【インタビュー】『ここは退屈迎えに来て』橋本愛「この映画に参加できたことは、ものすごい宝物になりました」成田凌「役作りでウイスキーをがぶ飲み。キツかった(笑)」

2018年10月18日 / 17:59

-皆さんの伸び伸びとしたお芝居が印象的でしたが、現場で何か感じることはありましたか。

橋本 基本的に廣木さんは「お芝居は役者が考えてくるもの」と思っているようなんです。監督が理想とする映像に私たちが合わせていくというより、私たちが生きる姿を監督が撮る、みたいな感じで。だから、撮影中は「こう動いて、こういうしぐさをしてほしい」といった指示は一切ありません。あるとすれば、せりふの言い方や抑揚がその場面にふさわしくないと感じた場合に「もっとこうじゃない?」などと言う程度。そういうところが、伸び伸びとしているように見えた理由ではないでしょうか。

成田 椎名の場合、ゲームセンターやビリヤード場で友だちと騒ぐ場面は、台本に細かくせりふが書いてあるわけではないので、アドリブも多かったんです。楽しそうな雰囲気が作れればいいということだったので、みんなフリー(笑)。そういう点が良かったのかもしれません。

-この作品に出演して良かったことは?

橋本 (原作者の)山内さんと出会えたことが一番です(笑)。もともと小説が好きだったこともあって、小説を書くときに山内さんが戦ったものを、私も共有できたことがうれしかった。山内さんに限らず、私は常に創始者を最も尊敬しているので、ゼロから作品を作り出した人たちへの敬意を失ったような取り組み方はしたくなかったんです。それを踏まえた上で、この映画をいいものにしようという思いを持ったまま完走できたことは良かったなと。おかげで、ものすごい宝物になりました。

成田 「群像劇って面白いな」と改めて思いました。自分が出演した部分以外にも、たくさんの物語があって…。出演しているみんなが良かったし、それぞれが良かったから成り立っている作品だなと。そういう出会いに恵まれたことが嬉しかったです。

(取材・文・写真/井上健一)

(C)2018「ここは退屈迎えに来て」製作委員会

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

堤真一、三宅唱監督「実はこういうことも奇跡なんじゃないのということを感じさせてくれる映画だと思います」『旅と日々』【インタビュー】

映画2025年11月6日

-シム・ウンギョンさんを演出してみていかがでしたか。 三宅 よくバスター・キートンの映画の話をしていたので、ある種の軽やかさをお持ちなんだなと思いました。それはウケを狙うということではなくて、徹底的に真剣なんですけど、それが重くなるのではな … 続きを読む

【映画コラム】俳優同士の演技合戦が見ものの3作『爆弾』『盤上の向日葵』『てっぺんの向こうにあなたがいる』

映画2025年11月1日

『盤上の向日葵』(10月31日公開)  信州の山中で身元不明の白骨死体が発見される。現場には、この世に7組しか現存しない希少な将棋駒が残されていた。駒の持ち主は、将棋界にすい星のごとく現れた天才棋士・上条桂介(坂口健太郎)であることが判明。 … 続きを読む

福本莉⼦「図書館で勉強を教え合うシーンが好き」 なにわ男⼦・⾼橋恭平「僕もあざとかわいいことをしてみたかった」 WOWOW連ドラ「ストロボ・エッジ」【インタビュー】

ドラマ2025年10月31日

 福本莉⼦と⾼橋恭平(なにわ男⼦)がW主演するドラマW-30「ストロボ・エッジ  Season1」が31日午後11時から、WOWOWで放送・配信がスタートする。本作は、咲坂伊緒氏の⼤ヒット⻘春恋愛漫画を初の連続ドラマ化。主人公の2人を軸に、 … 続きを読む

吉沢亮「英語のせりふに苦戦中です(笑)」主人公夫婦と関係を深める英語教師・錦織友一役で出演 連続テレビ小説「ばけばけ」【インタビュー】

ドラマ2025年10月31日

-本作では主演の髙石さんの持ち味が存分に発揮されている印象ですが、共演の感想はいかがですか。  高石さんは、せりふなのか、素で笑っているのか、最初の頃はわからなかったくらい、お芝居が自然でなじんでいる感じがあります。それくらい、ご本人が面白 … 続きを読む

阿部サダヲ&松たか子、「本気でののしり合って、バトルをしないといけない」離婚調停中の夫婦役で再び共演 大パルコ人⑤オカタイロックオペラ「雨の傍聴席、おんなは裸足・・・」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年10月31日

-今回演じるそれぞれの役柄については、今はどのように捉えていますか? 阿部 ミュージカル俳優という役柄です。離婚したいと言っていますが、ずっと裁判をしているので本当は嫌いじゃないんでしょうね。最後は優しくなるんですよ。 松 そんなところまで … 続きを読む

Willfriends

page top