【インタビュー】A New Musical「FACTORY GIRLS~私が描く物語~」柚希礼音&ソニン「相乗効果が生まれて、お互いに学びながら作っていける」

2019年6月20日 / 12:00

-本作では、「女性」が一つのキーワードになっています。そこで、お二人が女性という性について考えていることを教えてください。

ソニン 数分で語れる質問じゃないですね(笑)。でも、柚希さんがどう考えているのか、すごく興味があります。柚希さんはそれを超えた世界出身ですが、「女性」について考える機会はありました?

柚希 宝塚を辞めたときに、「女性になったから髪を伸ばすんですか? スカートを履くんですか?」ということをたくさん聞かれて、そうしなくちゃいけないのかなって自分でも分からなくなったことはありました。でも、退団して4年がたって、自由でいいんだなと身をもって知りました。スカートをずっと履かなきゃいけないわけでもないし、女性らしくいなくちゃいけないわけでもない。退団当初は、女性だからなるべく小さく見えるようにと気にしていましたが、「これが私」でいいんだなと思っています。

-宝塚時代は、あえて女性を消そうという意識があったんですか。

柚希 確かに、女性らしい丸みのあるラインが出ない洋服を選んだりということはありました。でも、女性を消すというよりは、(男役は)女性が考える「こうだったらいいな」をいっぱい詰めることだと思います。女性が作るから男役も楽しいんです。ずっと女性のソニンちゃんはどうなの?

ソニン 私は、女性は一歩下がってついていくみたいなタイプではなく、女性を尊重してほしいという気持ちが強いんです。私、理想の男性のタイプはレディーファーストをマストでしてくれる方なんですよ。

柚希 うんうん、分かります、それ。

ソニン レディーファーストにしてもらうと、女性を敬ってリスペクトしてくれているんだなっていうのが伝わってきます。女性は、生物学的に男性より弱くできていると感じます。だから、男性と同じように生きているってこと自体、やっぱり女性の方が頑張っているってことだと思うんです。例えば、同じ舞台をやっていても、俳優さんより女優さんの方が絶対にスタミナをつけなくちゃいけないものです。そういった努力や背負っているものを男性に分かってもらえるのともらえないのではすごく差があると感じます。だから、女性としては、レディーファーストにしてもらえると、尊重してもらえる気がしてうれしいなと思います。

-読者へのメッセージを。

柚希 すごくすてきな曲と、女性たちの活気ある舞台となると思います。これだけ女性がそろう作品はなかなかないと思うので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。

ソニン 世界初演の作品なので全貌が分からないとお思いの方も多くおられると思いますが、この作品を見て良かったと思っていただけるような作品を作りますので、見にいらしてくださるとうれしいです。

(取材・文・写真/嶋田真己)

A New Musical「FACTORY GIRLS~私が描く物語~」

 A New Musical「FACTORY GIRLS~私が描く物語~」は、9月25日~10月9日に都内・TBS赤坂ACTシアター、10月25日~27日に大阪・梅田芸術劇場メインホールで上演。
公式サイト http://musical-fg.com

 

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