【インタビュー】窪田正孝「今でも下積みだと思っています」 ドラマ「4号警備」でアクション満載のボディーガード役

2017年4月7日 / 17:00
民間警備会社の職に就いた元警察官を演じる窪田正孝

民間警備会社の職に就いた元警察官を演じる窪田正孝

 4月8日からスタートするNHK土曜ドラマ「4号警備」。主人公は民間警備会社の職に就いた元警察官の朝比奈(窪田正孝)。相棒の石丸(北村一輝)とともに「4号警備」の任務を命じられた2人をメーンに、アクションやユーモアを交え“身辺警護”(ボディーガード)の最前線を描く物語。NHKの連続テレビ小説「花子とアン」で木場朝市役を演じてブレークを果たした窪田正孝が共演者とのエピソードや役作りに対する思いを語った。

ー主人公の朝比奈の印象と役作りで気をつけていたことはありますか。

 1話目では主人公の朝比奈は特に言葉が強いです。人に対して白黒はっきりさせるというかアウトローなタイプですが、なぜそうなったのかだんだんと解き明かされていきます。朝比奈は何でもストレートに言ってしまいまですが、人がなかなか言えないことをその人のためを思って言っているので、決して間違ったことは言いません。なので「このセリフを大切にしなきゃいけない」ということを思いながら演じました。そして、作品の全体を見たときに朝比奈のポジションがブレてはいけないと思っています。軸がブレてしまうと見る方の主観が分からなくなるのでブレないように意識しました。

ー30分番組なのでとてもスピーディーな印象ですがこの作品はどのようになると思いますか。

 撮影は基本、ワンカット長まわしで行うことが多かったです。1話に関してはセリフにフォーカスするというよりもスピーディーに全体像を見せるようなイメージで描かれています。芝居の技術の話になってしまいますが、30分のドラマなのでセリフがテンポよくいかないと30分に収まらなくなってしまうんです。通常、相手のセリフがあってから言葉のキャッチボールをしなければなりませんが、相手の言葉を受け取る前にセリフという名のボールを投げなければならない…。特に序盤は探りながらでしたので「これでいいのかな」と葛藤することもありました。

kubota4_01_26_064

ー今回演じる上で一番大切にしていたことはなんですか。

 バディー(コンビ)を組む北村さん(石丸役)とは2人で一つの関係性を描かなければなりません。互いに傷ついた過去を持っているのでトラウマや挫折感が見え隠れするということを言葉の節々に表現し、役どころの背景を大切に演技しました。

ー座長(主演)として現場の見方は何か変わりましたか。

 基本はどちらかというと一人でいたいタイプですが、今回は自分が主役という立場で、現場の要望や人の気持ちなど(出演者やスタッフの)声が耳に入ってくるのでスタッフさんと話したり、現場がスムーズに進むよう心がけました。自分が座長という立場ではありましたが、北村さんからたくさんのアドバイスをいただいて助けていただきましたので、この作品がバディーもので良かったと感じることも多くありました。

ー今回、アクションシーンがふんだんに使われていますが何か準備をしましたか。

 特に何もしていませんが、前もって相手の方と時間を作ってアクションの手合わせをしたり、演出家の方から指導を受けたりしました。今回はたくさん練習する時間をいただけたような気がします。監督からアイデアがどんどん出てくるので、それに応えるようにしていたら良いアクションシーンが撮れたように思います。

ー役者としていろいろな要求をこなしていく自信はありますか。

 自信はないです。というよりも、与えられたことを「やるしかない」といつも感じていて今でも下積みとだと思って努力する、ただそれだけです。アクション俳優になれると思ったことはないですが、アクションの要望があればなんでもこなしていきたいと思っています。

kubota_1_27_009

ーオフの日は役作りをする上で何かを吸収したり、どんなふうに過ごしますか。

 オフの日ではなく普段の現場の中で会話や仕草などの刺激を受け、特に特徴のある人は記憶に残るので役作りの参考にさせてもらうこともあります。

 一人の時間がないとダメなタイプなのでオフの日は自分だけの時間を作るようにしていて、近場の海にドライブしたり、そのときにエンジンの音を聞いたり、横断歩道を渡る家族を信号待ちのときに見たり、自分だけの空間で社会の何気ない日常を感じたりするのが好きですね。そういう日常も役者として知っていなければならないので。また自分の家族に会ったりすれば気が張っていた部分がほぐれるのでほっとしたり、(家族が)いてくれて感謝です。

 今回は人を守るのがテーマになっていますが、自分は人を守るというより守られているとつくづく感じます。守られたいなら誰かを守るべきだし、自分を信じてほしいなら誰かを信じるべきだと感じましたね。

ー相棒の北村一輝さんから影響を受けたことは?

 北村さんの近くで主役を演じさせてもらったのはすごく大きいことだったと思います。北村さんのように冷静に物ごとを見られていない自分を感じたり、作品を良くするためにこれまでのどの作品よりも多く意見交換をしました。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

多部未華子「学びの多い現場でした」DV被害者役に挑んだヒューマンミステリー「連続ドラマW シャドウワーク」【インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 WOWOWで毎週(日)午後10時より放送・配信中の「連続ドラマW シャドウワーク」は、佐野広実の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。  主婦の紀子は、長年にわたる夫の暴力によって自己喪失し、すべて自分が悪いと考えるようになっていた。 … 続きを読む

森下佳子「写楽複数人説は、最初から決めていました」脚本家が明かす制作秘話【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。これまで、いくどとなく視聴者を驚かせてきたが、第4 … 続きを読む

富田望生「とにかく第一に愛を忘れないこと」 村上春樹の人気小説が世界初の舞台化【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月30日

 今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む

【映画コラム】実話を基に映画化した2作『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』『栄光のバックホーム』

映画2025年11月29日

『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』(12月5日公開)  太平洋戦争末期の昭和19年。21歳の日本兵・田丸均(声:板垣李光人)は、南国の美しい島・パラオのペリリュー島にいた。漫画家志望の田丸はその才能を買われ、亡くなった仲間の最期の雄姿を遺族 … 続きを読む

氷川きよし、復帰後初の座長公演に挑む「どの世代の方が見ても『そうだよね』と思っていただけるような舞台を作っていきたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月29日

 氷川きよしが座長を務める「氷川きよし特別公演」が2026年1月31日に明治座で開幕する。本作は、氷川のヒット曲「白雲の城」をモチーフにした芝居と、劇場ならではの特別構成でお届けするコンサートの豪華2本立てで贈る公演。2022年の座長公演で … 続きを読む

Willfriends

page top