【インタビュー】映画『記憶屋 あなたを忘れない』芳根京子「山田さんが『タメ口でいいよ』と言ってくださったおかげで、幼なじみらしい距離感が出せました」

2020年1月16日 / 12:00

-芳根さん自身が、そういうつらい記憶を前向きに変えていくために心掛けていることは?

 例えば去年、舞台をやらせてもらったとき、せりふを全部忘れて本番に…という夢を見たんです。幸いそれは夢でしたが、すごく怖い記憶で…。でも、夢で経験したから、そういうことはこれから起きないんだろうな…と。つまり、記憶があるからこそ、自分でそうならないようにすることができるわけです。その夢を見た後、私は台本をもう1回読み、枕の下に置いて寝ましたから(笑)。心配症になってしまったけれど、その分、みんなに安心してもらえる…と思えば、夢でそれを経験できたのはラッキーだったな…と。

-嫌な夢を見ていなければ、そこまで入念な準備はしなかったかもしれませんね。

 記憶を消したいと思えない理由は、そこにあります。記憶があるから問題が起きることを防ぐことができたり、前に進むことができたり…。そういうふうに、プラスに変えていけたらいいな…と。あのときは本当に、夜中に飛び起きて、眠れなくなりましたから。おかげで次の日、死んだような顔のまま稽古に行って、皆さんから「どうしたの、その顔?」と心配されました(笑)。でも、それで済んでよかったと思っています。

(取材・文・写真/井上健一)

(C)2020「記憶屋」製作委員会

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