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井伊家の跡継ぎとして、直虎(柴咲コウ)の後見を受けて大事に育てられることになったのが、直親(三浦春馬)の遺児・虎松である。後に直政を名乗り、隆盛の礎を築くことになる井伊家の“新たなる希望”の子ども時代を演じるのは、人気子役の寺田心。8歳の少年らしく愛嬌(あいきょう)たっぷりに、初めて体験した大河ドラマの舞台裏を語ってくれた。
-大河ドラマ初出演が決まって、一番喜んでくれたのは誰ですか。おばあちゃんです。おばあちゃんは大河ドラマをよく見ているので、喜んでくれました。
まだ全部は見られていないんですけど、おばあちゃんが鹿児島出身で「鹿児島の人も見ているんだよ」と言っていたので、一緒に「篤姫」(08)を見ています。
普段とは全然違う髪形や着物なので、全然違う僕になったみたいで楽しいです。難しかったのは、僕は左利きなので、右手で何かをすることです。ご飯を食べる時とか、常に意識をしています。右手で食べなきゃって。
先生がいろいろ教えてくれます。やっぱり難しいけれど、おばあちゃんとお母さんが鹿児島出身で、昔の言葉とちょっと似ているところがあるから、教えてもらって一緒に練習しています。
分からない漢字はお母さんに付箋を貼ってもらったり、読み仮名を書いてもらったりして、「ここはこうだよ」って教えてもらって一緒に練習しています。こういう時はこういう気持ちでとか、こういう時は悲しい気持ちでとか、いろいろあるんですけど、お母さんも監督さんもマネジャーさんも、いっぱい教えてくれるから、分かりやすいです。
直虎さんの本は持っていたんですけど、漢字がいっぱいあって難しいので、虎松が住んでいた鳳来寺に、おばあちゃんとお母さんに連れていってもらいました。自然の空気がいっぱい感じられて、虎松はこんなところに住んでいたんだなということが分かりました。おばあちゃんはすごいです。1425段もある鳳来寺の石段を一緒に上りました。僕は一番若いけどまだ8歳なので、疲れてぜえぜえ言っていたら、「子どもだから、もっと体力あるでしょ」って怒られました(笑)。
僕はおしゃべりが好きなので、心の中で「演技しているな、演技しているな」と思いながらやっています。虎松は人見知りだし、言葉もあまりしゃべらないけど、でもそれはそういう役なんだなって、勉強になります。あと、虎松だったらどんなふうに思うのかなって、考えるようにしています。
碁石の持ち方も教えてもらいました。全部右手で打つんです。でも、碁石の大きさは大人と一緒なので、ポテッと落ちちゃうこともあって、ちょっと難しかったです。碁は亥之助くんにずっと負けていたけど、1回だけ勝てました。それはちょっとうれしかったです。
針を持ったのは生まれて初めてだったので、難しかったけれど、楽しかったです。刺しゅうは、表だけを縫ったり、裏も見えるように両方縫ったり、いろいろあるんです。先生が教えてくれました。
泣き虫なところは似ているかな…。虎松は悔し泣きしちゃうから。でも僕は、虎松みたいに人見知りではないです。
たくさんの人に愛情を注がれた分、母上や直虎さん、井伊家の方々や民、みんなを守る優しい男の子になると思います。
直虎(柴咲)さんと、いっぱいお話をしていたら、「おじいさんが入っているの?」と言われました(笑)。「入ってないです。後ろにチャックないです」って思いました(笑)。でも、直虎さんは、僕が集中できるように集中の仕方を教えてくださいました。だから集中する時は、教わった通りに目をつぶって、虎松のことを考えるようにしています。しの(貫地谷)さんは、笑顔がすごくすてきな方で、優しくしてくれて、本当のお母さんみたいに振る舞ってくれます。一緒にお菓子を食べたり、鳳来寺の話をしたりしました。
第17回で、初めて虎松が母上に気持ちを伝えるところです。その前に直虎さんとのやり取りがあって、直虎さんは怖いけど一番気持ちを分かってくれていたことを知って、しゃべらなかった虎松が、そこで思いを全部伝えるんです。そこは泣くシーンでもあったので、大変でした。
そうなんです。虎松は人見知りだし、まだ小さくてちょっと弱いから…。僕と同じでちょっと弱いし、それで負けてばっかりだから、逃げ出したんじゃないのかなと思います。
泣き虫な虎松が、井伊家の跡継ぎとしてちょっとずつ成長していくところです。あと、根付です。今でいうキーホルダーみたいなものを虎松が持っているんですけど、その袋の中にはお父さんの直親の形見である琥珀の石が入っているんです。そういう細かいところもちゃんと作っているので、注目して見てください。
(取材・文/井上健一)
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