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橋本 基本的に廣木さんは「お芝居は役者が考えてくるもの」と思っているようなんです。監督が理想とする映像に私たちが合わせていくというより、私たちが生きる姿を監督が撮る、みたいな感じで。だから、撮影中は「こう動いて、こういうしぐさをしてほしい」といった指示は一切ありません。あるとすれば、せりふの言い方や抑揚がその場面にふさわしくないと感じた場合に「もっとこうじゃない?」などと言う程度。そういうところが、伸び伸びとしているように見えた理由ではないでしょうか。
成田 椎名の場合、ゲームセンターやビリヤード場で友だちと騒ぐ場面は、台本に細かくせりふが書いてあるわけではないので、アドリブも多かったんです。楽しそうな雰囲気が作れればいいということだったので、みんなフリー(笑)。そういう点が良かったのかもしれません。
橋本 (原作者の)山内さんと出会えたことが一番です(笑)。もともと小説が好きだったこともあって、小説を書くときに山内さんが戦ったものを、私も共有できたことがうれしかった。山内さんに限らず、私は常に創始者を最も尊敬しているので、ゼロから作品を作り出した人たちへの敬意を失ったような取り組み方はしたくなかったんです。それを踏まえた上で、この映画をいいものにしようという思いを持ったまま完走できたことは良かったなと。おかげで、ものすごい宝物になりました。
成田 「群像劇って面白いな」と改めて思いました。自分が出演した部分以外にも、たくさんの物語があって…。出演しているみんなが良かったし、それぞれが良かったから成り立っている作品だなと。そういう出会いに恵まれたことが嬉しかったです。
(取材・文・写真/井上健一)
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