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人気クリエーター、にしむらゆうじのWEB漫画を原作に、宇宙飛行士を目指すアニマル国宇宙アカデミーの生徒、こてつ(声:藤原夏海)と仲間たちの日常を描いたテレビアニメ「宇宙なんちゃら こてつくん」が、NHK Eテレで好評放送中(毎週水曜午後6時45分~)。本作で、宇宙に関する雑学を教えてくれるDAXA(ダクサ)くんの声とナレーションの二役を担当するのが、数々の映画やドラマの他、コント番組「LIFE!~人生に捧げるコント〜」などでも人気のムロツヨシ。アフレコの舞台裏や作品の魅力を語ってくれた。
今までもNHKのドキュメンタリー番組などでナレーションの経験はあったので、映像を先に頂き、多少練習してから現場に臨んだんです。でも、早々に監督や制作の皆さんから「うまくやらないでほしい」と言われてしまい、完全な空振りでした(笑)。なぜかというと、「なんちゃってナレーション」と書いてあるんですよね、台本に。その「なんちゃって感」を出してほしいんだと。“なんちゃって風”では駄目なんです。一度、なんちゃって風でテストしてみたんですけど、「もうちょっと肩の力を抜く感じで…」と。だから、どんどん削ぎ落とされていった感じで、準備したものを捨てるまで、少し時間がかかりました。
その上、DAXAくんの方は、「おじさんが子どもたちに豆知識を伝えようとして、ちょっと無理して高い声でしゃべっている」という設定にしていただいたのはありがたいんですけど、台本のト書きに「面白い言い方で」と書いてあるんです。福田雄一(『新解釈・三國志』(20)などの監督)以来ですよ、そんなト書き。それもプレッシャーで…(笑)。
そうなんです。でも、そこで「こういう書き方はやめてほしい」と言うような人間にはなりたくないので(笑)。期待に応えたくて、「面白いと思われたい」と意識しちゃうんですよね。だけど、それを捨てないと肩の力を抜くことができないし…。そこが日々の戦いです。それと、同じ内容のナレーションも、毎回新しく録音しているんです。「ムロさんに遊んでいただきたい」と言われているので、ちょっとふざけてみたり、声の質を変えたりしながら。そうしたら、4話目ぐらいで引き出しがなくなり、よく考えたら難しいことを言われているな、と(笑)。毎回、試行錯誤の繰り返しです。
お子さんたちに伝わらないと意味がないので、小難しいことはしないようにしています。あまり遊び過ぎたり、ちゃかし過ぎたりしても駄目ですし、偉ぶっても駄目ですし。ただ、自分が楽しいと思うことは、子ども向けでもやっていこうと思っています。
緩くていいですよね。みんなが親しみやすい感じで。現実にはいないけど、手の届くような身近な距離感があって、そこが魅力的だな…と。
みんなかわいいですけど、僕はやっぱり校長先生に引かれます。物事を真っすぐに伝えるのではなく、ちょっと違った角度から伝えたり、生徒たちをホルモン焼きに連れて行ったり…。いい教育方針を持っているなぁ…と。僕の理想の大人像です。ああいう、ちょっと他にはない面白さのある人間でいたいと、いつも思っていますから。
僕らが見てきた宇宙というと、日本人宇宙飛行士などのニュース映像や、映画で描かれたものですよね。今でもよく覚えているのが、学校の映画教室で見に行った『アポロ13』(95)です。最近では“はやぶさ”なども映画化されていますが、そういうものを通じて、宇宙への夢やロマンを教えてもらいました。
そうですね。DAXAくんにも、宇宙船の中ではストレスを回避するため、テレビを見たり、みんなで談笑したりする時間を大事にしている、みたいなことを伝えるせりふがあるんです。今まで僕らは特に意識していませんでしたけど、宇宙船の中でも必要だと知ると、“ステイホーム”みたいなことが言われるご時世でもありますし、改めてその大切さに気付かされるな…と。
僕らの頃は、宇宙なんて現実的な目標にはなりえませんでしたけど、最近は民間のロケットも打ち上げられたりして、いろんな方が「宇宙」を夢の一つに挙げるようになってきていますしね。今はまだちょっと特別かもしれませんけど、少しずつ身近になってきているなぁ…と。
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