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裁判シーンはずっと緊迫した空気が続いていました。地方の学校を借りて撮影し、3週間ぐらいキャストやスタッフの皆さんと一緒にいたので、団結力も生まれましたし、皆で現場を作るんだ、という意気込みで撮影していました。その分、毎日撮影から帰ると、電源が切れるようにバタッっと倒れこんでしまうほどで…。寝ている間も、みんなでもめる夢など、悪夢や暗い夢ばかり見ていましたし…。
ただ、その反動のように、現場の雰囲気はすごく明るくて、キャストはみんな仲がよかったんです。和気あいあいとして、本当の学校のような空間が広がっていて、今でも頻繁に連絡を取るぐらい、すてきな同志に出会えました。浮所(飛貴/野田健一役)くんや坂東(龍汰/大出俊次役)くんはムードメーカーでしたし、他の生徒とは別格の空気をまとっていらっしゃる宮沢(氷魚)さんも神原役にぴったりで…。そういう素晴らしい人たちといい作品を作りたい、苦しむほどいいものになる、と思っていましたが、仕上がった作品にその苦しさがきちんと反映されていたので、よかったなと。この現場を走り切ることができたのも、皆のおかげです。
「大人に負けるな!」でしょうか(笑)。劇中には、事件を取材する記者の茂木(悦男/橋本じゅん)さんを始め、大人と対峙(たいじ)する場面が多いんですよね。世の中には、大人の言うことがすべて正しいと思い込まされたり、知らないうちに搾取されていたりすることが、きっとたくさんあると思うんです。そういうことに対して疑問を持ち、戦ったのが涼子ちゃんです。そういう「疑問を持つことの大切さ」を、皆さんに伝えられたらと思っています。
(取材・文・写真/井上健一)
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