【インタビュー】『ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~』パトリック・シュワルツェネッガー「父は僕の師。この作品をきっかけに、いろいろな顔を持つ俳優になりたい」

2018年5月11日 / 17:52

-話を戻します。スコット・スピアー監督は、この映画を『ムーラン・ルージュ』(01)や『ロミオ&ジュリエット』(96)、『シェルブールの雨傘』(64)のような王道のラブストーリーにしたかったと語っています。監督からそういう話はありましたか。

 僕が参加したときには、映画をどんな構成でどんな雰囲気にするかということは既に決まっていました。監督のビジョンが明確だったので、僕はそこに乗っかった感じです。だから、その辺りは監督やスタッフの力によるところが大きいです。ただ、監督のアイデアで『草原の輝き』(61)や『波止場』(54)といった作品を、キャストのみんなで一緒に見ました。

-撮影の中で最も印象に残ったことは?

 ケイティの父親を演じたロブ・リグルとの共演です。彼はアメリカでは不動の地位を築いているコメディースター。共演できたことは忘れられない思い出です。

-この映画は日本映画のリメーク作品ですが、オリジナル版を見て、どんなことを感じましたか。

 日本でヒットした映画のリメーク作品で来日できたことは、とてもうれしいです。とはいえ、僕は違うバージョンだと考えています。日本とアメリカでは高校生の日常もだいぶ違いますし、原作に登場したヒロインの母親がこの作品には不在で、より父親にフォーカスした内容になっています。日本の映画を見て、アメリカ版の脚本を読んだら、そういった違いが面白く、がぜんやる気になりました。

-この映画をきっかけに注目を集めると思いますが、今後はどんな俳優を目指していますか。

 いろいろな顔を持つ俳優になりたいです。この作品はラブストーリーですが、その前に演じたのは、イラクの戦場を舞台にしたテレビ作品でアメリカ兵の役。この映画とは真逆です。だから、また全然違う作品で来日できたらいいですね。

-父親が大スターということで、プレッシャーを感じることはありませんか。

 この苗字は目を引くので、良し悪しですね。ただ、損なことばかりとは限りません。僕は父の子として生まれたおかげで、この上なくいい人生を送れています。父は僕の師。いろいろなアドバイスもくれますし、たくさんのことを学びました。プレッシャーが大きいと考える方が多いようですが、僕は父と同じ道を歩むつもりはありません。ボディビルダーとしてアクションスターになるわけではありませんから。結局は自分が満足できるかどうか。好きなことを追求し、自分が楽しめればいい。それが僕の考えです。

(取材・文/井上健一)

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