【インタビュー】『ジャスティス・リーグ』エズラ・ミラー&レイ・フィッシャー「チームの一員になって、本当に夢がかなったと思いました」

2017年11月21日 / 14:26

-フラッシュはコメディーリリーフ的な存在です。「ドストエフスキー」のせりふには思わず笑わされました。あなたは彼のことを「観客とスクリーンをつなぐキャラクター」だと言っていますね。

エズラ 原作が“コミック”ブックだからね(笑)。今回は演じる上で、いろいろなことを意識しましたが、一番考えたのは、原作のフラッシュは、とても善人で謙虚な気持ちの持ち主として描かれているということでした。それから、現実の世界では、いろいろと苦労した人の方が面白いことを言ったりもしますが、彼らは自分を守るために笑いを利用しているのです。その点ではフラッシュも同じです。それに彼は人の話をちゃんと聞きます。観客にはフラッシュのそんなところも見てほしいと思います。ドストエフスキーの小説に『白痴』がありますね。あのせりふの時のフラッシュはまさにそんな感じでした(笑)。

-サイボーグは半分人間で半分機械という屈折した存在で、あなたは彼のことを「自分が“誰”で“何”なのかということに悩むキャラクター」だと分析していますね。

レイ 確かにサイボーグは半分人間で、衣装も脱げません。それに黒人であるという点も見逃せません。今回は彼の姿を通して、そうした比喩を伝えたかったのです。また、私たちはテクノロジーに頼り過ぎて、そのうちに皆サイボーグになってしまうのではないかという問題もあります。例えば、あなたの眼鏡、腕時計、録音機、携帯電話も皆機械ですよね、特に携帯電話を持っていないと、私たちは裸になったような気分になります。ですからサイボーグは、将来的に人間はこうなってしまうのでは…という恐れを具現化した、とてもリアルな存在なのです。そもそも人間とは何なのか。体なのか、脳なのか、心なのか…。これはとても重要な疑問だと思います。

エズラ ワオ! とても素晴らしい答えだ(笑)。

-では最後に、自分たちが演じるキャラクターの、今後の展開についてどのように考えていますか。

エズラ このチームがフラッシュをどこに連れて行くのかがとても楽しみです。僕はフラッシュのキャラクターにとても興味を持っています。なぜなら、原作はとても早いペースで物語が進み、フラッシュはすぐに強くなり、自信満々になります。ですから、映画では、彼がどういう経緯で変化していったのかをじっくりと見せていきたいと思っています。

レイ サイボーグは、まだまだ成長の途中です。自分自身のこと、父親との関係、そして周囲の人々との付き合い方など、乗り越えるべき問題がたくさんあります。また、彼がスーパーヒーローのグループから出て一人になった時に、社会とどう向き合っていくのかも大きな問題です。彼が一人で街に出た時に、人々からどのように見られるのか、また、彼自身がどのように変化していくのか、ということに、とても興味があります。

(取材・文・写真/田中雄二)

(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC AND RATPAC ENTERTAINMENT, LLC

  • 1
  • 2
 

関連ニュースRELATED NEWS

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

山時聡真、中島瑠菜「倉敷の景色や街並みや雰囲気が、僕たちの役を作ってくれたという気がします」『蔵のある街』【インタビュー】

映画2025年8月19日

-この映画の主役は倉敷という街とそこに暮らす人たちだと思いましたが、演じながらそういうことは感じましたか。 山時 僕たちのお芝居がどうこうというよりも、本当に倉敷の景色や街並みや雰囲気が、僕たちの役を作ってくれたという気がします。これは自分 … 続きを読む

ファーストサマーウイカ「それぞれの立場で“親と子”という普遍的なテーマについて、感じたり語り合ったりしていただけたらうれしいです」日曜劇場「19番目のカルテ」【インタビュー】

ドラマ2025年8月17日

-主演の松本潤さんとお芝居で対峙(たいじ)してみての印象を教えてください。  松本さんは、演じられている徳重先生と共通して、とても包容力のある方だと感じます。現場でもオフでも、相手を受け止めて認めた上で、的確かつ愛を持ってアプローチされるの … 続きを読む

橋本愛 演じる“おていさん”と蔦重の夫婦は「“阿吽の呼吸”に辿り着く」【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年8月16日

-そんな魅力的な蔦重を演じる横浜流星さんの座長ぶりはいかがでしょうか。  横浜さんは、蔦重さんをどう演じるか、常に誠実に真面目に考えていらっしゃいます。そういう空気がスタッフやキャストにも伝播し、しっかり取り組もうという空気感が現場全体に生 … 続きを読む

山里亮太「長年の“したたかさ”が生きました(笑)」 三宅健太「山里さんには悔しさすら覚えます(笑)」STUDIO4℃の最新アニメ『ChaO』に声の出演【インタビュー】

映画2025年8月15日

-ネプトゥーヌス国王役の三宅さんはいかがでしょうか。人魚という設定の上に、娘と接するときと、それ以外では雰囲気がだいぶ違いますが。 三宅 ネプトゥーヌス国王は、「屈強で、威厳があり、でも娘に甘い」。最初にその3つのファクターを大事に、と伺い … 続きを読む

ウィリアム・ユーバンク監督「基本的には娯楽作品として楽しかったり、スリリングだったり、怖かったりというところを目指しました」『ランド・オブ・バッド』【インタビュー】

映画2025年8月14日

-リアム・ヘムズワースとラッセル・クロウを演出してみていかがでした。  2人とも自分が演じるキャラクターを見いだすための努力を惜しまず、そのキャラクターの中にある真実や誠実さを見つけてくれます。さらにそのキャラクターにエンタメ性や楽しさも持 … 続きを読む

Willfriends

page top