池田エライザ「ダークヒロインに変わっていく姿を見届けて」人気キャラクター誕生秘話を完全燃焼で熱演 「WOWOWオリジナルドラマ DORONJO/ドロンジョ」【インタビュー】

2022年10月7日 / 15:30

 1977年の登場以来、何度も映像化されてきた国民的アニメ「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」。その人気キャラクタードロンジョの過去を新たな視点で描いたタツノコプロ創立60周年記念「WOWOWオリジナルドラマ DORONJO/ドロンジョ」(全11話)が、10月7日(金)からWOWOWで放送・配信スタートとなる。果たして、令和の時代に生まれ変わったドロンジョは、どのような姿でわれわれの前に現れるのか。後のドロンジョこと主人公・泥川七音(どろかわ・なお)を演じる池田エライザが、全力で挑んだ撮影の舞台裏を語ってくれた。

「WOWOWオリジナルドラマ DORONJO/ドロンジョ」

-主人公の七音がボクサーという設定で、第1話の冒頭から激しいボクシングの試合が繰り広げられることに驚きました。アクション満載のようですが、演じるに当たってどんな準備をしましたか。

 アクションシーンが盛りだくさんで、撮影はものすごくハードでした。ただ、私自身はボクサーとして当たり前のことができるように、少しでも空き時間があればミット打ちをするなど、ひたすら基礎を繰り返していました。

-とはいえ、大変そうですよね。

 スムーズにはいかなかったですね。体の中で痛くないところがなかったぐらいで。いかにボクシングに特化した体に改造できるかが勝負で、どんどん猫背になったり、普段はない肩の周りに筋肉が付いたり…。それに体が順応するまでに時間もかかりましたし。

-ボクサーという意外な設定には驚かされましたが、原典となるアニメ版と本作のドロンジョの共通点を教えてください。

 アニメ版は「ヤッターマン」という題名ながら、ドロンジョや手下のトンズラー、ボヤッキーもたくさんの方に愛されてきたキャラクターですよね。軽快なテンポやユニークさもあって、元祖“愛される悪役”というか。絶望せず、立ち上がる力、みたいなものもありましたし。今回のドロンジョ(になる前の七音)も、“立ち上がる強さ”や“生きることへの執着”といった部分は「ヤッターマン」のドロンジョに通じるものがあります。すごくダークなお話で、テンションは全然違うんですけど、仲間のトンズラーとボヤッキーもいるので、“らしい”瞬間もあって。そういう意味では、“新解釈”と思って見ていただく方がいいのかなと思います。

-主人公の七音は、傾きかけたボクシングジムを経営する父親の厳しい指導の下、アマチュアボクシングの日本代表を目指しながらも、ある事件をきっかけに人生が180度変わってしまい、徐々にドロンジョへと変貌していきます。そんな七音について、どんなイメージを持っていますか。

 今の世の中、自分の人生の選択肢に迷ったり、前に踏み出せなかったり、逆に現状を壊すことが怖かったり、絶望を感じている人も多いと思うんです。だからといって、そういう感情をフルに表現するにもすごく体力を使うので、正直になることもできず、見て見ぬふりをして生きていくしかない。そういう人たちの代わりに、100パーセント絶望し、100パーセントあがいてみせるのが七音なのかなと。そういう意味では、味方になってくれるダークヒロイン、といったイメージです。

-池田さんの力強い芝居からは、まさにそれぐらいのパワーを感じました。では、七音という役に対しては、どんなふうに向き合いましたか。

 台本と真摯(しんし)に向き合い、泥川七音の人生に自分を捧げる…。そんな感じでした。台本を読んだとき、「大変そうだな」とは思ったんです。実際、七音が正義を信じられなくなり、自分の正義観を積み上げていく第3話ぐらいまでは、精神的にもきつかったですし。でも、今を生きる人たちに、こんなに残酷な世の中でも、生きることであったり、あがくことであったり、そういうエネルギーを与えられるかもしれないと思って、全力で挑みました。

-そうすると、ご自身と七音の距離感はどんな感じだったのでしょうか。

 クランクインした瞬間からルームシェア、みたいな感じです。自分の中に、七音と私がいて、本番中だけ七音に体を貸している、という状態で。

 
  • 1
  • 2

関連ニュースRELATED NEWS

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】新旧監督の話題作が並んで公開に『TOKYOタクシー』『金髪』

映画2025年11月22日

『TOKYOタクシー』(11月21日公開)  タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は、85歳の高野すみれ(倍賞千恵子)を東京の柴又から神奈川県の葉山にある高齢者施設まで乗せることになった。  すみれの「東京の見納めに、いくつか寄ってみたい … 続きを読む

中川晃教「憧れることが原動力」 ミュージカル「サムシング・ロッテン!」で7年ぶりにニック役に挑戦【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月22日

 数々のミュージカル作品へのオマージュが登場するコメディーミュージカル「サムシング・ロッテン!」が12月19日から上演される。2015年にブロードウェイで初演された本作は、「コーラスライン」、「アニー」、「レ・ミゼラブル」などの人気ミュージ … 続きを読む

岩田剛典、白鳥玉季「全編を通してくすっと笑えるコメディー映画になっていますので、気楽な気持ちで映画館に来ていただきたいです」『金髪』【インタビュー】

映画2025年11月21日

 日本独特のおかしな校則、ブラックな職場環境、暴走するSNSやネット報道といった社会問題を背景に、大人になりきれない中学校教諭が、生徒たちの金髪デモに振り回されながら成長していく姿を、坂下雄一郎監督がシニカルな視点で描いた『金髪』が全国公開 … 続きを読む

加藤清史郎&渡邉蒼「僕たちも今、夜神月に巻き込まれている」 子役出身の二人が挑む「デスノート THE MUSICAL」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月21日

 映画やドラマ、アニメなど幅広いメディア展開を遂げてきた人気漫画「DEATH NOTE」のミュージカル版「デスノート THE MUSICAL」が11月24日から上演される。2015年に日本で世界初演された本作は、原作のスリリングな物語を世界 … 続きを読む

なにわ男子・大西流星「“timeleszのお兄さん”な原くんは印象通り」 timelesz・原嘉孝「流星は優しくてしっかりしてる子」 1月期ドラマでW主演【インタビュー】

ドラマ2025年11月20日

 なにわ男子・大西流星と、timelesz・原嘉孝がW主演する「東海テレビ×WOWOW 共同製作連続ドラマ 横浜ネイバーズ Season1」が、2026年1月から放送がスタートする。  本作は、令和版『池袋ウエストゲートパーク』として注目を … 続きを読む

Willfriends

page top