【インタビュー】『映画 きかんしゃトーマス おいでよ!未来の発明ショー!』賀来賢人「子どもには周りを明るくさせるような人になってほしい」

2021年3月25日 / 08:00

 「きかんしゃトーマス」シリーズの劇場版最新作『映画 きかんしゃトーマス おいでよ!未来の発明ショー!』が、3月26日から公開される。今回は、未来の発明ショーのため、見たこともない発明品の数々や発明家たちがソドー島に大集合する。本作が初登場となる、日本からやってきた超特急ケンジの声を俳優の賀来賢人が演じた。「子どもの頃、トーマスが大好きだった」という賀来に、本作への思いや、2児の父親として大切にしていることなどを聞いた。

日本から来た超特急ケンジの声を演じた賀来賢人

-オファーがあったときの心境を教えてください。

 小さい頃に見ていた作品なので、うれしかったです。オファーを頂く1週間前に、ちょうど僕の子どもと動画配信サービスで『きかんしゃトーマス』を見ていたんです。うちの兄の子どももトーマス・ブーム中で、実家に人形が置いてあるぐらい。これも何かの縁だなと思い、「ぜひやらせてください」となりました。

-演じる上で、苦労した点は?

 ケンジは、好青年で嫌味のない男なんです。振り切った役ならやりやすかったかもしれませんが、そこまで奇をてらったキャラクターでもないし、声優の経験も少ないので難しかったです。監督に「真っすぐな男というのが声で伝わるように演じてほしい」と言われたので、何回か試してみて、「これでいきましょうか」という感じでやっていきました。

-以前、「自分は眉毛がケンジと似ている」と話していましたが、内面で似ている部分はありますか?

 内面で似ている部分はなかったので、ケンジがうらやましかったです。「こんないい男になりたかったな」と。でもそういう完璧で非の打ちどころがない男が、いろんなことに巻き込まれていく様子って、結構面白いと思うんです。それが今回の映画の見どころの一つでもあると思うので、ケンジが止まらなくなって叫ぶシーンでは、思いっ切り情けない感じでやらせてもらいました(笑)。

-演技の完成度はどのぐらいだと思いますか。

 自分では分からないです。まだ全然足りていないと思います。自分の声って正直すごく気持ち悪いんです。この業界に入って一番「気持ち悪っ!」って思ったのは、自分の顔でも動きでもなく、声でした。収録したものを聞いてみると、「これケンジじゃなくて、僕だけど大丈夫ですか?」という感じで、すごく変な気分でした。

-劇中には、トーマスたちが「僕たちに代わりはいないということを証明しなきゃ」と奮闘するシーンが出てきます。賀来さんにとって「ここは負けないぞ」という強みは何ですか。

 無根拠な自信です。大きな挑戦や勝負事があると、「絶対できる」とマインドコントロールをするのですが、そういうときの自分は強いのかな…。それはお芝居だけじゃなく、何に対しても。結構勝負事が好きなんです。そういうときの方が割といいパフォーマンスができる気がします。ネガティブにもなることもありますが、言霊というか、大きなことを言っちゃえば、達成せざるを得ない。そういう手を使って、自分を奮い立たせることがよくあります。

-映画は家族でご覧になりましたか。

 見ました。子どもは普通に作品として楽しんでいたので、何よりです。終わった後に、ケンジの声を演じたことを伝えましたが、言わなければ、多分気付かなかったと思います。

-お子さんは、お父さんの仕事が俳優だと理解していますか。

 何回も言っているのですが、よく分かっていないんですよね(笑)。俳優という言い方はしていなくて、「保育園でよく何とかごっこをするでしょ? その何とかごっこをして、お金をもらう仕事だよ」と話しています。

-これまでの出演作品はまだ見せていないのですか。

 CMなどが勝手に流れるので、そのときは「パパだ」と言うのですが、まだ理解はしてないと思います。「テレビに出る人だ」というのは分かっているのですが、自分も当たり前のようにいつかテレビに出るものだと思っています。テレビが特別なものではなくて、いずれ「みんなが出られるもの」だと(笑)。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

上白石萌歌「小さなお子さまから大人の方まで幅広く届いてほしいと思います」『トリツカレ男』【インタビュー】

映画2025年11月11日

 何かに夢中になると他のことが目に入らなくなってしまうジュゼッペ(声:佐野晶哉)は、街の人々から「トリツカレ男」と呼ばれている。ある日、ジュゼッペは、公園で風船売りをしているペチカに一目ぼれし、夢中になるが…。作家・いしいしんじの同名小説を … 続きを読む

八木莉可子「相反する二面性をどちらも大切にしたい」「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」【インタビュー】

ドラマ2025年11月10日

 草なぎ剛主演の月10ドラマ「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜午後10時)。第3話で強烈なインパクトを残したゆずは(八木莉可子)の母(雛形あきこ)が、再びHeaven’s messenger … 続きを読む

目黒蓮が抱いた“継承への思い” 妻夫木聡、佐藤浩市から受け取った“優しさ”と俳優としての“居住い” 日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」【インタビュー】

ドラマ2025年11月9日

 日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」への出演発表時、“物語の鍵を握る重要な役どころ”という情報のみだった目黒蓮演じる謎の人物。そこから約2カ月、11月2日放送の第4話でようやくその正体の一端が解禁された。男の名は中条耕一、佐藤浩市演じる山王 … 続きを読む

堤真一、三宅唱監督「実はこういうことも奇跡なんじゃないのということを感じさせてくれる映画だと思います」『旅と日々』【インタビュー】

映画2025年11月6日

 三宅唱監督が脚本も手掛け、つげ義春の短編漫画『海辺の叙景』と『ほんやら洞のべんさん』を原作に撮り上げた『旅と日々』が11月7日(金)から全国公開される。創作に行き詰まった脚本家の李(シム・ウンギョン)が旅先での出会いをきっかけに人生と向き … 続きを読む

【映画コラム】俳優同士の演技合戦が見ものの3作『爆弾』『盤上の向日葵』『てっぺんの向こうにあなたがいる』

映画2025年11月1日

『爆弾』(10月31日公開)  酔った勢いで自販機を壊し店員にも暴行を働き、警察に連行された正体不明の中年男(佐藤二朗)。自らを「スズキタゴサク」と名乗る彼は、霊感が働くとうそぶいて都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する。  やがてその言葉 … 続きを読む

Willfriends

page top