釈由美子「結婚して子どもを産んでからようやく楽になった」 芸能生活25年を振り返る【インタビュー】

2022年10月13日 / 08:00

 タレントとして活動する一方、俳優としても、ドラマ「スカイハイ」、映画『ゴジラ×メガゴジラ』など、数々の作品に出演してきた釈由美子。10月22日から上演される、世界の名作ミステリーを舞台化していくプロジェクト“ノサカラボ”の最新作「罠」では、看護師のベルトン役を演じる。「刺激になる」と語る舞台出演への思いや、芸能生活25周年を迎えたことについてなどを聞いた。

釈由美子

-出演が決まったときの心境を教えてください。

 最初に台本を拝見させていただいたのですが、クライマックスにとにかく驚いて、こうしたワクワクした作品に自分も携われることがすごくうれしかったです。どうやってお客さまを驚かせようかなと、今から楽しみです。

-本作は、1人の女性の失踪をめぐり、二転三転する捜査と衝撃的なラストが待ち受ける、劇作家ロベール・トマの傑作ミステリーですが、今回、釈さんが演じるベルトンはどんな役どころですか。

 ネタバレになってしまうのであまり説明できないのですが、真相を握っている重要な役どころです。後半になって登場するのですが、「怪しい人が出てきたぞ」と会場をザワザワさせられるんじゃないかなと思います。

-その怪しさをどのように出していきたいですか。

 もともと私は、舞台の経験が少なくて、映像作品への出演が多いのですが、例えば、サスペンスドラマなどに出演すると、私が登場した瞬間に「おまえが犯人だろ!」と思われてしまう役が多いんです(笑)。ですが、今回は、最初は無害な一般市民として登場するけれども、気付いたら「この人が一番怪しい」と感じていただけるように、振り幅を計算して演じたいと思っています。登場時間は決して長くはありませんが、普通に見える人から始まり、ボルテージが上がって、その後、余裕が出てくるという流れをきちんと演じ分けられたらと思います。

-稽古場の雰囲気は?

 警部役の的場(浩司)さんが、“兄貴”としてムードメーカーになって、みんなを引っ張ってくださっています。ただ、ギラギラしているわけではなく、ほんわかした、楽しい雰囲気の稽古場です。的場さんとは、20代の頃にドラマでご一緒させていただいたことがあり、お芝居では久しぶりの共演ですが、お会いしたときから「お嬢」と呼んでいただいていて、私にとってもやっぱり“兄貴”です(笑)。今回、的場さんが演じる警部は、私が台本を読んで想像していた役の印象と全く違う作り方をされているので、いい意味で裏切られました。お客さまも的場さんの新たな一面をご覧になれるんじゃないかなと思います。

-ところで、釈さんは今年、芸能生活25周年を迎えました。この25年を振り返り、どう感じていますか。

 25年というと節目の年だと思いますが、自分では全くそんな気がしません。デビューが昨日のことのように感じます(笑)。

-この25年、ターニングポイントとなった出来事は?

 俳優として活動する中でターニングポイントとなったのは、やはり「スカイハイ」シリーズやドラマ「黒革の手帖」、映画『ゴジラ×メカゴジラ』だったと思います。ただ、芸能界としては、ずっと苦しいという思いが強かったので…、結婚して子どもを産んでからようやく楽になったように思います。

-苦しいとは?

 仕事に対する楽しさを感じるよりも、プレッシャーやコンプレックス、申し訳ないという気持ちがあって…。なので、苦しかったんです。今は子育てを優先し、お仕事をセーブしていることもあり、久しぶりにこうして作品に入らせていただくと、自然とチャンネルが切り替わってすごくフラットな気持ちで挑めるようになりました。独身の頃は、プライベートも全て仕事一色だったので、思い悩み過ぎてストイックになっていたんだと思います。いい意味で力が抜けて、メリハリがつきました。

-では、そんな今、芝居の楽しさをどんなところに感じていますか。

 自分で考えた演技プラン以上のものが自然と出てきて、自分で意図してない動きができたときが楽しいです。映像の場合は細切れで撮影することも多いので、なかなか難しいですが、舞台の場合には、別人格になってステージに立っている姿を俯瞰(ふかん)で見ている自分がいるような感覚があります。それが楽しい瞬間です。

 
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