【インタビュー】ミュージカル「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」大貫勇輔&永野亮比己「稽古ができること、踊れること、歌えることは当たり前のことではない」

2020年9月6日 / 06:31

-今回のビリー役の川口調、利田太一、中村海琉、渡部出日寿の印象は?

大貫 前回同様、一人一人個性が違うので面白いです。コロナの影響で一度、前半の公演が中止になってしまったこともあって、彼らの、どうしてもやりたいという思いがエネルギーとなって、大きな熱量を感じます。もちろん、自粛中は不安な気持ちや苦しい思いはあったと思います。でも、それを前向きなエネルギーに変えて取り組んでいると思います。

永野 4人とも、キャラクターも特技も違うので、見ていて楽しいです。それに、子どもらしい部分も持ちながら、自立していて、しっかりとした考えを持っている。なので、僕は大人同士と同じように、意見を伝えるようにしています。「子どもだから」ではなく、1パフォーマーとして接しています。

-お二人にとっても、本作はコロナウイルスでの自粛期間を経て、初めて立つステージになると思います。ダンサーにとって、なかなか踊れないという状況は大変な時間だったと思いますが、自粛中はどのように体を鍛えていたのですか。

大貫 家の中だと、ストレッチや筋トレぐらいしかできないので、毎日7キロ走っていました。スタジオなどで踊ることもできなくはなかったんですが、自粛中は我慢して、家の中でできることを行っていました。

永野 僕も、筋トレと、できる限りのバーレッスンです。それから、僕はもともと話すのが得意じゃなくて、舞台を見て、僕のことを知ってもらえたらいいというスタンスだったんですが、活動の幅を広げていくに当たって、話すことは大事だと感じるようになったんです。それで、自粛中は言葉のボキャブラリーをつけるために「言葉」を意識しながら本を読むようにしていました。

-改めて、作品の見どころと公演への意気込みを。

永野 この作品は、家族愛や友情、仲間や同志たちとの愛など、いろいろな愛の形が描かれている作品です。今のこの世の中の状況ともリンクしているものがたくさんあると思うので、きっと心に響く作品になると思います。

大貫 僕は、初演で自分自身の人生を変えてもらいました。それぐらい僕にとっては大切な作品です。この作品を見てくださった方の、人生の何か一つでも変わってくれたらいいなと思います。今、こういう時期だからこそ、日々の小さな幸せに気づけるんだと思います。この作品を通して、家族や仲間、友達、自分の夢というものに向き合えると思います。

(取材・文・写真/嶋田真己)

ミュージカル「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」2020年公演に出演するビリー・エリオット役の(左から)川口調、利田太一、中村海琉、渡部出日寿 (C)HORIPRO

 DaiwaHouse presentsミュージカル「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」は、オープニング公演を9月11日~14日、東京公演を9月16日~10月17日に都内・TBS赤坂ACTシアターで上演。大阪公演を10月30日~11月14日に大阪・梅田芸術劇場 メインホールで上演。

公式サイト https://www.billyjapan.com

 

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