南沢奈央、デビューから16年「これから先もまだまだ楽しみが残っている」【インタビュー】

2022年7月18日 / 12:00

-鍛え直したいと思ったきっかけがあったんですか。

 そもそも、私は自分のお芝居にあまり自信がないんですよ。自信のないまま10年以上続けてきてしまいましたが、オファーをくださった方やお客さまの期待に応えられているのかな、続けていていいのかなと。ただ、演じることは大好きなので、いろいろな演出家さんの下でたくさんの作品に触れて、少しでも成長できたらいいなと思っています。

-鍛えるためには、稽古期間が長い舞台の方がじっくり向き合えるということですね。

 そうです。そこが舞台の好きなところでもあります。私は考えて考えてお芝居を作っていきたいタイプなので、自分の性格にも合っていると思います。

-では、これまでの俳優人生を振り返ったとき、ターニングポイントとなった作品、きっかけは?

 一つ目は、高校3年生のときに主演したドラマと映画『赤い糸』という作品です。当時、大学に行きたかったこともあり、この仕事を続けていいのか迷っていたのですが、この作品に出演したことで、俳優を続けていきたいと強く思うようになりました。大きな作品に出演させてもらったからこそ、責任を持ってやりたいと改めて感じた作品でした。

 それから、やはり新型コロナはいろいろなことを考える大きな出来事になりました。本番直前まで稽古を続けていたけれども、全公演中止になってしまった作品もあり、自分がお芝居の仕事をしている意味を考えるタイミングになりました。当たり前のように感じていたことが当たり前じゃなかったんだ、開幕できるということはありがたいことなんだと改めて思いましたし、来てくださる皆さまのためにやろうという意識がより強く芽生えました。私は稽古が大好きなので、それまでは稽古ができるだけでもいいと思っていたのですが、やっぱり舞台は人に見てもらって完成するんだとも感じました。

-俳優としての今後の目標は?

 長く続けていくことです。このお仕事は、年齢によってできる役も変わってくるので、いつまでたっても飽きないですし、これから先もまだまだ楽しみが残っていると思います。いい年の取り方をして、その年齢に合う役をいろいろとできたらと思っています。

-改めて、本作への意気込みを。

 私にとって、すごくチャレンジな作品です。見てくださった方の心が温かくなるような、美しくて柔らかい世界観の作品ですので、しっかりと作っていきたいと思います。劇場でお待ちしております。

(取材・文/嶋田真己)

パルテノン多摩リニューアルオープン企画「お月さまへようこそ」

 パルテノン多摩リニューアルオープン企画「お月さまへようこそ」は、7月28日~31日に、都内・パルテノン多摩 大ホールで上演。
公式サイト https://www.parthenon-renewalopen.jp/moon

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

蓮佛美沙子&溝端淳平「カップルや夫婦が“愛の形”を見直すきっかけになれたら」 グアムで撮影した新ドラマ「私があなたといる理由」【インタビュー】

ドラマ2025年7月1日

 ドラマ「私があなたといる理由~グアムを訪れた3組の男女の1週間~」が、7月1日からテレ東系で放送がスタートする。本作は、グアムを訪れた世代が違う男女3組のとある1週間を描いた物語。30代の夫婦(蓮佛美沙子、溝端淳平)、20代の大学生カップ … 続きを読む

風間俊介「横浜流星くんと談笑する機会が増えてきたことが嬉しい」蔦重と和解した鶴屋喜右衛門役への思い【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年6月29日

-それが変わってきたということでしょうか。  物事は、ある程度加速がつき、歯車がスムーズに回り始めれば、少ないエネルギーで進んでいくようになりますが、スタートするときは膨大なエネルギーが必要です。この作品もそういう過程を経て、ようやく彼が笑 … 続きを読む

栗田貫一「今回はルパンたちが謎の世界に迷い込んで謎の敵と戦って、しかも前に倒した連中もよみがえってくるみたいな感じです」『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』【インタビュー】

映画2025年6月27日

-30年間やってきて、栗田さんなりのルパンに対する思いや魅力について。また栗田さんにとってルパンとはどういう存在でしょうか。  やっぱりルパン三世の声は、パート2や『ルパン三世 カリオストロの城』(79)の頃の、山田さんが一番元気だった頃の … 続きを読む

光石研、大倉孝二「ちょっと重いけれどちゃんとエンターテインメントになっていると思います」『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』【インタビュー】

映画2025年6月27日

-三池崇史監督の演出や映画に対する姿勢についてはどう感じましたか。 大倉 あまり無駄なことはおっしゃらないです。すごく明確な演出をなさいます。僕の場合は、校長と薮下先生との間に挟まれているという、スタンスにちょっとよどみがあったのかもしれな … 続きを読む

【週末映画コラム】『トップガン マーヴェリック』と兄弟のような『F1(R)/エフワン』/過酷な救急医療現場にリアルに迫った『アスファルト・シティ』

映画2025年6月27日

『アスファルト・シティ』(6月27日公開)  犯罪と暴力が横行するニューヨークのハーレム。クロス(タイ・シェリダン)は医学部への入学を目指し勉学に励む一方で救急救命隊員として働き始める。  ベテラン隊員のラット(ショーン・ペン)とバディを組 … 続きを読む

Willfriends

page top