「歌子らしく歌えるように心掛けています」初めての朝ドラでヒロインの妹を好演 上白石萌歌(比嘉歌子)【「ちむどんどん」インタビュー】

2022年7月4日 / 08:20

 NHKで放送中の連続テレビ小説「ちむどんどん」。戦後の沖縄で四兄妹の次女として生まれ育ったヒロイン、比嘉暢子(黒島結菜)が上京し、料理人の道を目指して奮闘する物語だ。本作で、内気で病弱だが、心優しく歌が大好きな暢子の妹・比嘉歌子を演じているのが上白石萌歌。初めてとなる朝ドラ出演の舞台裏を語ってくれた。

比嘉歌子役の上白石萌歌 (C)NHK

-初めての朝ドラ出演ですが、ここまで撮影してきた感想はいかがですか。

 同じ役と(撮影で)1年間向き合う経験は初めてですが、まるで長距離走みたいです。ずっと先にあるゴールに向かって、どうやって自分とリンクさせていくか、どんなふうにこのキャラクターを成長させていくのか。そういうことを、日々考えながら演じるのがすごく楽しいです。ただ、午前中は16歳の場面、午後は28歳の場面など、撮影スケジュールが入り組んでいるので、そういう年齢感や自分の実年齢を超えた役を演じることなど、いろんな難しさも感じています。そういう経験を積む中から、歌子の成長を見せられたら、と思っています。

-比嘉家四兄妹を演じる皆さんの印象はいかがでしょうか。

 皆さん「当て書きじゃないの?」と思うぐらい、役と似ているので、私もすっかり皆さんをその役として見るようになりました。4人一緒にいることも当たり前ですし、最近はすっかり本当の兄妹のようになっています。この先、他の作品で皆さんと共演することがあったら、「ニーニー」「ネーネー」って呼んでしまいそうなぐらい、本当のお兄ちゃん、お姉ちゃんみたいに思っています。

-具体的に皆さんのどんなところが役と似ていますか。

 ニーニー(=兄・賢秀を演じる竜星涼)は、常に家族の真ん中にいて、明るくみんなを笑わせてくれるムードメーカーです。黒島さんは、すごく潔いところがあって、自分の志を貫こうとする感じが暢ネーネー(=暢子)そっくりですよね。良子ネーネーは、川口(春奈)さんの中にもある芯の強さや正義感がすごく似ているなと思います。

-そういう皆さんの仲の良さやご本人と共通する部分がドラマにも反映されているように感じます。ところで、名前に同じ「歌」の文字が入っている点は、上白石さんと歌子の縁を感じさせますね。

 自分の名前の漢字がそのまま役につながることは初めてなので、今まで以上に役へのシンパシーを感じています。それだけでなく、歌子には歌う場面もあって、このドラマの中で歌の要素を担う役でもあるので、「精いっぱいやらなきゃ」という気にもなりました。

-歌といえば、上白石さんは“adieu(アデュー)”名義で音楽活動も行っていますが、歌手として歌うときとドラマの中で役として歌うときで、どんな違いがありますか。

 普段、歌手として歌うときは、限りなく自分に近い感じで歌っています。でも、役として歌うときは、役の心情の延長線上に歌があるので、全く違います。例えば、歌子が緊張してうまく歌えなくなる場面では、足先から肩に上ってくるようなガチガチの緊張感と歌を両立させなければいけませんし。そういうことを自分なりに研究して、場面に応じて歌子らしく歌えるようにと心掛けています。

-しかも、劇中ではさまざまな曲を歌いますよね。曲による違いなどもあるのでしょうか。

 歌子の心情に寄り添った曲が多いので、なるべくそのときの歌子の心情を意識するようにしています。例えば「翼をください」なら、病弱な自分にない健やかさや幸せを願う気持ちを重ねたり…。そのときの比嘉家の状況とリンクすることもあるので、歌子の歌がそういういろんなものを視聴者の皆さんにつなぐ役割を果たせたらいいなと思っています。

-歌手と女優を両立していることが歌子を演じる上で役立っているようにも思えますが、いかがでしょうか。

 役の中で歌うのは初めてですが、音楽をやっていることが役立っている部分も多少はあるかもしれません。ただ、歌子の場合はせりふより、歌に本音が出るところがあるんですよね。だから、まずはそれを忘れず、役として歌うことを一番に考えています。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

門脇麦、「芝居に対してすごく熱い」田中圭と夫婦役で5度目の共演 舞台「陽気な幽霊」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年4月2日

 田中圭を主演に迎え、若村麻由美、門脇麦、高畑淳子ら豪華共演者で贈る舞台「陽気な幽霊」が5月3日から開幕する。本作は、20世紀を代表する劇作家ノエル・カワードによるウェルメイド・コメディー。1945年にはデヴィッド・リーン監督により映画化も … 続きを読む

今田美桜「『アンパンマン』のように、幅広い世代に愛される作品に」連続テレビ小説「あんぱん」いよいよスタート!【インタビュー】

ドラマ2025年4月1日

 3月31日から放送スタートしたNHKの連続テレビ小説「あんぱん」。『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルに、何者でもなかった朝田のぶと柳井嵩(北村匠海)の2人が、数々の荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『 … 続きを読む

坂本昌行&増田貴久がミュージカルで初共演「笑顔になって、幸せになって帰っていただけたら」 ミュージカル「ホリデイ・イン」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年4月1日

 坂本昌行と増田貴久をはじめとした豪華キャストが出演するミュージカル「ホリデイ・イン」が4月1日から開幕する。本作は、1942年に公開された映画『Holiday Inn』(邦題『スウィング・ホテル』)をもとに舞台化されたミュージカル作品。「 … 続きを読む

藤原竜也が挑む「マクベス」 「1日1日、壁を突破することが目標」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年3月29日

 2024年5月にスタートした、吉田鋼太郎が芸術監督を務める【彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd】。待望の二作目となる「マクベス」が、藤原竜也を主演に迎え、5月8日から上演される。藤原に初めて挑む「マクベス」への思いや吉田とのクリエイトに … 続きを読む

竈門炭治郎を演じる阪本奨悟が語る、舞台「鬼滅の刃」の魅力 「生身の人間が演じているからこそ、リアルに共感できる」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年3月28日

 「週刊少年ジャンプ」で2020年5月まで連載していた吾峠呼世晴による大ヒット漫画『鬼滅の刃』。2020年に初めて舞台化されて以降、シリーズを重ね、4月11日からはシリーズ5作目となる、舞台「鬼滅の刃」其ノ伍 襲撃 刀鍛冶の里が上演される。 … 続きを読む

Willfriends

page top