醍醐虎汰朗&黒羽麻璃央が語る野球愛「野球を通して、一生付き合える仲間たちと出会える」【インタビュー】

2022年8月6日 / 07:00

 高校球児たちの知られざる日常と生態をリアルに描いた伝説的コミックを映画化した『野球部に花束を』が、8月11日から公開される。本作は、全ての青春を野球部に捧げた、球児たちの熱過ぎる汗と涙の“時代逆行型”エンターテインメント。青春をおう歌しようと高校に入学したのに、野球部2年生たちの甘い勧誘に乗ってグラウンドに顔を出したことから、野球部員となってしまう主人公・黒田鉄平を演じる醍醐虎汰朗と、チームメートの桧垣主圭役の黒羽麻璃央に撮影の裏話を聞いた。

醍醐虎汰朗(左)と黒羽麻璃央 (C)エンタメOVO

-原作を読んで、この作品のどこに面白さを感じましたか。

黒羽 元野球部の僕からすると、かなりリアルに描かれているというところが、やはり面白かったです。もちろん、誇張しているところもありますが、体育会系の世界は大体この通りだと思います(笑)。なので、われわれのような体育会系で過ごしてきた男たちには刺さる部分が多いと思います。

醍醐 麻璃央くんの言葉通りです(笑)。漫画を読んでこんなに笑ったのは久しぶりだというぐらい、笑いました。

-例えば、どんなところがリアルでしたか。

黒羽 劇中に“格言マン”(里崎智也)が出てきて、“野球部あるある”を紹介するんですが、共感できるネタばかりでした。格言マンが言っていたように、高校1年生のときには、3年生は本当に全員がおじさんに見えます(笑)。それに撮影自体も、映画の撮影というよりは、ただただ野球部として活動しているような感覚でした。声を出して、走って…。部員たちの息遣いは全てリアルなものなので、まさに「野球に狂え」という撮影期間でした。

-撮影もリアルだったんですね。醍醐さんもそのリアルさは感じていましたか。

醍醐 僕は、今まで野球をしたことはなかったんです。なので、リアルな高校球児の環境やしきたりなどは無知でしたが、今回初めてしっかりと野球と向き合いました。特にキャッチャーは、奥が深いなと感じました。逆にリアルではない部分なのですが、自分よりも10歳、20歳も年上の方が、同級生役を演じていたので、不思議な世界に迷い込んでいるかのようでした(笑)。

黒羽 それは、僕も思った。主演が醍醐くんだと聞いて、「醍醐くんよりも8歳年上だけど同級生役でいけるのかな?」と思っていたんですが、周りを見たら、全然いけました。絶対に高校生じゃないっていうルックスの人もたくさんいましたからね(笑)。

醍醐 でも、その環境にもだんだんと適応している自分たちがいました(笑)。最後まで違和感はあったんですが、でも、成立しているなと思いながらやれたというか…。

黒羽 そうだね。年齢差はあるのに、一緒になって青春していたよね。みんな、全力で走って、汗を流していた。コメディー的な要素も強い作品ですが、ジーンとするシーンもあるので、そういう意味でも楽しんでいただけると思います。

-お二人がジーンとしたシーンはどこですか。

黒羽 3年が引退する前に、下級生たちに向けて最後のノックをする「引退ノック」のシーンは演じていても感動しました。それまでは「早く怖い先輩たちがいなくなってくれないかな」と思っているんですが、いざいなくなってしまうとなるとどこか寂しかったり、名残惜しくなるというのは、不思議な感情だなと思いながらもやっぱりジーンとするんですよ。きっとそれは野球部に限らず、部活をやっているとみんなが感じることだと思います。

醍醐 僕も「引退ノック」のシーンは印象深いです。肉体的にも限界まで追い込んで撮影したシーンだったので、そういう意味でもみんなで頑張ったという思い出があります。もはや芝居じゃなかった気がします。みんな“限界だ”という顔をしてやっていますから(笑)。

-醍醐さんは野球を本格的にプレーしたのは初めてということですが、黒羽さんは野球好きとしても知られています。醍醐さんから見て、黒羽さんの野球シーンはいかがでしたか。

醍醐 野球が好きなんだなということが伝わってきました。休憩中もキャッチボールをしているんですよ。誰よりもボールに触っていたと思います。

黒羽 僕にとっては、ご褒美みたいな仕事でした。こんなにも野球ができる仕事ってなかなかないですから。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【Kカルチャーの視点】「ユミの細胞たち」の原作者、ウェブトゥーン作家イ・ドンゴン

インタビュー2025年11月17日

 韓国文化の“今”を再構築し続けるKカルチャー。今回は、デジタル空間で物語を紡ぐウェブトゥーンの世界に焦点を当てる。平凡な会社員ユミの頭の中で繰り広げられる細胞の物語――。2015年に連載を開始した「ユミの細胞たち」は、全512話で32億ビ … 続きを読む

尾上眞秀「お母さんやおばあちゃんが喜んでくれました」寺島しのぶの長男が舘ひろしとの共演で映画初出演『港のひかり』【インタビュー】

映画2025年11月14日

 日本海沿岸の小さな漁師町を舞台に、元ヤクザの漁師・三浦と目の見えない少年・幸太という、年の離れた孤独な2人の絆を描くヒューマンドラマ『港のひかり』が、11月14日から全国公開中だ。  主演に舘ひろしを迎え、『正体』(24)の俊英・藤井道人 … 続きを読む

『物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家の物語』(7)神々がすむ土地を語る

2025年11月14日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼玉田永教と神道講釈  銭湯の湯け … 続きを読む

ハリウッド・リメイク決定!インド発ノンストップ・アクション!「日本の皆さんにも楽しんでいただけるはず」ニキル・ナゲシュ・バート監督『KILL 超覚醒』【インタビュー】

映画2025年11月13日

 40人の武装強盗団が、ニューデリー行きの特急寝台列車を襲撃! 刀を手に乗客から金品を奪う強盗団のリーダー、ファニ(ラガヴ・ジュヤル)は、大富豪タークルとその娘トゥリカ(ターニャ・マニクタラ)を人質に取り、身代金奪取をもくろむ。だがその列車 … 続きを読む

上白石萌歌「小さなお子さまから大人の方まで幅広く届いてほしいと思います」『トリツカレ男』【インタビュー】

映画2025年11月11日

 何かに夢中になると他のことが目に入らなくなってしまうジュゼッペ(声:佐野晶哉)は、街の人々から「トリツカレ男」と呼ばれている。ある日、ジュゼッペは、公園で風船売りをしているペチカに一目ぼれし、夢中になるが…。作家・いしいしんじの同名小説を … 続きを読む

Willfriends

page top