【インタビュー】『柴公園』渋川清彦 「主演に興味ない」淡白な言葉の裏に垣間見える役者のプライド

2019年6月14日 / 13:51

 実際、“壮大な無駄話”が繰り広げられる会話劇で、映画版とドラマ版を短期間で同時に撮影したこともあり、「せりふ量が多過ぎて、覚えられないまま現場に入りました。本番にはなんとか間に合いましたが、すごい不安でした(笑)」と危機的状況に陥ったことを告白。このような体験は長い役者人生の中で初めてだという。

 動物の飼い主役も初挑戦で、毎日、あたる役の柴犬きいを散歩させてコミュニケーションを図るところから撮影は始まった。そのおかげで、インタビュー時のきいは渋川によく懐いており、渋川も目じりが下がりっぱなしだ。また、会話劇故にシリーズ化もできそうなことから、「続編やシリーズものをやったことがないので、やりたいですね」と意欲を見せた。

 淡々と、だが確実に芝居に取り組み、名バイプレーヤーとしての確固たる地位を築いた渋川は、「しゃべるのが苦手」と話す通り、言葉数は少なく、俳優論を語ることもなかった。しかし、もともと「現場に台本は持って行かないタイプ」であり、その理由として「役者としてのプライドみたいなところはあるかもしれない。役者はこうあるべきみたいな感じでよく言われるじゃないですか」と少し照れ臭そうに笑った。やはり、その胸には役者としての自負があった。

(取材・文・写真/錦怜那)

(C)2019「柴公園」製作委員会

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

横浜流星「毎回皆さんをハラハラさせながら、しっかりと心に届く作品をお届けできるよう日々撮影に挑んでいます」「LOST10」

ドラマ2026年8月14日

-今回の小駒という役をどう捉えてアプローチをしていますか。  小駒は、分かりやすいというか、正義感や行動力があって、豪胆で短絡的で、出世欲もあって、何度も異動届を出しているけど、それが認められず、地方の高齢化が進んでいる警察署の中では一番の … 続きを読む

中川大志、三谷幸喜の最新作は「現代にも通ずる、過去の出来事として片付けられないもの」を描く PARCO PRODUCE 2026「アメリカン・ドリーム」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年8月8日

 三谷幸喜が長年温めていたテーマを豪華キャストで描く、渾身(こんしん)の書き下ろし新作舞台「アメリカン・ドリーム」が8月15日からPARCO劇場で上演される。本作は、1940年代後半のアメリカを舞台に、反共産主義に基づく“赤狩り”によって告 … 続きを読む

【K-POPもKドラマも深読みしたら韓国が見えた】#韓国人はなぜ「呼称整理」をするのか、「脱出おひとり島」が映す韓国社会

2026年8月7日

▽年齢公開のあとに始まる韓国社会  そして、最終日前夜。  参加者たちはキャンプファイヤーを囲み、打ち解けたおしゃべりの中で、それまで隠してきた年齢と職業を、一人ずつ明かしていく。「実は◯歳です」の一言ごとに、歓声と悲鳴が上がる。年上だと思 … 続きを読む

福原遥「自分の大切な人を大事にして生きていこうと思いました」【インタビュー】『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』

映画2026年8月6日

-細田佳央太さんと倍賞千恵子さん。共演したお二人の印象を。  細田さんとは初共演でしたが、お芝居を一緒にさせていただいてとても楽しかったですし、初めてとは思えないぐらいの安心感がありました。細田さんが演じた涼も難しい役で、百合とはそれぞれの … 続きを読む

【映画コラム】7月の公開映画から

映画2026年8月3日

「トイ・ストーリー5」(7月3日公開)★★★ おもちゃを取り巻く“変化”を描く  持ち主の少女ボニーの成長を見守ってきたカウガール人形のジェシー。だが、タブレット端末「リリーパッド」の登場で、ボニーは画面の世界に夢中になり、おもちゃと遊ぶ時 … 続きを読む

page top