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この作品は、ただ真っすぐ進むだけじゃなく、あっちこっちにぶつかったり、前に進んでたと思うとくるっと振り向いて後ろにまた戻ったり…。まるでピンボールのようにあちこちに向かっていきます。なので、その道筋を追っているだけで、あっという間に終わってしまうというところはあると思いますが、それに加えて独特の世界観や衣装など、盛りだくさんな内容です。きっと、何度見ても楽しめる作品だと思います。まだまだこれから(稽古を重ねて)どうなっていくのか私たち自身も分からない部分もありますし、より深めていかないといけないと思っていますが、「演劇っていいな」と思っていただける作品に仕上げることが、今は一番だと信じて、良いものをお見せできるように頑張ります。
多分、作っている私たちが、誰よりも、この作品がどんな作品になるのかということを楽しみに稽古しています。開幕までにはいろいろな試練が待ち受けていると思いますが、それでも今の段階でも、これまでに見たことがない世界観を体験できる演劇になると思っています。プルカレーテさんが演出する作品を日本で見ることができるという機会自体がとても貴重なことだと思いますし、さらにそれが野田さんの戯曲となるとそれは奇跡的な組み合わせです。その奇跡の組み合わせを、余すことなく楽しんでいただけるように、私たちも精いっぱい頑張りますので、ぜひ、この世界観を味わいに来ていただければと思います。
(取材・文・写真/嶋田真己)
「東京芸術祭2020 東京芸術劇場30周年記念公演『真夏の夜の夢』」は、10月15日~11月1日、都内・東京芸術劇場 プレイハウスほか、新潟、長野、兵庫、札幌、宮城で上演。
公式サイト https://www.midsummer-nights-dream.com
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