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【インタビュー】大谷亮平「品川さんは大好きな監督」 品川ヒロシ監督「シーズン2は大谷さんのユーモラスな一面を乗せられた」WOWOWドラマ『異世界居酒屋「のぶ」Season2~魔女と大司教編~』

 『WOWOWオリジナルドラマ 異世界居酒屋「のぶ」Season2~魔女と大司教編~』が、放送・配信中だ。本作は、蝉川夏哉の同名小説を2020年に実写ドラマ化した『異世界居酒屋「のぶ」』の続編。中世ヨーロッパ風の異世界につながってしまった居酒屋を舞台に、庶民的な居酒屋料理や酒を通じて、温かな人間ドラマが繰り広げられるグルメファンタジー。前編に続き、主人公の居酒屋「のぶ」の大将を演じた大谷亮平と、監督&脚本を務めた品川ヒロシに、続編の見どころや撮影時の裏話を聞いた。

品川ヒロシ(ヘアメーク:hm CIair/スタイリスト:渡邊浩司/hiroshi watanabe))と大谷亮平(ヘアメーク:MIZUHO(VITAMINS)/スタイリスト:伊藤省吾(sitor)/Shogo Ito(sitor))

-2年振りの待望の新シリーズとなりますが、続編が決定したときの率直な感想は?

大谷 この作品の世界観が視聴者の方に受け入れてもらえたんだなと、すごくうれしかったです。シーズン2はストーリーが面白くて、楽しんでいただける作品になるなと思って撮影していたので、早く見てもらいたいなと思います。

品川 シーズン1の最終回の放送後に、皆さんがTwitter上で「#のぶシーズン2希望」と拡散してくれたことがきっかけで続編が撮れることになったので、うれしかったです。うれしい反面、前作よりも面白いものをという思いがあったので、編集した作品を見て、改めて前よりもパワーアップしたものを見ていただけるのではないかなと、楽しみにしています。

-今回は原作でも人気の「魔女と大司教編」になりますが、品川監督はどんなことを意識して脚本を書きましたか? 大谷さんは脚本を読んだときの感想はいかがでしたか。

品川 原作では中世ヨーロッパのような異世界の政治的な要素が多く描かれているので、ドラマの短い時間内に落とし込むことが難しかったのですが、視聴者が離れないように、キャラクターたちのユーモアだったり、料理だったり、アクションの味付けをすることで、政治的な物語の部分も推し進めることができました。その分、シーズン1よりも要素が増えて面白くなっているなと思います。

大谷 居酒屋やセットのスケール感が大きくなっているので、ドキドキワクワクしながら見てもらえるなと感じました。僕と、武田玲奈さんが演じる居酒屋「のぶ」の看板娘・しのぶや、居酒屋の常連客とのやり取りが、シーズン1のときよりもコミカルで、愛されるものになるんじゃないかなと思いました。

-2年振りに再会した、互いの印象は?

品川 大谷さんは結構砕けた面白い人なんだなと感じました。シーズン2の現場では、よりプライベートな話もするようになりましたし、大谷さんが持つユーモラスな一面を作品に乗せられたんじゃないかなと思います。

大谷 シーズン2までの2年間は、品川さんがバラエティー番組で芸人さんの顔に戻られているところを見てきたのですが、いざドラマの現場に入ると、鋭い突っ込みをしたり、毒を吐く品川さんとは180度違っていて、キャスト一人一人にものすごく愛情をくださる方だなと感じています。どんな方にも気を配られるからこそ、スタッフを含め、皆さんが品川監督に付いていくんだなと思いますし、僕も大好きな監督さんです。

-撮影で印象に残っているシーンは?

品川 水野美紀さんが演じる魔女のような女・イングリドの登場シーンです。中世ヨーロッパのような異世界にランタンを持ってイングリドが現れるときの説得力のある絵作りというのは、かなり作り込みましたし、安っぽくないカッコいい魔女の登場シーンになったなと思います。

-撮影現場はどんな雰囲気でしたか。

大谷 前作からやっていることもあって、キャストのみんなの緊張感がほぐれてたのもあり、思わず笑ってしまってNGになることが多くありました。水野さんのアドリブが面白かったり、反対に僕が原因で水野さんが吹き出してしまったりと、そんなシーンが散りばめられていると思います。

-そんな水野さんの“怪演”が話題ですが、品川監督から見た俳優・水野さんの印象は?

品川 水野さんが演じられたイングリドは、ある意味、老婆みたいな役なのですが、水野さんが衣装を着て西洋のような街並みに現れたときに、立ち姿がカッコ良くて。作り込んで若作りをしないのに、こんなにきれいってすごいなというのが一番にきました。説得力がありながらも、きれいという等身大の魅力にあふれた方だなと思います。

-大谷さんは大将役を演じて、プライベートでも料理の見方が変わったり、料理をするようになったりと変化はありましたか。

大谷 撮影時に気に入った料理を家で挑戦しました。シーズン1の撮影現場でタコのアヒージョを食べて「これはうまい」と思ったので、台本のレシピ通りに作ってみたのですが、温度なのか何なのか、家ではうまくできなかったです(笑)。

-役者の皆さんが、中世ヨーロッパをイメージした扮装(ふんそう)で喜々として演じられている本作ですが、そこも含め、お二人が感じる『異世界居酒屋「のぶ」』シリーズ の魅力を教えてください。

品川 僕は異世界チームの役者の皆さんには「舞台だと思ってやってください」と話して演じてもらっています。ドラマなのに舞台のような腹式の発声でデフォルメしたお芝居をしてもらって、「異世界」感を出しているので、料理やアクション、ユーモアの部分も含めて、ある意味珍しいドラマだと思います。

大谷 調理場を挟んだ居酒屋チームの僕と武田さんは、品川さんに「ドラマだと思って演じてください」と言われているので、僕としては調理場から、異世界チームの客席を観劇しているような気持ちで、お客さん目線になれるところがリアリティーがあるなと思います。異世界側の人間たちを見ているのは魅力があって楽しいので、映像を通して、この面白さが伝わればいいなと思います。

(取材・文・写真/小宮山あきの)

WOWOW 異世界居酒屋「のぶ」Season2~魔女と大司教編~

 『WOWOWオリジナルドラマ 異世界居酒屋「のぶ」Season2~魔女と大司教編~』は、毎週金曜午後11時からWOWOWプライム、WOWOW4Kで放送中(全10話)[第1話無料放送]。WOWOWオンデマンドでは各月の初回放送終了後、同月放送分を一挙配信中[無料トライアル実施中]。

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