エンターテインメント・ウェブマガジン
もちろん、いつの時代にも、語られるべき黒人の物語や、ヒーローたちの素晴らしい物語はあると思います。今はそういう物語が作れる状況になって、それはとてもうれしいことです。ラブストーリー、コメディー、いろんな形でそうした映画が作られています。映画作家として、そのうちの一人でいられることをうれしく思っています。先ほどお話ししたように、『ビリー・ホリデイ物語/奇妙な果実』を見たときに、映画を作りたいと思ったわけですが、自分にとって重要なものについての映画を作りたいとずっと考えてきました。特に『チョコレート』(01)を作ってから、その思いが強くなりました。黒人の物語は、世界にとっても、文化にとっても、アメリカという国にとっても、とても重要で意義のあるものなので、もっと語られるべきだと思います。
まず、アメリカという国に、今どれほどの分裂があるのか、ということを日本の観客の皆さんにも感じていただきたいと思います。この映画を見た多くの人たちが、真実の物語としてとても心に響いたと言ってくれましたが、それには理由があって、根深い人種差別をはじめ、今アメリカで起きているいろいろな恐ろしいことが、衆目にさらされているからです。もともとアメリカという国自体が、黒人奴隷たちの手によって作られてきた、言い換えるなら、人種差別を通して作られてきた国なのです。どんな解決法があるのかは、私にも分かりませんが、少なくとも、今のアメリカが抱える問題として見つめ続けなければならないと思っています。
(取材・文/田中雄二)
映画2025年5月17日
-役作りをする上で気を付けたことはありましたか。 気を付けたことで言うと、子どもたちがメインで見るので、物語の展開もそうですけど、スピード感みたいなものは割と気を付けていました。あとは、「こうやって言ったら分かるよね」というような、押し付 … 続きを読む
映画2025年5月16日
『ノスフェラトゥ』(5月16日公開) 1838年。不動産業者のトーマス・ハッター(ニコラス・ホルト)は、自身の城を売却しようとしているオルロック伯爵(ビル・スカルスガルド)のもとへ向かう。 トーマスの不在中、彼の新妻エレン(リリー=ロー … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年5月16日
-ドラマ化が大ヒットを記録したこの作品をミュージカル化することにはどのような思いがありますか。 この作品をミュージカルにするのは、すごくハードルが高いのではないかと思ったので、驚きました。ストレートプレーで上演した方が、もっとダイレクトに … 続きを読む
映画2025年5月15日
-クリストファー・マッカリー監督の印象は? 今や彼は自分のおじさんのような存在なので「マッカリーおじさん」みたいな呼び方をしていますが、自分にとっては先生ですね。彼は演出だけではなくて指導力もとても優れています。自分が恵まれていると思うの … 続きを読む
映画2025年5月12日
ーところで本作は、研さんの9年ぶりの映画主演作だそうですね。 研 そういうことは全く頭になかったです。「何周年記念のお祝い」みたいなことがあまり好きではないんです。「何年やったからといって、何が偉いの?」と思ってしまって。自分が人間的に成長 … 続きを読む