中で向き合えるものが … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(8)百年ぶりの復活へ 四代目が掲げた三つの大願

舞台・ミュージカル2025年12月4日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。    2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む

Willfriends

page top