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【インタビュー】映画『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』松岡茉優「デジモンは一緒に成長してくれる作品」

 シリーズ20周年を迎えた「デジモンアドベンチャー」。今回の舞台は最初の冒険から10年以上が経過した2010年。当時小学生だった八神太一は大学生になり、仲間たちもそれぞれ歩むべき道を見定め、自身の進路を進み始めていた。そんな中、世界中の“選ばれし子どもたち”の周囲である事件が起こり始める。事件を解決に向けて、太一たち選ばれし子どもたちが再び集結する。太一とアグモンたちの最後の物語を描いた映画『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』が2月21日から公開される。本作でデジモンを研究している科学者メノア・ベルッチ役を演じた松岡茉優に、作品への思いや見どころを聞いた。

-放送当時テレビシリーズをご覧になっていたということですが、デジモンを久しぶりに見ていかがでしたか。

 冒頭の1~2分だけでも感極まってしまうような演出がありました。本編を通して懐かしさと、見ていた当時の思い出がフラッシュバックして、かなりエモーショナルなシーンがたくさんあると思います。

-メノアに共感する部分などはありましたか。

 太一たちはもちろんそうですし、メノアや(メノアの助手の)井村にも共感できる部分というのは数多くあると思います。

-大学生になった太一とヤマトを見た感想をお願いします。

 劇中で太一とヤマトが一緒にお酒を飲むシーンには驚きました。私もお酒を飲める年になりましたが、長く続いているアニメって同じ年齢を繰り返したり、ずっと同じ姿を見せ続けてくれるものが多いと思うんですけど、大人になりかけている彼らを見ることができるものは中々ない。自分と一緒に成長してくれている作品だと思いました。

-今回の映画は、太一たち「選ばれし子どもたち」の大学卒業から就職までの間の話でしたが、太一やヤマトの悩みや、将来の不安に共感する部分はありましたか。

 アニメシリーズのときから学ばせてもらっていた部分でもあるんですけど、前に進み続けるというのは、本作でも大きなテーマの一つになっていて、あのときも、どんなに諦めそうな状況になっても前に進んで戦い続けていた彼らに勇気をもらっていました。今回も「それでも前に進むんだ!」というところにグッときました。

-松岡さんもこれまでにさまざまな選択をして、今があると思います。もし、違う選択をしていたらどんな未来を歩んでいたと思いますか。

 私は、(城戸)丈くんのように子どもの頃からなんとなくこの仕事とは考えていました。もし、太一やヤマトのように、将来の選択で迷っている方がいたら、この映画を見れば励まされるのではないかなと思います。

-収録中、田口智久監督からの指導で印象的だったものはありましたか。

 アニメのお芝居は映像のときよりも大きく、という印象が強かったんですけど、監督からは「もっと抑えていいです」と指導されたのが印象的でした。

-役作りで常に意識していることなどはありますか。

 キャラクターのやりたくないことはやらない。「こんな役をもらった。うれしい、頑張ろう」だけではなくて、ちゃんとキャラクターを理解してあげることを意識しています。

-アフレコのときに常に意識していることなどはありますか。

 映像のお仕事と同じで、演技をするということに変わりはありませんが、映像のお仕事でできることがアニメではできないので、アニメーションの現場に行くときは、いつも覚悟を持って尽くせるように意識しています。

-これまでにも、さまざまな声のお仕事をされていますが、特に記憶に残っているエピソードを教えてください。

 声のお仕事は一つ一つ新しく学ぶことばかりで、全ての作品で、言われたことや、気を付けなければいけないことは、今も頭にずっと残っています。

-松岡さんが注目してほしいシーンはありますか。

 終盤に過去の劇場版『デジモンアドベンチャー』の太一とつながるシーンがあるんですけど、そこは見ていて感極まると思います。

-話題作への出演など、多忙な松岡さんですが、休日に息抜きにしていることはありますか。

 最近はずっと過去のデジモンシリーズを見て「あのシーンは伏線だったんじゃないか」と考察していました。

-最後に、この映画はどんな人に見てもらいたいですか。

 当時アニメシリーズを見ていた人たちというのは、家庭を持っていたりする人もいると思うので、親子2世代、もしくは当時一緒に見てくれていた両親と3世代で見に来てくれたらうれしいですね。アクションシーンも素晴らしいので、デジモンを知らない子どもたちも見に来てくれたらいいなと思っています。

(取材・文・写真/丸山有咲)

(C)本郷あきよし・東映アニメーション

 

 

 

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