「相撲もあり、青春もあり、映画を見ていた人も楽しめる」葉山奨之、伊原六花、竹中直人、清水美砂 『シコふんじゃった!』【インタビュー】

2022年10月25日 / 08:00

 映画『シコふんじゃった。』から30年。装いも新たに誕生したドラマ『シコふんじゃった!』が、10月26日(水)から、ディズニープラスで独占配信される。卒業と引き換えに廃部寸前の相撲部に渋々入部した大学生の亮太は、たった一人の部員で、相撲一筋の穂香と出会う。2人が、個性豊かな仲間たちと共に、人生大逆転劇の舞台に挑む様子を描く胸アツ青春コメディーだ。亮太役の葉山奨之、穂香役の伊原六花、そして映画と同じ役で出演した青木役の竹中直人と夏子役の清水美砂に話を聞いた。

(左から)清水美砂(ヘアメーク:佐々木博美/スタイリスト:勝俣淳子)、伊原六花(ヘアメーク:面下伸一(FACCIA)/スタイリスト:米原佳奈)、葉山奨之(ヘアメーク:近藤あかね(MARVEE)/スタイリスト:李靖華)、竹中直人(ヘアメーク:和田しづか/スタイリスト:伊島れいか) (C)エンタメOVO

-まず、主演のお二人に伺いますが、映画版を見たことはありましたか 

葉山 映画は10年ぐらい前に見たことはありましたが、今回は、全く新しい気持ちで取り組もうと思ったので、演じる前に、改めて見ることはあえてしませんでした。

伊原 私は、穗香という役柄的にも、(映画版で竹中が演じた)青木富夫先生の本をバイブルとしてずっと持っていて、そこに載っている名言を人に教えたり、先輩方の汗がしみ込んだまわしを大事なものだと言うほど、伝統を大事にしている女の子だと思ったので、映画を見ました。とても面白くて、最後はテレビの前で拍手をしていました(笑)。

-今度はオリジナルキャストのお二人に伺います。30年ぶりに同じ役を演じる気持ちはいかがでしたか。

清水 私は心配でした。この30年でいろいろと経験しましたから(笑)、昔のような、二十歳の夏子のイメージで、ヒロインを演じたあの感じはちょっと無理だろうなあと。でも、年を取ったなあとか、そんなふうに思われるのも嫌だったので、いろいろな葛藤がありましたけど、最終的には、人間というのは、いろいろと人生経験をして、しわもできるし(笑)…。でもそれを全て受け入れて、その中で、新たな、教授としての夏子を演じようと思って臨みました。

竹中 青木…心が覚えてました。ただ今回、監督が周防(正行)さんじゃないことが、僕にはショックでしたね。僕にとっては、周防監督の『シコふんじゃった。』なので。「えー?! 総監督といわれても〜!!」って感じでした(笑)。でも、清水さんと久しぶりにお会いしたときは感動しましたし、田口浩正も相変わらず憎らしいやつでうれしかった(笑)。役を演じることなどを超えて、30年なんてあっと言う間なんだなって深く感じました。

-竹中さん(青木)の下痢のポーズも久しぶりに楽しく見ました。

竹中 台本では下痢のシーンが少なかったんです。それで「ここで下痢をしないのはおかしい」って、幾つか増やしてもらいました(笑)。

清水 映っていないときもやっていました(笑)。

葉山 笑いをこらえるのが大変でした。というか、笑っていましたけど(笑)。

伊原 役柄上では、尊敬している人で、何をしても青木先生となるから、そこで笑えない分、伊原六花で笑うときは、お世話になりました(笑)。

-伊原さんの、四股をはじめとする所作がとてもきれいで素晴らしいと思いました。バレエやダンスの経験があるにしても、動きは全く別ですよね。相当稽古をしたのではないですか。

伊原 脚は、上げようと思えば上がりますが、相撲の四股の脚の上げ方はちょっと違うので、稽古のときも、100回以上踏んでいました。形を細かく教えてもらいながら、鏡の前でやらせてもらいました。監督からも「とりあえず、四股はきれいに踏んでください」と言われていたので、ずっと練習していました。

-葉山さんは、映画の本木雅弘さん同様、最初は軟弱だけど、だんだんと男らしくなっていく役でした。演じる上で気を付けた点は?

葉山 この役は、今の令和を代表する若者という設定なので、その感覚をすごく大切にしました。亮太は、最初は相撲をばかにしているけど、だんだんと入り込んでいって、相撲の素晴らしさが分かってきます。言葉ではうまく言えないけれど、ちゃんと芯は持っている、負けず嫌いの青年なので、そうした要素を大事にして演じました。撮影が順撮りだったので、そこは自分が純粋に感じたものを出すことを心掛けていました。

-最初は、もちろん四股は踏めなかったんですよね。

葉山 そうですね。最初は、右も左も全く分からないままやって、ロボットみたいな動きになっていました(笑)。四股やすり足など、すぐには身につかないので、2カ月間、先生とみっちり稽古をしました。でも亮太は、最初は相撲が分からない役なので、どれだけ下手に見せられるかがポイントで、後半は負ける練習をずっとしていました。

竹中 受け身がきつかったでしょ? 土俵があんなに硬いとは思わなかったでしょう。かっちかちだもんね。

-竹中さんも、映画のときはちゃんと稽古はしたんですよね。

竹中 しました。でもみんな本気でくるので、芝居なんだから、うそでぶつかってきてよって思うんですが、本気でぶつからないとばれちゃうということで稽古は痛かった記憶しかないです(笑)。

-でも、青木の得意技の内無双はできるようになったんですか。

竹中 いや、できないですよ。あれはテンションだけです。『Shall we ダンス?』(96)だって、全然踊れないですから。あれもテンションだけです。ノリ一発です。

葉山 それでできちゃうんですから。尊敬します。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

二宮和也「子どもたちの映画館デビューに持ってこいの作品です」『シナぷしゅ THE MOVIE ぷしゅほっぺダンシングPARTY』【インタビュー】

映画2025年5月17日

 テレ東系で毎週月~金、朝7時30分から放送中の乳幼児向け番組「シナぷしゅ」の映画化第2弾。番組のメインキャラクター「ぷしゅぷしゅ」と相棒「にゅう」が、バカンスで訪れた「どんぐりアイランド」を舞台に繰り広げる冒険をオリジナルストーリーで描き … 続きを読む

【週末映画コラム】異色ホラーを2本 デミ・ムーアがそこまでやるか…『サブスタンス』/現代性を持った古典の映画化『ノスフェラトゥ』

映画2025年5月16日

『サブスタンス』(5月16日公開)  50歳の誕生日を迎えた元人気女優のエリザベス・スパークル(デミ・ムーア)は、容姿の衰えによってレギュラー番組を降ろされたことから、若さと美しさと完璧な自分が得られるという、禁断の再生医療「サブスタンス= … 続きを読む

新原泰佑、世界初ミュージカル化「梨泰院クラス」に挑む「これは1つの総合芸術」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年5月16日

 世界中で大ヒットを記録した「梨泰院クラス」が、初めてミュージカル化される。主人公のパク・セロイを演じるのは小瀧望。日本・韓国・アメリカのクリエーターが集結し、さまざまな人種が混じり合う自由な街・梨泰院で権力格差や理不尽な出来事に立ち向かう … 続きを読む

グレッグ・ターザン・デイビス「とにかく、ただ純粋に面白い映画を撮ることだけが、自分たちに与えられたミッションでした」『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』【インタビュー】

映画2025年5月15日

 トム・クルーズ主演の大ヒットスパイアクション「ミッション:インポッシブル」シリーズの第8作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』が、5月23日の公開に先駆けて17日から先行上映される。前作『ミッション:インポッシブル/デッ … 続きを読む

研ナオコ、認知症のおばあちゃん役で9年ぶりの映画主演「主演女優賞を狙ってます(笑)」岡﨑育之介監督「研さんの人生の奥行きがにじみ出た」『うぉっしゅ』【インタビュー】

映画2025年5月12日

 人生に迷いながらソープ嬢として働く若い女性・加那と、彼女に介護されることになった認知症の祖母・紀江の交流を明るくポップなタッチで描いたユニークな映画『うぉっしゅ』が絶賛公開中だ。  本作で、加那を演じる若手注目株の中尾有伽と共に、紀江役で … 続きを読む

Willfriends

page top