【インタビュー】映画『47歳 人生のステータス』マイク・ホワイト監督「この映画は、自分と他人を比較したり、他人をうらやむことの不条理さを描いています」

2021年6月7日 / 06:30

-この映画で興味深かったのは、ハーバードとタフツの違いなど、ボストンの大学事情が描かれていることでした。

 アメリカでは、大学を見るために旅に出ることは決して珍しいことではありません。ハーバードとタフツの違いや、それに関するジョークなどは、日本の皆さんには多少分かりづらいかもしれません。ただ、僕が面白いと思うのは、ハーバードとタフツの話題が出てきても、結局は、その中身ではなくブランドについての話をしているわけです。また、実際にキャンパスを見ると、この二校はとてもよく似ています。そうしたことを通して、比較することの意味のなさを表現したつもりです。

-一般的なアメリカ人の男性が抱くステータスの象徴とは何でしょうか。また、監督自身が大事にしたいと思うステータスは?

 それは、やはりお金でしょう(笑)。特にハリウッドではとても資本主義的な考え方をしますし、それがステータスを測る物差しにもなっています。個人的には、何が自分にとって大事なステータスなのかは、年を取るごとに変わってきています。若い頃は、仕事を通して、自分という存在を認められたいと強く思っていました。でも、仕事を通して得られるステータスに対する喜びには、限界があることに気付きました。今は、仕事はゴールにたどり着くための方法であって、人生をより豊かに生きるために支えてくれるものの一つに過ぎないと考えています。つまり、重要なのは人生=ライフそのもので、仕事はそこにたどり着くためのゲートウェイ(入口)なのです。

(取材・文/田中雄二)

(C) 2017 Amazon Content Services LLC and Kimmel Distribution LLC

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

早瀬憩「撮影中は朝子と一心同体で生きた感覚がありました」感動のヒューマンサスペンスで入魂の演技『私はあなたを知らない、』【インタビュー】

映画2026年8月27日

-中野監督は、早瀬さんのクランクアップ時の様子について「崩れ落ちるように」と語っていますが、当時の心境はいかがでしたか。  撮影中は朝子と一心同体で生きた感覚があったので、クランクアップしたときは「うれしい」でも「寂しい」でもなく、何とも言 … 続きを読む

渡邊圭祐「登場人物に共感ができない部分があるからこそ面白い」 舞台「Yerma イェルマ」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年8月27日

 スペインの詩人・劇作家ロルカの傑作「イェルマ」を起点に、作:オノマリコ×演出:稲葉賀恵によって、1930年代のスペインから現代の東京へと舞台を移し、生きる価値を見出そうとする女と男たちの物語を描く舞台「Yerma イェルマ」が9月21日か … 続きを読む

西島秀俊「人間は互いに支え合い、助け合って生きている」入魂のヒューマンドラマで、スペシャルニーズの子どもたちと共演『時には懺悔を』【インタビュー】

映画2026年8月26日

-しんすけさんを含め、スペシャルニーズの方々やそのご家族にお会いしたことで、作品に取り組むお気持ちに変化はありましたか。  最初にお会いしたとき、ご家族から「俳優として接してください」とお話がありました。「やりたいことは遠慮しないでください … 続きを読む

【K-POPもKドラマも深読みしたら韓国が見えた】#MOMOはなぜ、同い年のアナウンサーを「友達」と呼んだのか――韓国語「チング」のもう一つの意味

2026年8月25日

 K-POPや韓国ドラマは、エンターテインメントであると同時に、韓国社会を映す鏡でもある。何気ない言葉やしぐさ、習慣の背景をたどると、その国ならではの価値観や歴史、人との関わり方が見えてくる。この連載では、韓国カルチャーを入り口に、知ってい … 続きを読む

毎熊克哉、近藤華「見えないという恐怖をちょっと和らげてくれる映画だと思います」『見えない娘 THE INVISBLES』【インタビュー】

映画2026年8月25日

近藤 風子が映画を撮ることに興味があるのは、自分ともすごく似ているところだったので、近藤華のオタク的な部分を出して演じた部分はありました。風子は年齢的に子どもでも大人でもない時期なので、自分は大人だと思って背伸びをしているところから、だんだ … 続きを読む

page top