「舞いあがれ!」いよいよスタート!「ヒロインの舞が、みんなと一緒に一歩一歩進んでいく物語」 熊野律時(制作統括)【「舞いあがれ!」インタビュー】

2022年10月3日 / 08:16

-舞が生まれ育った町として、東大阪市を舞台に選んだ理由を教えてください。

 飛行機というモチーフが決まった後、舞台を関西のどこにするかを検討する中で、ヒロインの両親が何をしているのか考えました。その際、桑原さんから「鉄の塊である飛行機が空を飛ぶのは、無数の部品と技術の結晶が空を飛んでいるということなんですよね」というお話がありました。おびただしい数の部品と、その向こうにあるおびただしい数の職人や技術の結晶体。飛行機をそんなふうにイメージしたとき、そういうものづくりをしている人たちが、ヒロインの根っこにあるのは、すてきなことではないかと。

 そこから、必ずしも航空機の部品を多く作っているわけではありませんが、ものづくりの盛んな町といえば、大阪なら“中小企業の町工場密度日本一”と言われる東大阪市だろうと。製造業は時代の影響を大きく受けながら、いい時期も大変な時期も経験してきましたが、大変な時期をいかに生き抜き、先へ進んでいくのか。そういう“挫折と再生の物語”という意味も含め、ヒロインのバックグラウンドとして“ものづくりの町”東大阪市を舞台にすることに意味があると考えました。

-舞の祖母が暮らすもう一つの舞台として、長崎の五島列島を選んだ理由は?

 東大阪を舞台にすることが決まった後、もう一つの舞台は離れた場所がいいだろうということで、いろんな島を検討する中で、五島にたどり着きました。まず、小さな島が150以上もあり、東大阪市とは対照的な場所であること。そしてもう一つ、五島を選んだ大きな理由が、“ばらもんだこ”の存在です。五島には、子どもの健やかな成長を願い、ばらもんだこを上げる風習があります。それを知ったとき、向かい風を受けないと空に上がることができないたこは、このドラマのテーマとも一致し、ヒロインの健やかな成長を象徴する存在になるのではないかと考えました。

-それでは最後に、視聴者へのメッセージを。

 桑原さんがよく「舞ちゃんは常に後方確認をしていく人」とおっしゃっています。空に上がっていこうとする舞自身の希望に満ちた前向きな姿。それと同時に、舞が1人で進んでいくのではなく、横や後ろの人をきちんと見て、「みんな一緒に来ているかな?」と気を配りながら、みんなで一歩一歩進んでいく。そんな物語を作っていけたらと思っています。ぜひ皆さん、舞の成長を見守り、応援していただけたら幸いです。

(取材・文/井上健一)

 

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

八津弘幸 「豊臣兄弟!」本能寺の変は「僕と小栗旬さんの思いを込めた」脚本家が語る舞台裏【大河ドラマ「豊臣兄弟!」インタビュー】

ドラマ2026年7月18日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合 毎週日曜 夜8:00~ほか)。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄の秀吉(池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中だ。中盤のクライ … 続きを読む

内野聖陽、念願のリア役にかける思いとは 「リア王 -KING LEAR-」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年7月17日

 シェークスピア四大悲劇の一つ「リア王」が内野聖陽の主演で9月21日から上演される。舞台、映画、テレビと各方面で活躍し、硬軟・老若を問わず多彩な役柄を演じ分ける実力派の内野。ドラマ「ゴールドサンセット」の劇中劇で「リア王」を演じた経験と熱い … 続きを読む

唐田えりか「染谷将太さんのお芝居が衝撃的でした」コンビニ店を舞台にした異色ホラーで初共演『チルド』【インタビュー】

映画2026年7月16日

-堺と小河がファミレスで会話するシーンでは、染谷さんがほかのシーンとは別人のように生き生きとしていたのも驚きでした。  染谷さんのお芝居は、楽しそうなときも、わかりやすく楽しそうにするのではなく、せりふの間のちょっとした息遣いや一瞬のほほ笑 … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第26回「信長を笑わせろ!」 人間ドラマと華やかなエンターテインメントが一体になった大河ドラマならではのエピソード【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年7月10日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。7月5日放送の第26回「信長を笑わせろ!」では、小 … 続きを読む

花總まりがアガサ・クリスティに 失踪の謎を追うミュージカル「AGATHA(アガサ)」で「ミステリーの世界を体感していただけたら」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年7月9日

 イギリスを代表する推理小説家で“ミステリーの女王”と呼ばれたアガサ・クリスティが失踪した実話を元にしたミュージカル「AGATHA(アガサ)」が7月18日から上演される。本作は、アガサ・クリスティが失踪した11日間の謎を追う物語。現在(19 … 続きを読む

page top