エンターテインメント・ウェブマガジン
この映画には、普段から歌やダンスをやっているダウン症の女の子だけでなく、より重度の障害者の子たちも出ています。そういう子たちが、こうやって映画を通じて社会参加していくことは、どんどんやった方がいい。彼らが「菅田くんに会える!」と喜んだりするところは、本当に普通です。僕としては、障害者の人も健常者の人も、なるべく一緒に生活できることが、国として最も豊かな状態だと思っています。だから、一日も早くそういう社会が実現してほしい。それはもう、ずっと願っていることです。
やりたい気持ちはずっとありましたが、内容的にハードなこともあり、なかなか機会がありませんでした。それがこのところ何本か映画を作る中で、環境が整ってきたので、「やってみようか」と。だから、特にこのタイミングを狙ったわけではありません。ただ、当時とは世の中が大きく変わる中で、僕自身、これを撮りたいのかどうか、心境の変化があるのではないかとも思いました。3.11のような災害が起きた後ですから、「生」に対する日本人の捉え方も、高度経済成長期から続いた豊かな時代とは変わるのではないかと。でも、それほど変わらなかった。それどころか、ものすごい勢いで3.11を忘却していこうとしているようにすら感じられた。であれば、この脚本でまだやれるだろうと。
そんな大それたつもりはありませんが(笑)。ただやっぱり、平成の時代は、あらゆる都合の悪いものを排除しようとする動きが行き過ぎていたのではないかと。その思いは今も変わりません。それに対して、ちょっとやり過ぎではないか、異様な世界になってきてはいないか、という感覚はあります。
どこそこの会社の部長だとか、映画監督だとか、そういう肩書きも生きていく上ではもちろん必要です。でも、人を見るときは、それとは違う、人そのものを見つめる力、人間が「生きている」ということそのものに触れていこうとする姿勢が必要ではないでしょうか。そういう感覚があると、これから問題になっていく高齢化社会などに対して、日本の社会がどう対応するべきかという哲学が持てるのではないかと。この映画が、そういうことを考えるきっかけになってくれたらうれしいです。
(取材・文・写真/井上健一)
舞台・ミュージカル2025年11月30日
今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む
映画2025年11月29日
『栄光のバックホーム』(11月28日公開) 2013年のプロ野球ドラフト会議で指名され、鹿児島実業から阪神タイガースに入団した18歳の横田慎太郎(松谷鷹也)。誰もがその将来に大きな期待を寄せていたが、突然横田の目にボールが二重に見えるとい … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年11月29日
氷川きよしが座長を務める「氷川きよし特別公演」が2026年1月31日に明治座で開幕する。本作は、氷川のヒット曲「白雲の城」をモチーフにした芝居と、劇場ならではの特別構成でお届けするコンサートの豪華2本立てで贈る公演。2022年の座長公演で … 続きを読む
映画2025年11月28日
-結婚したサチとタモツのすれ違いが最初に垣間見えるのが、共通の友人の結婚式に1人で参加したサチが帰宅した後のシーンです。勉強しながら留守番していたタモツに、結婚式の様子を話したサチがトイレに行った後、何気なく「トイレットペーパーないよ」と声 … 続きを読む
映画2025年11月28日
-そんな親しい関係を築き上げたお二人に加え、WEBで公開されている本作のプロダクションノートを拝見すると、秋山監督をはじめとするスタッフの熱量もかなり高い現場だったようですね。 松谷 俳優がスタッフも兼任するのが秋山組の特徴で、「慎太郎さん … 続きを読む