大河ドラマ「青天を衝け」田辺誠一 主演の吉沢亮を絶賛「役者としての引き出しがすごい」

2021年4月8日 / 08:31

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「青天を衝け」。激動の幕末から昭和を生き、“日本資本主義の父”と呼ばれた実業家・渋沢栄一の生涯を描く本作で、栄一(吉沢亮)のいとこであり、学問や剣術の師でもある尾高惇忠を演じる田辺誠一が、コメントを発表した。

尾高惇忠役の田辺誠一

 田辺は「惇忠は栄一たちより10歳ぐらい年上なので、みんなの面倒を見る“兄い”としての立場だけではなく、剣術や学問の“先生”という側面があります」と語り、「僕も、祖父が教師と農業を兼業していたので、似たようなところも感じています」と惇忠に親近感を覚えている様子だ。

 さらに、惇忠が後に富岡製糸場の初代場長を務めることを踏まえて、「自分の娘をはじめとして、女性を積極的に活用したりと、比較的フラットなものの見方ができる人だと思います」と人物像を分析。

 その上で、「栄一や喜作たちに対してもあんまり上からものを言う感じにはならないように意識しています。あとは、尊王攘夷であったり、思想があんまり過激に取られないように、あまり感情的に見られないように、冷静に演じたいと思います」と自身の演技について語った。

 とはいえ、立ち位置的には、「惇忠はたまたま早く生まれてそういった立場」とした上で、「例えば、剣術の腕前は長七郎(満島真之介)に追い抜かされたりしています。それはそれで教える立場としてはうれしいですし、喜びでもあります。あんまりガッチリとした上下関係ではなく、同じ目線で成長していければと思っています」と意気込みを語った。

 また、栄一役の吉沢亮については、以前は「都会的な洗練されたイメージ」を持っていたが、「いざ実際に共演してみると、実は土くさいというか、男くさいというか、しっかりと地に足が着いている印象を受けました」と、その印象が変わったことを話した。

 さらに、第七回で「千代(橋本愛)が好きだ」という喜作(高良健吾)と、千代のことが好きな自分の本心を隠して「千代はやめておけ」という栄一との間でけんかになるシーンを引き合いに出して、その演技を絶賛した。

 「自分の本音を隠しながら、相手に悟られないように、栄一の攻防が続くのですが、吉沢さんの役者としての引き出しがすごいと思いました。同じパターンを繰り返しても視聴者に飽きられてしまうので、毎回違う手法でヒートアップとアップダウンを表現していて、見ていてすごく面白かった」と語り、「吉沢さんもかわいかったです(笑)」と付け加えた。

(構成/井上健一)


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

多部未華子「学びの多い現場でした」DV被害者役に挑んだヒューマンミステリー「連続ドラマW シャドウワーク」【インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 WOWOWで毎週(日)午後10時より放送・配信中の「連続ドラマW シャドウワーク」は、佐野広実の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。  主婦の紀子は、長年にわたる夫の暴力によって自己喪失し、すべて自分が悪いと考えるようになっていた。 … 続きを読む

森下佳子「写楽複数人説は、最初から決めていました」脚本家が明かす制作秘話【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。これまで、いくどとなく視聴者を驚かせてきたが、第4 … 続きを読む

富田望生「とにかく第一に愛を忘れないこと」 村上春樹の人気小説が世界初の舞台化【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月30日

 今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む

【映画コラム】実話を基に映画化した2作『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』『栄光のバックホーム』

映画2025年11月29日

『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』(12月5日公開)  太平洋戦争末期の昭和19年。21歳の日本兵・田丸均(声:板垣李光人)は、南国の美しい島・パラオのペリリュー島にいた。漫画家志望の田丸はその才能を買われ、亡くなった仲間の最期の雄姿を遺族 … 続きを読む

氷川きよし、復帰後初の座長公演に挑む「どの世代の方が見ても『そうだよね』と思っていただけるような舞台を作っていきたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月29日

 氷川きよしが座長を務める「氷川きよし特別公演」が2026年1月31日に明治座で開幕する。本作は、氷川のヒット曲「白雲の城」をモチーフにした芝居と、劇場ならではの特別構成でお届けするコンサートの豪華2本立てで贈る公演。2022年の座長公演で … 続きを読む

Willfriends

page top