【インタビュー】「FORTUNE」吉岡里帆、久しぶりの舞台で見せる“大人な役”に「自分の嫌なところもしっかりと見せることで役が生きてくる」

2019年11月27日 / 12:00

-初めて舞台を見るお客さんもいると思いますが、本作のどこに注目して見てもらいたいですか。

 初めて舞台を見る方にとっては、とてもすてきな出会いになると思います。私は今回、この台本を読んでいて、物語に引き込まれていく感覚がありました。心が動くような言葉が並んでいて、主人公のフォーチュンという男性の、弱くて切なくて、駄目な部分が分かっているのに、なぜか憎めない人柄にも引き込まれます。まだ、稽古が始まっていないので、私自身もどんな演出になっていくかは分かりませんが、サイモンさんは本当に楽しい作品を作られる方だと聞いています。ストーリーだけを聞くと難しく感じるかもしれませんが、感性に訴えかけるような作品になると思うので、ぜひ楽しみにしていただきたいなと思います。

-「フォーチュンに引き込まれる」と感じたということですが、マギーから見たフォーチュンの魅力はどこにあると思いますか。

 フォーチュンは、夢や欲望に忠実で、そこに真っすぐにエネルギーを放出できる人で、知的な一面があり、芸術を愛している。そういった点がマギーとも通じ合える部分だったんだと思います。物語が進んでいくにつれ、マギーは母性的な思いを持つようになるのか、私の力でなんとかするという独り善がりな思いを抱くのか、まだ何とも言えませんが、「フォーチュンを愛している自分を愛している」という見方もできるのかなと思っています。

-フォーチュンを演じる森田さんの印象は?

 ポスター撮影で初めてお会いしたとき、フラットで自然体に接してくださって、優しい方だと感じました。そんな方がフォーチュンを演じるというのは、グッとくるところですよね。私は、森田さんには軽やかなイメージを持っていたんです。でも、舞台ではずっしりと重くて、圧倒的な演技をされるといううわさをあちこちで聞いていますので、今回、共演できることを楽しみにしています。

(取材・文・撮影/嶋田真己)

 PARCO PRODUCE 2020「FORTUNE」は2020年1月13日~2月2日、都内・東京芸術劇場プレイハウスほか、長野県松本市、大阪市、北九州市で上演。
公式サイト http://www.parco-play.com/

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

上白石萌歌「小さなお子さまから大人の方まで幅広く届いてほしいと思います」『トリツカレ男』【インタビュー】

映画2025年11月11日

-ジュゼッペ役の佐野晶哉さんの印象はいかがでしたか。  ご一緒するのは今回が初めてでした。先に佐野さんの声が吹き込まれている状態でアフレコをさせていただきましたが、1日だけ一緒にお芝居ができた日がありました。その時に、第一声から本当に迷いな … 続きを読む

八木莉可子「相反する二面性をどちらも大切にしたい」「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」【インタビュー】

ドラマ2025年11月10日

 草なぎ剛主演の月10ドラマ「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜午後10時)。第3話で強烈なインパクトを残したゆずは(八木莉可子)の母(雛形あきこ)が、再びHeaven’s messenger … 続きを読む

目黒蓮が抱いた“継承への思い” 妻夫木聡、佐藤浩市から受け取った“優しさ”と俳優としての“居住い” 日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」【インタビュー】

ドラマ2025年11月9日

-目黒さんらしさを出しつつ、ドラマを見ている皆さんにも分かりやすいナレーション的なニュアンスでしょうか。  それもありますが、そこにただ声を当てているだけではなくて、後々に明かされてくる別の意味もある、といったようなストーリーを自分の中で組 … 続きを読む

堤真一、三宅唱監督「実はこういうことも奇跡なんじゃないのということを感じさせてくれる映画だと思います」『旅と日々』【インタビュー】

映画2025年11月6日

-シム・ウンギョンさんを演出してみていかがでしたか。 三宅 よくバスター・キートンの映画の話をしていたので、ある種の軽やかさをお持ちなんだなと思いました。それはウケを狙うということではなくて、徹底的に真剣なんですけど、それが重くなるのではな … 続きを読む

【映画コラム】俳優同士の演技合戦が見ものの3作『爆弾』『盤上の向日葵』『てっぺんの向こうにあなたがいる』

映画2025年11月1日

『盤上の向日葵』(10月31日公開)  信州の山中で身元不明の白骨死体が発見される。現場には、この世に7組しか現存しない希少な将棋駒が残されていた。駒の持ち主は、将棋界にすい星のごとく現れた天才棋士・上条桂介(坂口健太郎)であることが判明。 … 続きを読む

Willfriends

page top