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連続テレビ小説「なつぞら」は、戦災孤児の奥原なつが、父の戦友に引き取られて北海道・十勝で酪農を手伝いながらたくましく育ち、やがて上京して草創期のアニメ業界で生きていくさまをすがすがしく描く物語。4月1日から放送される、記念すべき朝ドラ100作目のヒロインという大役を担う広瀬すずに、その胸中や撮影時のエピソードなどを聞いた。
「ありがとう」「ごめんなさい」をちゃんと言えて、幸せを感じながら生きている子です。でも、幼い頃に家族と離れているので、人と距離を取ったり、すごく気を使ったりする性格も持っています。
私はあんなにいい子じゃないかな(笑)。なつは、そこにいるだけで周りが明るくなる太陽みたいな、すてきな子なので見習いたいです。
最初に台本を読んだときは、優しくてほんわかしたところがあるように感じましたが、自立した男気もあることに気付いて、どう表現しようか迷いました。その確信を持てないまま北海道ロケが始まったので、撮影後の映像チェックでは「やばい、違う!」と焦りました(笑)。最近はなつが大人になって印象が変わったので、また悩みながら演じています。
親のいない、孤独な役が多いので、一人でいる感覚はつかめています(笑)。今回はさらに「一人だな…」と感じるので、じいちゃん(柴田泰樹役/草刈正雄)、母さん(富士子役/松嶋菜々子)、父さん(剛男役/藤木直人)を本当の家族のように思いながら、どこかで血がつながっていないことを意識して現場に立っています。
北海道でしか撮れない自然の大地を生かした物語なので、空気や風は画面から伝わる気がします。この場所にいるからこそ、なつはたくさんのものに触れて、感じて、いろんな人から愛情をもらっているのだと思います。
北海道ロケでは肌を黒く塗っていたので、大自然の中で生きている雰囲気が出ていると思います。チェックのシャツ、オーバーオール、白いスニーカー、麦わら帽子におさげ髪というビジュアルは、元気な女の子の王道イメージで、「ザ・朝ドラ」みたいでうれしいです。スタッフさんからは「今どきの子で、こんなに似合う子いないよ」と言われました(笑)。
一人で何千枚もの絵を描いて、それをつなげて動画にするってすごいですよね。想像以上に細かい世界で圧倒されています。人が振り向くシーンだけで20~30枚の絵があって、ちょっとずつ角度を変えて描く作業はすごく大変です。でも意外に楽しくて、練習中はあっという間に何時間もたつほど集中しています。アニメの制作工程が分かるので、いろんなアニメ映画がヒットしている今だからこそ見てほしいです。
お互い何の作品に出演するかをネットニュースとかで知るぐらい仕事の話はしませんが、今回は「ヒロインじゃない私でも大変だった」とメールが来たので覚悟しました。でも、聞いていたのと違います。こんなに楽しいんだ!と思っています。スタッフさんからは「大変なのはこれからだよ」と言われますが、長期間、同じ役で芝居をすることは初めてなので、リハーサルから毎日楽しんでいます。
60シーンぐらいを一気にリハーサルしたときに、「こういうのが次々と来るからね」と言われました(笑)。松嶋さんは、格好よくて強くて、母の愛情や優しさもあって、お会いするたびにブワ~ッとオーラを感じます。本番では台本に頼らず、共演者とその場の化学反応を楽しまれているから、それがプレッシャーにもなりますが、せりふを交わすことで自然になつとしての感情を起こしてもらっているので、大きな支えになっています。
ヒロインから受けるパワーは大きいだろうから、疲れたときにこそ「なっちゃんが笑っているから自分も頑張ろう」と思ってもらえるように、まずは自分が楽しんで撮影に臨むことを意識しています。
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