【インタビュー】映画『「宇宙戦艦ヤマト」という時代  西暦2202年の選択』山寺宏一「歴史の事実を突き付けられた気がした」福井晴敏「『ヤマト』は『ガンダム』や『エヴァ』の手が回らないところにあるべき存在」

2021年6月9日 / 06:44

-そうですね。

山寺 実際、僕もそう思っていました。でも、考えてみたら僕の親は戦争を経験しているし、僕が生まれるつい10数年前まで、日本も戦争をやっていたわけです。今だって世界から戦争はなくなっていません。今回、冒頭で「20世紀末から、人類は幾つもの危機を乗り越え、世界大戦を200年以上回避してきた」というナレーションで始まるのを見て、そういう忘れていた歴史の事実を突き付けられた気がしました。そんな視点で見ると、より深い「ヤマト」の魅力に気付くことができるかもしれません。

-本作に続き、今年は最新作『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』の上映も予定されています。その点も踏まえて、ファンへのメッセージを。

福井 前回の収録の後、山寺さんが「いやー、精神的にきたわ…」と言いながら帰っていかれたのが、すごく印象に残っています(笑)。

山寺 いやぁ…(笑)。実はもう『2205』の収録が始まっているんですけど、最初から「えー!?」ということが起こるんです。その後、ちょっと希望の光が見えて、「ぞわぞわっ」と…。だから、すごいことになっています。それを楽しんでいただくためにも、今まで「ヤマト」に触れてこなかった方には、入門編としてこの作品をご覧いただければと思います。反対に、今まで見てきた方は、感動がよみがえってくるだけでなく、「今までこう思っていたけど、実はこうだったのか」という発見もあったりして、きっといろいろな楽しみ方ができるはずです。

福井 物語を通して、現実を捉え直すことができるのが、フィクションの大きな魅力です。その点、この『「宇宙戦艦ヤマト」という時代』は、今の時代と正面から向き合い、東日本大震災から10年ぐらいの日本の気分が反映された作品に仕上がっています。現在はさらに大変な状況ですが、こんなふうに「不安が次々と押し寄せてくる時代をどう生き抜くか」については、続く『2205』でしっかりと掘り下げています。ですから、この作品で現在の状況を捉え直した後、『2205』で、現代では空回りしがちな「希望」という言葉の重さや大切さを再確認していただければと思います。

(取材・文・写真/井上健一)

(C)西崎義展/宇宙戦艦ヤマト 2202 製作委員会

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】2月前半の公開映画から『ほどなく、お別れです』『クライム101』『ブゴニア』

映画2026年2月21日

『クライム101』(2月13日公開)  米西海岸線を走るハイウェー101号線上で、数百万ドルの宝石が消える強盗事件が多発。デービス(クリス・ヘムズワース)の4年間にも及ぶ犯行は完璧だったが、犯罪組織からの追跡や警察内部の陰謀、そしてルー刑事 … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(12)道明寺天満宮と歴史の英雄たち ~野見宿禰、白太夫、そして道真~

舞台・ミュージカル2026年2月19日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。     ▼相撲 … 続きを読む

小林聡美、名作ドラマ「岸辺のアルバム」 舞台化は「今の時代も共感できる」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年2月19日

 小林聡美が主演する舞台「岸辺のアルバム」が、4月3日から上演される。本作は、数々の名作ドラマを世に残した山田太一が原作・脚本を務め、1977年に放送された連続ドラマを舞台化。一見平和で平凡な中流家庭の崩壊と再生を描く。ドラマでは八千草薫が … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第6回「兄弟の絆」 序盤の集大成となった小一郎必死の説得【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年2月17日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=藤吉郎/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。2月15日に放送された第6回「兄弟の絆」 … 続きを読む

名取裕子「“ぜひ友近さんと”とお願いして」友近「名取さんとコンビでやっていきたい」2時間サスペンスを愛する2人が念願のW主演『テレビショッピングの女王 青池春香の事件チャンネル』【インタビュー】

映画2026年2月16日

-本作を経験して、2時間サスペンスの魅力をどのように感じましたか。 名取 普遍的な人間の心情を描きながらも、泣いて、笑って、手に汗握って、リラックスしながら見られるところが一番の魅力ですよね。「何番目に名前が出る俳優が犯人だ」とか、だいたい … 続きを読む

Willfriends

page top