朝ドラ100作目のヒロイン抜てきは最強運のおかげ!「せっかくだから楽しみたい」広瀬すず(奥原なつ)【「なつぞら」インタビュー】

2019年3月25日 / 12:00

 連続テレビ小説「なつぞら」は、戦災孤児の奥原なつが、父の戦友に引き取られて北海道・十勝で酪農を手伝いながらたくましく育ち、やがて上京して草創期のアニメ業界で生きていくさまをすがすがしく描く物語。4月1日から放送される、記念すべき朝ドラ100作目のヒロインという大役を担う広瀬すずに、その胸中や撮影時のエピソードなどを聞いた。

奥原なつ役の広瀬すず

-昨年6月のクランクインから演じているなつですが、どのような人物ですか。

 「ありがとう」「ごめんなさい」をちゃんと言えて、幸せを感じながら生きている子です。でも、幼い頃に家族と離れているので、人と距離を取ったり、すごく気を使ったりする性格も持っています。

-ご自身と似ているところはありますか。

 私はあんなにいい子じゃないかな(笑)。なつは、そこにいるだけで周りが明るくなる太陽みたいな、すてきな子なので見習いたいです。

-演じていて難しいところはどこでしょうか。

 最初に台本を読んだときは、優しくてほんわかしたところがあるように感じましたが、自立した男気もあることに気付いて、どう表現しようか迷いました。その確信を持てないまま北海道ロケが始まったので、撮影後の映像チェックでは「やばい、違う!」と焦りました(笑)。最近はなつが大人になって印象が変わったので、また悩みながら演じています。

-戦災孤児という役どころはどのようにイメージされましたか。

 親のいない、孤独な役が多いので、一人でいる感覚はつかめています(笑)。今回はさらに「一人だな…」と感じるので、じいちゃん(柴田泰樹役/草刈正雄)、母さん(富士子役/松嶋菜々子)、父さん(剛男役/藤木直人)を本当の家族のように思いながら、どこかで血がつながっていないことを意識して現場に立っています。

-北海道・十勝での撮影はいかがですか。

 北海道でしか撮れない自然の大地を生かした物語なので、空気や風は画面から伝わる気がします。この場所にいるからこそ、なつはたくさんのものに触れて、感じて、いろんな人から愛情をもらっているのだと思います。

-普段は色白の広瀬さんですが、なつは小麦色に焼けていて、だいぶ印象が変わりますね。

 北海道ロケでは肌を黒く塗っていたので、大自然の中で生きている雰囲気が出ていると思います。チェックのシャツ、オーバーオール、白いスニーカー、麦わら帽子におさげ髪というビジュアルは、元気な女の子の王道イメージで、「ザ・朝ドラ」みたいでうれしいです。スタッフさんからは「今どきの子で、こんなに似合う子いないよ」と言われました(笑)。

-アニメーターの仕事は体験してみてどうですか。

 一人で何千枚もの絵を描いて、それをつなげて動画にするってすごいですよね。想像以上に細かい世界で圧倒されています。人が振り向くシーンだけで20~30枚の絵があって、ちょっとずつ角度を変えて描く作業はすごく大変です。でも意外に楽しくて、練習中はあっという間に何時間もたつほど集中しています。アニメの制作工程が分かるので、いろんなアニメ映画がヒットしている今だからこそ見てほしいです。

-お姉さんの広瀬アリスさんは97作目「わろてんか」に出演されましたが、アドバイスはありましたか。

 お互い何の作品に出演するかをネットニュースとかで知るぐらい仕事の話はしませんが、今回は「ヒロインじゃない私でも大変だった」とメールが来たので覚悟しました。でも、聞いていたのと違います。こんなに楽しいんだ!と思っています。スタッフさんからは「大変なのはこれからだよ」と言われますが、長期間、同じ役で芝居をすることは初めてなので、リハーサルから毎日楽しんでいます。

-54作目「ひまわり」でヒロインを務めた松嶋さんの存在は頼もしいのでは?

 60シーンぐらいを一気にリハーサルしたときに、「こういうのが次々と来るからね」と言われました(笑)。松嶋さんは、格好よくて強くて、母の愛情や優しさもあって、お会いするたびにブワ~ッとオーラを感じます。本番では台本に頼らず、共演者とその場の化学反応を楽しまれているから、それがプレッシャーにもなりますが、せりふを交わすことで自然になつとしての感情を起こしてもらっているので、大きな支えになっています。

-ヒロインとして現場に立つ際に意識していることは何でしょうか。

 ヒロインから受けるパワーは大きいだろうから、疲れたときにこそ「なっちゃんが笑っているから自分も頑張ろう」と思ってもらえるように、まずは自分が楽しんで撮影に臨むことを意識しています。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

藤原竜也が挑む「マクベス」 「1日1日、壁を突破することが目標」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年3月29日

 2024年5月にスタートした、吉田鋼太郎が芸術監督を務める【彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd】。待望の二作目となる「マクベス」が、藤原竜也を主演に迎え、5月8日から上演される。藤原に初めて挑む「マクベス」への思いや吉田とのクリエイトに … 続きを読む

竈門炭治郎を演じる阪本奨悟が語る、舞台「鬼滅の刃」の魅力 「生身の人間が演じているからこそ、リアルに共感できる」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年3月28日

 「週刊少年ジャンプ」で2020年5月まで連載していた吾峠呼世晴による大ヒット漫画『鬼滅の刃』。2020年に初めて舞台化されて以降、シリーズを重ね、4月11日からはシリーズ5作目となる、舞台「鬼滅の刃」其ノ伍 襲撃 刀鍛冶の里が上演される。 … 続きを読む

【週末映画コラム】何と主人公がサル!? 新たな試みの音楽伝記映画『BETTER MAN/ベター・マン』/17回死んでは生き返った男の悲喜劇『ミッキー17』

映画2025年3月28日

『BETTER MAN/ベター・マン』(3月28日公開)  イギリス北部の街に生まれ、祖母の大きな愛に包まれながら育ったロビー・ウィリアムズ。1990年代初頭にボーイズグループ「テイク・ザット」のメンバーとしてデビューし、ポップスターの道を … 続きを読む

梶裕貴&伊藤美来、声優たちが紡ぐ「明日を生きる糧になる物語」 朗読劇「君の膵臓をたべたい」2025【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年3月27日

 住野よるの大ヒット小説を原作とした朗読劇「君の膵臓をたべたい」2025が4月5日・6日に上演される。本作は、声優たちの「声」に特化した企画として2022年に初演。主人公の「僕」が病院で偶然拾った本をきっかけに、クラスメートの山内桜良と心を … 続きを読む

松島聡、タイプロを終え「自分の武器になりそうだなと思うところも見えてきた」 役者業を通して「自分という人間を更新」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年3月26日

 長澤まさみと森山未來が14年ぶりにタッグを組むBunkamura Production 2025「おどる夫婦」が4月10日から開幕する。とある夫婦の約10年間の軌跡を描く本作で、妻・キヌの弟で、普段は屈託がないものの時折情緒が乱れる光也を … 続きを読む

Willfriends

page top