【インタビュー】「飛龍伝 2020」欅坂46・菅井友香が女性革命家役に共感「メンバーを守りたいという気持ちは同じ」

2020年1月15日 / 16:02

 2019年「黒い羊」で日本レコード大賞優秀作品賞を連続で受賞し、NHK紅白歌合戦でのパフォーマンスも話題を呼んだ欅坂46のキャプテンを務める菅井友香が、1月29日から上演される舞台「飛龍伝 2020」で舞台初主演を果たす。本作は、1973年に発表された、つかこうへい3部作の中の一つで、学生運動の時代を舞台に、女性革命家の神林美智子が、革命の夢と現実と愛に翻弄(ほんろう)されながら生きる姿を描く。これまで広末涼子や黒木メイサ、桐谷美玲など、名立たる女優たちが演じてきた、神林役に挑む菅井に、役柄への思いや意気込みを聞いた。

神林美智子役の菅井友香(欅坂46)

-本作が舞台初主演となりますが、稽古をスタートした今、どのような心境ですか。

 最初にこのお話を聞いたときは本当に驚きましたが、つかこうへいさんが亡くなって10年というこのタイミングで、この作品に関わることができるのがすごくありがたいですし、うれしい気持ちでいっぱいです。

-不安やプレッシャーは感じていますか。

 それはもちろん、すごく感じています。これまで神林美智子を演じてこられた、歴代の女優さんも素晴らしい方ばかりですし、この作品を皆さまにしっかりと伝えなければいけないという責任感もあって不安な気持ちは大きいですが、今は前向きに頑張ろうと思っています。

-神林美智子を演じるに当たって、どんなところを意識していますか。

 まだ(稽古中のため)これからだとは思いますが、現時点では、美智子は人のために動いている人物だと思っています。誰かを守ろうと行動していて、自分の思う正義を常に持っている人なんです。だからこそ、いろいろなことに巻き込まれてしまっているんだと思います。でも、それも誰かのせいだとは思っていなくて、ただやるせなさを感じているところがあると思うので、そういった彼女の真っすぐな部分を伝えられたらと思っています。

-共感できる部分はありますか。

 うーん、何だろう…。料理があまりできないところかな(笑)。美智子はお米をとぐのに洗剤を使っちゃったり、皮手袋でお米をといじゃったりするんです(笑)。私はそこまでではないですが、その気持ちは分かります(笑)。

-美智子は40万人を束ねる委員長という立場の女性ですが、リーダーという意味では欅坂46のキャプテンを務める菅井さんとも共通する部分はあると思います。それについてはいかがですか。

 40万人を束ねるという美智子とはスケールは違いますが、私自身もキャプテンを務めさせていただいていて、メンバーを守りたいという気持ちは同じだと思います。なので、もちろん理解できる部分も多いです。でも、キャプテンとしてまだ自分には足りないものも多くて、それを持っているのが美智子だと思うので、この役を務めさせていただく中で、そういったところを自分のものにできたらいいなと思っています。

-具体的にどんなところが足りないと思っているのですか。

 自分の主張を相手にぶつける強さとか、思いの強さとか、芯の強さを見習いたいです。

-今回は、欅坂46とは違い、男性ばかりの現場になりますが、稽古場には慣れましたか。

 初めての環境で驚くことも多いですし、筋トレがとてもきついです(笑)。お稽古の最初に、皆さんと腕立てや腹筋とかの筋トレをするんですが、それがきつくて…(笑)。でも、役を演じていく中で、私も筋肉が必要だと感じていますので、本番までに仕上げたいです。それから、お稽古中も、男性陣の迫力はすごいですし、皆さんが一生懸命ぶつかってきてくださるので、私もそれに応えられるように頑張らなければいけないと思っています。

-今、稽古をしていてどんなことが課題になっていますか。

 威厳が足りないのをすごく実感しています。数日前に、稽古中の自分の姿を映した映像を見たんですが、自分が想像していた姿と全然違ったのですごく凹みました。なので、頑張らなきゃと思っています。もともと、滑舌もよくないので、それもトレーニング中です!

-今回はラブシーンもあると思いますが、それについてはいかがですか。

 美智子はその育った環境のせいで、すごく愛を求めている人物だと感じています。だからこそ、人をすごく好きになると思うし、守りたいと思うのだろうと思うので、演じている中ではあまり意識することなくできるんじゃないかなと思っています。でも、改めて考えると緊張しちゃいます(笑)。今はまだ、お稽古でも、緊張してしまうことが多いです(笑)。

 
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