エンターテインメント・ウェブマガジン
永瀬 僕の方から積極的に「寒いですね」みたいなことを話しかけていました。
菜葉菜 自分では入り込んでいたつもりはないのですが…。
永瀬 いや、入り込んでいました(笑)。
菜葉菜 本当ですか。周りが見えていませんでした(笑)。私が追い込まれて、自分のことしか見えていないことに気付いた永瀬さんが、抜くところを作ってくださったんですね。
永瀬 早百合のような役をやっていると、役者は全員が敵に見えてくるものなんです。だから、カメラのレンズの前に立ったときの孤独感と似たものを、常に感じるようになる。でも「そうじゃないよ」と。それは同業者だから分かることなので、少しずつ、少しずつ…。まあ、僕の方が少しだけキャリアも長いので…(笑)。
菜葉菜 完全に永瀬さんにリードしていただきました(笑)。今思えば、やっぱり緊張感がありましたね。雪に足跡を付けるわけにはいかないので、別の場所でテストをして、動きを付けて、本番は一発勝負、みたいな感じでしたから…。
永瀬 寒さも厳しかったですが、OKが出てもその場でじっと待たなければならず、暖を取れないような環境だったので、集中力を保つのは大変でした。ただその分、スタッフの方はできるだけ時間を掛けず、機敏に動くようにしてくれました。無事に乗り切ることができたのは、監督をはじめ、全員のチームワークのおかげです。
永瀬 2人とも、その種類こそ異なりますが、幼い頃の体験が原因で闇を抱えているという点では近いものがあります。だから、一歩間違えれば、お互いの立場が逆転していたかもしれない。そんな2人が、物語が進む中で遠ざかったり、近づいたりする様子を、絶妙なバランスで描いているあたりが見事です。
菜葉菜 脚本を読んでまず気に入ったのは、対峙する関係でありながらも、2人にはどこか共通するものがあるということです。初めて顔を合わせたときも、言葉は交わさないけど、互いに何かを感じている。そういう2人の関係を言葉で語らず、お芝居で見せていく辺りが、映画らしいなと。そこが一番の見どころです。
(取材・文・写真/井上健一)
ドラマ2025年8月16日
-そんな魅力的な蔦重を演じる横浜流星さんの座長ぶりはいかがでしょうか。 横浜さんは、蔦重さんをどう演じるか、常に誠実に真面目に考えていらっしゃいます。そういう空気がスタッフやキャストにも伝播し、しっかり取り組もうという空気感が現場全体に生 … 続きを読む
映画2025年8月15日
-ネプトゥーヌス国王役の三宅さんはいかがでしょうか。人魚という設定の上に、娘と接するときと、それ以外では雰囲気がだいぶ違いますが。 三宅 ネプトゥーヌス国王は、「屈強で、威厳があり、でも娘に甘い」。最初にその3つのファクターを大事に、と伺い … 続きを読む
映画2025年8月14日
-リアム・ヘムズワースとラッセル・クロウを演出してみていかがでした。 2人とも自分が演じるキャラクターを見いだすための努力を惜しまず、そのキャラクターの中にある真実や誠実さを見つけてくれます。さらにそのキャラクターにエンタメ性や楽しさも持 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年8月14日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼みなさん、こんにちは 日本の伝 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年8月11日
-本作はドラマ制作の現場が舞台の物語で、いとうさんはドラマ主演俳優の癖のあるマネジャー役です。 いとう 役者さんのマネジャーさんについて正直知らないこともありますが、ある意味役者をよく見せたい、役者の魅力を伝えたいという芯は想像できます。た … 続きを読む