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家を継ぐべき男たちが次々と亡くなり、当主の座に就いた直虎(柴咲コウ)。一方、夫の直親(三浦春馬)を失ったしの(貫地谷しほり)と息子の虎松(寺田心)は、新野家に引き取られることになる。その新野家を取り仕切るのが、亡き新野左馬助(苅谷俊介)の娘あやめ。三姉妹の長女として家を守りながら、直虎としのの間に立って井伊家の後継者・虎松の面倒を見る重要な役割を担う。演じる光浦靖子に、大河ドラマ初出演に対する思い、演じてみた感想を聞いた。
実家の両親が喜ぶと思いました。大河ドラマを楽しみに見ていましたから。だけど、私は親にテレビ出演の話をしたことがないので、出演が決まったことをずっと黙っていたんです。いつか気付くだろうと思って。そうしたら、先に出演した番宣用のPR動画を見た近所の人から聞いたらしく、「出るの?」と連絡がありました。でも、いつからかは知らせず、「出るよ」としか言わなかったので、案の定、序盤を見た両親から「出てないじゃない」と言われました(笑)。
専用のかつらと着物を作っていただいて、すごいと思いました。着物はもともと、役名に合わせてあやめ色にするつもりだったのですが、妹の桔梗(吉倉あおい)と紫色がかぶってしまうので、オレンジ色になりました。セットもすてきです。家がまるごと一軒建っていますから。庭にはニワトリが放し飼いになっていて、屋根に乗ったり、けんかしていたり…。新野家は女ばかりなので、お花がいっぱいで夢のような屋敷です(笑)。
父親の左馬助が亡くなって、家を守って行かなければいけない、2人の妹をいいところに嫁がせなければいけないという責任を感じています。でも、妹たちにはお嫁に行ってほしいと思いつつも、実際にお嫁に行ったら寂しいし…という父親のような感情も抱いています。
しのが焼きもちを焼いていますが、仕方ないですよね。直虎と亡くなった直親の絆は絶対に切れませんが、女にとっては、そういうプラトニックな関係が一番はらの立つことですから。とはいえ、あやめにしてみたら、イライラする気持ちは分かるけど、そんなにイライラしなくても…といったところでしょうか。一夫一婦制の時代ではありませんし。一緒に住んでいるので、情が移ってしまう部分もあるのでしょう。一歩引いて見たら、直虎の方が正しいですよ。井伊家は男が少ないので、将来を背負ってもらわないといけませんから。頭では直虎に理解を示しつつ、気持ちの上ではしのにも同情する…。そんなところでしょうか。
昔の刺しゅうなので、私が普段やっているものとは違います。先生から糸のさばき方や手の動かし方を習いましたが、手慣れた人として演じなければならないので、難しいです。絹糸なので、手が汗ばむと糸が引っかかってしまうんです。手芸は、家でリラックスしてやるものですね。だけど、カメラの前で“失敗できない”というプレッシャーの中でやると、緊張して汗をかいてしまって…(笑)。
男社会なので、女の人が前に出ることはほぼないということが分かりました。中でも驚いたのは、宴のシーンです。みんなで騒げと言われていても、女の人にはお膳が出ないんですよ。厳しいですよね。飲まず食わずで盛り上がれと言われても…(笑)。とはいえ、そもそも宴にも出ないのでしょうし、女の人は盛り上がってはいけないのかなと…。端々にそういうことを感じました。完全に裏方ですね。
もう、かわいくて仕方ないです。自分の子ではありませんが、親戚のおばちゃんみたいな気分でいます(笑)。この間も、「大判焼きを食べて帰りましょう」と言うので、亥之助役の子と3人で話をしながら、大判焼きを食べて帰りました。本当にかわいいです。
やっぱり、時代劇は違いますね。言葉遣いはもちろんですが、所作が決められているので、自由に動くことができません。これはその時代にはなかった動き、などの規則がたくさんあって大変です。例えば、この時代には拍手がありません。だから、盛り上がった時、体をたたくことはできても、手の平をたたいて拍手することはできません。他にも、女性はこういうことはやりません、とか、一つずつ聞かないとやっていいことが分からないので大変です。みんな普通にやっているので、すごいですよね。でも、所作の先生とは一緒にお昼ご飯を食べたりして仲良しなので、一つ一つ聞きながらやっています(笑)。
私は読書が好きなのですが、歴史物については学校の歴史の授業を思い出してしまうところがあって、ちょっと苦手でした。でも、直虎に関しては史実を伝える資料が少ない分、そういう印象が薄く、とっつきやすかったです。毎回、直虎が「お金が足りない、どうしよう?」と、お金の工面をする話ばかりしているところも、身近な感じがして面白いですね。
(取材・文/井上健一)
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