【インタビュー】舞台「No.9-不滅の旋律-」稲垣吾郎「ベートーベンは稲垣吾郎のいろんな要素が詰まっている役」

2020年12月11日 / 08:00

-本作の音楽面での見どころは?

 ベートーベンにとってピアノソナタはすごく重要なものだったということもあって、ピアノソナタです。有名な「悲愴」、「熱情」、「月光」といった曲だけでなく、あまり知られていない曲もあるので、それも楽しめると思います。個人的にはベートーベン最後のピアノソナタ第32番です。ベートーベンの晩年のシーンで流れるんですけど、彼の人生の時系列と合わせて演出の白井晃さんが演出している部分もあって、そこはお薦めです。それと、第九の合唱は音の熱風や圧みたいなものを感じます。舞台上で約20人の合唱によるフィナーレはすごいです。

-クライマックスで「歓喜の歌」が歌い上げられる本作ですが、最近、歓喜することはありましたか。

 オーダーメイドの雪駄(せった)が完成したことです(笑)。子どもの頃に浅草寺によく連れていってもらった記憶もあって、今年の夏からプライベートで浅草を散歩しながらフィルム写真でスナップしているんです。そんなときに、浅草の老舗の雪駄屋さんにふらっと入って興味を持ったんです。それをラジオ番組でスタッフに話したら、「雪駄塾」というものを運営されている職人の方と対談させていただいて、そこで自分専用の雪駄を一から作ることになって、3カ月かかってようやくできたんです。その連絡がちょうどきたばかりで、うれしかったです。

-年末の作品となりますが、今年はどんな1年でしたか。

 早いようで長い1年でした。いや、早かったかな(笑)。ただ、思うように進まないこともあったので、長く感じたこともありました。コロナ禍の今、これは全世界の皆さん同じことだと思います。でも、その中でいろいろと気付くことも多かったと思うんです。この経験を無駄にはしたくないですし、ここからまた新たなスタートとしていきたいと思います。

(取材・文・写真/櫻井宏充)

木下グループpresents「No.9-不滅の旋律-」

 木下グループpresents「No.9-不滅の旋律-」は、2020年12月13日~2021年1月7日、都内・TBS赤坂ACTシアターで上演。
公式サイト https://www.no9-stage.com/

 

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