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映画『望郷』(17)のインタビューで、大東は「政治に対する興味が爆発している」と話していた。政治ドラマではなかったが、ロケ地となった広島県・尾道や因島で地元の人たちと触れ合い、農業の発展や古民家の再生、過疎化対策などを話し合い、有意義な時間を過ごしたことを楽しそうに語ってくれた姿が印象的だった。
そうして出演作品ごとにテーマを見いだし、周囲の人と議論を重ねたり、自分の中で見聞を広めたりしている大東は、その理由を「この仕事をしていると自分が無知であることの恐ろしさを感じます。撮影を終えるたびに、役者としての達成感や演劇的スキルの成長を感じるけど、じゃあ社会人として何が育ったか?という疑問がありました。だから、基本的にオファーは断りませんが、作品の魅力以外に一人の人間として新しい発見があるか? 自分が一歩でも前に進める要素があるか? などを考えます。単純に役を演じるだけでは終われなくなっていますね…」と吐露する。
デビュー当時に出演した映画『クローズZERO』(07)の三池崇史監督から「男は背中で語るもの」と言われ、“背中”を“人生”と捉えた大東は30歳になる頃、「俺の背中はペラッペラだから、自分の知らないことを受け入れ、確かめ、実感することでたくましい背中にしていこう」と心に決めた。
現在33歳。「無知と過信が一番怖い」と嘆き、作品を通してさまざまなジャンルの知識を蓄え、心を豊かにしている大東。その背中は確実にたくましくなっている。
(取材・文・写真/錦怜那)
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