【インタビュー】ミュージカル・ゴシック「ポーの一族」明日海りお&千葉雄大「耽美な世界観」の中でのリアリティー

2020年12月10日 / 07:00

-現時点で、エドガーとアランというキャラクターをどう捉えていますか。

千葉 (演出の)小池先生が、「アランはツンデレだ」とおっしゃっていたのですが、そのツンデレのアランを輪切りにしたときに出てくるものを大事にして演じたいと思っています。彼が抱えているものだったり、エドガーに対しての思い、ラストにはどんなことを思うのかということを考えて演じられたらと思います。

明日海 私は、初演時は、アランは虚勢を張っているという印象がありました。それ故、エドガーからすると、もろさも弱さも次から次へとあふれ落ちてみえて…。エドガーは彼の抱えているフラストレーションと生命の輝きを感じたんだと思います。巡り会ったことで、お互いが唯一無二の存在になっていく姿が漫画の中でも描かれています。ただ、エドガーを、こうだと分析するよりは、アランやメリーベルなどと接していく中で作っていきたいと思っています。

-公演を楽しみにされている方へメッセージを。

明日海 私自身もこの作品が小池先生によってどのような作品になるのか本当に楽しみにしています。初演の際に、萩尾先生が初日をご覧になって「夢のようでした」とおっしゃっていただいたので、その夢の続きをお見せできるように頑張ります。お客さまにも喜んでいただける作品になると信じておりますので、期待をたくさん膨らませて見にきてください。

千葉 耽美な世界観が広がる作品です。でもそこには、さまざまな人間らしい感情が渦巻いていて、人間くさい作品でもあると僕は思ったので、それが伝わるような血の通った作品を作り上げたいと思います。非現実的な世界観を楽しみつつ、ご覧になる皆さまの体にもその血が流れたらいいなと思っています。

(取材・文・写真/嶋田真己)

 ミュージカル・ゴシック「ポーの一族」は、1月11日~26日に大阪・梅田芸術劇場メインホール、2月3日~17日に東京国際フォーラム ホールCで上演。
公式サイト https://www.umegei.com/poenoichizoku/

ミュージカル・ゴシック「ポーの一族」

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

前田旺志郎「世の中に関心を持つ大切さに気付いた」窪塚愛流「止まっていた時間が動き出した」初共演の2人が福島原発事故を題材にした映画で感じたこと『こんな事があった』【インタビュー】

映画2025年9月16日

-お芝居に悩んだり、難しさを感じたりすることはありませんでしたか。 前田 たくさんあります。でもその都度、松井監督と相談しながら進めていきました。迷ったときは、松井監督を信じればいい、という信頼関係が出来上がっていたので。 窪塚 松井監督は … 続きを読む

グイ・ルンメイ、真利子哲也監督「お互いが思い合うからこそすれ違う。でもそこには愛があるという家族の形を描きたかった」『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』【インタビュー】

映画2025年9月12日

-ルンメイさん、夫・賢治役の西島秀俊さんの印象はいかがでしたか。 ルンメイ 今回西島さんと一緒にお仕事ができたことはとても光栄でした。西島さんは経験豊かな方なので、私は現場でとても安心して演技をすることができました。西島さんがいろんなエネル … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(3)無鉄砲小僧、恐れを知らぬ行動力

舞台・ミュージカル2025年9月12日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼無鉄砲小僧、恐れを知らぬ行動力 … 続きを読む

北村匠海 連続テレビ小説「あんぱん」は「とても大きな財産になりました」【インタビュー】

ドラマ2025年9月12日

-小学生の頃、絵画教室に通われていたそうですが、演じる上で役立った部分はありますか。  僕は子どもの頃から、絵画教室に通ったり、自宅では粘土で架空のモンスターを作ったりしていました。そういう創作を楽しむ部分は、嵩に通じるものがありました。前 … 続きを読む

中山優馬「僕にとっての“希望”」 舞台「大誘拐」~四人で大スペクタクル~の再始動で見せるきらめき【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年9月11日

-なるほど。そうして前に進んだ先に、どんな未来をイメージしていますか。  先のことはあまり考えていないです。友達たちが家を建てたり、子どもが生まれたりしているのを見ると、そうした未来を自分が持ったらどうなるんだろうなと考えることはありますが … 続きを読む

Willfriends

page top