のん「愛と革新。新しい世界観が加わりました!」 表現者としてあふれる透明感の秘密を聞く

2017年4月6日 / 00:01

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 今年3月に「LINEモバイル」初となるCMキャラクターに起用され話題となったのん。真っ白なシャツを着て、言葉を発することなくじっとこちらを見詰めるのんの姿に見る者の心は大きく揺さぶられた。

 そして4月8日からは、その続編となるCM第2弾「愛と革新。LINE MOBILE(交差点篇)」のオンエアが開始される。大勢の人々が行き交う雨上がりの交差点、たった1人流れに逆らい足を止め、振り返り何かを探すのん。撮影は、第1弾とは対照的に総勢250人のエキストラ出演者と一緒に行われた。前回に引き続き、ナレーション以外はまったくセリフのない仕上がりとなっている今回のCM。演じる上でのんが意識したこととは…?

 また、のんが初めて声優を務めたアニメ映画『この世界の片隅に』(2016年11月公開)は驚異的なロングヒットを記録。そのみずみずしい声で主人公・すずを演じ、女優としても新たな魅力を開花させた。

 表現者として進化を続けるのんに、女優としての思い、イベントなどに臨む際の心境の変化、そしてあふれる“透明感”の秘密を直撃した。

ー第1弾のCMの反響はのんさんにも届きましたか。

 はい。知り合いの人から「見たよ」と言ってもらえたり、あとはネットで見たりしました。

ー第2弾では、何か事前に役作りをされましたか。

 第1弾の時は、監督から江國香織さんの『デューク』という小説をいただいて、このストーリーをベースに演技をしてほしいと言われたのですが、今回もそこから地続きのストーリーとなっています。前回は一人での出演でしたが、今回は大勢の人の中に私が紛れて歩いています。そんな中、デューク(小説に出てくる亡くなった愛犬)に呼ばれたような気がして、私が後ろを振り返る…といったイメージで演じました。

ー撮影を終えての手応えはどうですか。

 モニターでチェックさせていただいたのですが、第1弾と根底にある物語がつながっていながらも、ちょっと新しい世界観が加わった感じがして、これもすごくすてきなんです。テーマが「愛と革新。」なんですが、それがすごく突き刺さってくるCMに仕上がっているので、ぜひ皆さんに見ていただきたいです。

ー昨年は、映画『この世界の片隅に』で声優に初挑戦されました。今後挑戦してみたい役は?

 いろいろ挑戦したいです。アクションをやってみたいですね。あとは“嫌なやつ”がすごく好きなので“食えないやつ”を演じてみたいです。例えば「アイアンマン」や「シャーロック・ホームズ」。ほかにも「ピンポン」のペコも大好きです。一見嫌なやつだったり子どもっぽかったり、でも切ないものを(心の奥に)持っていたりする、そういうキャラクターが好きです。

ー恋愛もので“THE・女の子”みたいな役はどうですか。

 恋愛ものは似合わない気がしていて…(笑)。私が恋愛もの演じているの、見たい人いるのかな…? 見たいですか!?  恋愛ものでキャピキャピ…。きっと…、できます(笑)。私は自分らしい解釈を探っていきたいので、結局男の子みたいになってしまう気がしますね。それに、恋愛ものといってもいろいろありますしね。

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ー以前に「舞台にも興味がある」とおっしゃっていましたが、改めてどうですか。

 舞台に挑戦したことがないのですが、シャーリー・マクレーンの『スイート・チャリティ』(1969年公開のミュージカル・コメディー映画)がすごく好きで、ミュージカルにとても憧れています。歌やダンスで魅せる、その世界観やビジュアルが大好きです。

ーボイストレーニングも行っているそうですが、もしそういう役が来たら伸びやかな歌声に期待していいですか。

 そうですね。たぶん、それは最低限求められることだと思うので頑張らなきゃ!という感じなのですが(笑)。

ー先ほどアクションの話も出ましたが、体のトレーニングもされているのですか。

 一時期やっていたのですが、習いごとを詰め込み過ぎてトレーニングは全然できていないです。バレエレッスンはやっているのですが…。いまはボイストレーニングと英語、あとは…内緒です(笑)。

ー最近の会見などでは、以前よりも生き生きと自分の思いを語っている、のんさんの姿が印象的です。

 ああ、私(昔は)すっごいしゃべれなかったってことですか? 生き生きさ加減はいつでも同じだと思います。以前は自分がペーペーの新人なので、しゃべる時に“どういうことを言えば正しいのか…”みたいなことを考え過ぎてしまっていたんです。いま、ここで何を言うべきか。そういう“正しい答え”というのにこだわっていたんですが、なかなか思いつかないものだなということに気が付いて諦めました! 今は思いついたり感じたことをそのまま口にしていることが多いですね。

ー気持ちは大分楽になりましたか。

 いや、楽にはならないですけどね。深く考えないで話すのも怖いですし。気持ち的にはどっちの方法も何も変わりません。緊張するし、楽しくやってます。

ー女優は人前に出るお仕事ですが、のんさんは、自分のことは緊張しやすいタイプだと思いますか。

 そうですね。緊張します。会見だけでなく、役柄を演じる時も緊張しますね。

ーそういう時に感じる緊張にはどう対処していますか。

 いい緊張だったらいいのですが、アガってしまっていたりしゃべれなかったときみたいに“正しい答え”にしばられているときは、役の表現も狭められちゃうので、そういうのは取っ払って、正しい正しくないにとらわれないように、自由に演技に集中するよう心掛けています。会見なども機会が増えてもその都度心臓がばくばくします。その中でも自分らしく素直に、緊張に抵抗しないようにします。

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ー過去には、授賞式の後の囲み取材で、少し黙り込んでしまった場面も拝見しましたが、最近は楽しそうにお話しされています。

 たぶん、それは(当時)質問の意図がつかめなかったんだと思います(笑)。いまはつかめなくても自分で勝手に(質問の意味を)置き換えてしゃべるようになりました。以前から、別に楽しくなかったわけじゃなくて、いつも楽しいですよ。緊張はしますが。

ーそんなのんさんですが、よくファンからは「ピュア」「透明感がある」などと評されています。これについてどう思いますか。

 すごくうれしいですね。

ー自分ではこういうところかな…?という自覚はありますか。

 あります(笑)自覚してますよ! 小学生みたいな心を持っているので。真っすぐな心…? そうですね。たぶん、そういうことなのかなって思ってます。

ー気持ちの中の自分は何歳ぐらいですか。

 実年齢は23歳なんですけど…フフフ(笑)。周りの人からは、小学生、幼稚園生みたいな感じだと言われることはあります。すごい(実年齢と)違いがありますね。初めてお会いする人には、本当の年齢を言うと「結構、いっているんだね」って言われたりします(笑)。「高校生かと思ったわ」って。実年齢より下に見られることに対して抵抗は全然ないので、むしろ楽しんでます。

ー反対に、年上の女性像に憧れはありますか。

 将来こういう女優さんになっていたい…といった憧れはいっぱい持ってます。例えば先ほど言った“食えないやつ”を女バージョンで解釈して演じられるようになりたいとか、吉永小百合さんのように揺るぎない女優さんになりたいとか…。シャーリー・マクレーンのような表現ができるようにもなりたいし、藤山直美さんのような最高の喜劇役者にもなりたいなど、いっぱいあります。

ー役ではなく、のんさん自身がそういう女性になりたいということですか。

 そうですね。私自身が、女優としてこうなりたいというビジョンがたくさんあります。私ならでは…というのをこれから探っていきます。でも考えてみれば、私が憧れている女優さんたちは皆さん、透明感のある方ばかりですね。なので私も透明感を維持しながら…? 大人になっていけたらと思います(笑)。

ー最後に、応援しているファンの皆さんにメッセージをお願いします。

 これから女優としてもいろんなことに挑戦していきたいので応援よろしくお願いします。粛々と頑張ります!

 


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