エンターテインメント・ウェブマガジン
高校球児たちの知られざる日常と生態をリアルに描いた伝説的コミックを映画化した『野球部に花束を』が、8月11日から公開される。本作は、全ての青春を野球部に捧げた、球児たちの熱過ぎる汗と涙の“時代逆行型”エンターテインメント。青春をおう歌しようと高校に入学したのに、野球部2年生たちの甘い勧誘に乗ってグラウンドに顔を出したことから、野球部員となってしまう主人公・黒田鉄平を演じる醍醐虎汰朗と、チームメートの桧垣主圭役の黒羽麻璃央に撮影の裏話を聞いた。
黒羽 元野球部の僕からすると、かなりリアルに描かれているというところが、やはり面白かったです。もちろん、誇張しているところもありますが、体育会系の世界は大体この通りだと思います(笑)。なので、われわれのような体育会系で過ごしてきた男たちには刺さる部分が多いと思います。
醍醐 麻璃央くんの言葉通りです(笑)。漫画を読んでこんなに笑ったのは久しぶりだというぐらい、笑いました。
黒羽 劇中に“格言マン”(里崎智也)が出てきて、“野球部あるある”を紹介するんですが、共感できるネタばかりでした。格言マンが言っていたように、高校1年生のときには、3年生は本当に全員がおじさんに見えます(笑)。それに撮影自体も、映画の撮影というよりは、ただただ野球部として活動しているような感覚でした。声を出して、走って…。部員たちの息遣いは全てリアルなものなので、まさに「野球に狂え」という撮影期間でした。
醍醐 僕は、今まで野球をしたことはなかったんです。なので、リアルな高校球児の環境やしきたりなどは無知でしたが、今回初めてしっかりと野球と向き合いました。特にキャッチャーは、奥が深いなと感じました。逆にリアルではない部分なのですが、自分よりも10歳、20歳も年上の方が、同級生役を演じていたので、不思議な世界に迷い込んでいるかのようでした(笑)。
黒羽 それは、僕も思った。主演が醍醐くんだと聞いて、「醍醐くんよりも8歳年上だけど同級生役でいけるのかな?」と思っていたんですが、周りを見たら、全然いけました。絶対に高校生じゃないっていうルックスの人もたくさんいましたからね(笑)。
醍醐 でも、その環境にもだんだんと適応している自分たちがいました(笑)。最後まで違和感はあったんですが、でも、成立しているなと思いながらやれたというか…。
黒羽 そうだね。年齢差はあるのに、一緒になって青春していたよね。みんな、全力で走って、汗を流していた。コメディー的な要素も強い作品ですが、ジーンとするシーンもあるので、そういう意味でも楽しんでいただけると思います。
黒羽 3年が引退する前に、下級生たちに向けて最後のノックをする「引退ノック」のシーンは演じていても感動しました。それまでは「早く怖い先輩たちがいなくなってくれないかな」と思っているんですが、いざいなくなってしまうとなるとどこか寂しかったり、名残惜しくなるというのは、不思議な感情だなと思いながらもやっぱりジーンとするんですよ。きっとそれは野球部に限らず、部活をやっているとみんなが感じることだと思います。
醍醐 僕も「引退ノック」のシーンは印象深いです。肉体的にも限界まで追い込んで撮影したシーンだったので、そういう意味でもみんなで頑張ったという思い出があります。もはや芝居じゃなかった気がします。みんな“限界だ”という顔をしてやっていますから(笑)。
醍醐 野球が好きなんだなということが伝わってきました。休憩中もキャッチボールをしているんですよ。誰よりもボールに触っていたと思います。
黒羽 僕にとっては、ご褒美みたいな仕事でした。こんなにも野球ができる仕事ってなかなかないですから。
映画2025年12月28日
今回は、筆者の独断と偏見による「2025年公開映画ベストテン」を発表し、今年を締めくくりたいと思う。 【外国映画】 2025年公開の外国映画を振り返った時に、今年の米アカデミー賞での受賞作は最近の映画界の傾向を象徴するようで興味深いもの … 続きを読む
ドラマ2025年12月26日
今年のヒットドラマ、Netflixシリーズ「おつかれさま」。子どもから親へと成長していく女性の人生とその家族を描き、幅広い世代から支持され大きな話題を呼んだ。IU(アイユー)との二人一役で主人公エスンを演じたムン・ソリに、ドラマの振り返り … 続きを読む
映画2025年12月24日
脚本家としても著名な荒井晴彦監督が、『花腐し』(23)に続いて綾野剛を主演に迎え、作家・吉行淳之介の同名小説を映画化した『星と月は天の穴』が12月19日から全国公開された。過去の恋愛経験から女性を愛することを恐れながらも愛されたい願望をこ … 続きを読む
映画2025年12月23日
2014年1月にスタートしたテレビ朝日系列の大ヒットドラマ「緊急取調室」。たたき上げの取調官・真壁有希子が、可視化設備の整った特別取調室で取り調べを行う専門チーム「緊急事案対応取調班(通称:キントリ)」のメンバーとともに、数々の凶悪犯と一 … 続きを読む
映画2025年12月20日
『楓』(12月19日公開) 須永恵と恋人の木下亜子は、共通の趣味である天文の本や望遠鏡に囲まれながら幸せな日々を送っていた。しかし実は本当の恵は1カ月前にニュージーランドで事故死しており、現在亜子と一緒にいるのは、恵のふりをした双子の兄・ … 続きを読む