【インタビュー】世代を超え認め合う小栗旬と西島秀俊 構想5年の骨太アクションドラマで共演

2017年4月1日 / 12:01
crisis2

警察庁警備局長直轄の秘密部隊「公安機動捜査隊特捜班」に所属する稲見朗(小栗旬)と田丸三郎(西島秀俊)

 4月11日に放送スタートするカンテレ・フジテレビ系火曜午後9時連続ドラマ「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」に主演する小栗旬と、小栗とは民放の連ドラ初共演となる西島秀俊がこのほど取材に応じた。5年前から温められていた企画の実現に対する喜びや「カリ・シラット」という武術を用いたアクションの特訓、そして互いの印象から西島との距離を縮めたい小栗のかわいらしい思いなどを語った。

 直木賞作家の金城一紀氏が原案・脚本を手がけたこのドラマは、小栗演じる元自衛隊員の捜査員・稲見朗(いなみ・あきら)をはじめとする各分野のスペシャリストが集結した、警察庁警備局長直轄の秘密部隊・公安機動捜査隊特捜班の活躍を一話完結型で描く骨太なアクションエンターテインメント。小栗にとっては、2014年の「信長協奏曲」以来、2年半ぶりのテレビドラマ主演作となる。

 常識では計れない事件に脅かされる現代で、高度な政治的案件を扱うとともに、ときには国家の“汚れ仕事”もこなす組織・公安機動捜査隊特捜班。そのほかのメンバーには元外事警察の田丸三郎(西島)、特捜班の班長で取り調べの名手・吉永三成(田中哲司)、爆弾処理・製造に精通する樫井勇輔(野間口徹)、サイバー情報分析に秀でる凄腕の元ハッカー・大山玲(新木優子)が名を連ねている。

──金城氏が小栗さんを主演に据えて5年前から構想を練ってきたということですが、企画を知ったときの期待感は?

小栗 企画自体は「BORDER」(2014年テレビ朝日系)というドラマをやっているときに「次はこれをやろう」と聞きました。話を聞いているだけでもすっげー面白そうと思いつつ、聞けば聞くほど実現するのはなかなか難しいだろうなと。決定稿をもらったときに、本当にやってくれるんだ、よかったと思ったのが正直なところです(笑)。

西島 金城さんから企画を聞いたらとにかく面白くて。(アクションの)けいこをしながら、でも正直(撮影には)入らないだろうと思っていました。「どうやって撮るんだろう」と。それくらい信じられないような規格外の脚本だったので。

──武術「カリ・シラット」を習得している金城氏から、お二人はどのようなアクション訓練を受けてきたのでしょうか。

小栗 1年以上前から週に1回くらいのペースで動きや所作を。僕らが演じるのはその訓練を積んできている人間という設定なので、使うことに違和感がない状態でないといけない。それぞれが特殊な動きをすることで、その人のキャラクターが見えてくる。その結果、稲見は変な言い方をすると「ドラゴンボール」の悟空のよう(笑)。手数が多いので、戦っているうちにこいつ(相手)はどのくらいできるんだろうって楽しみ始めちゃって。

crisis3

小栗旬が演じるのは元自衛隊員の捜査員、稲見朗

西島 その人のキャラクターがアクションに全部出ているので、小栗くんは周りを破壊してくようなアクション。僕の演じる田丸は冷静に捕まえていく感じです。若手集団のチームがアクション監督をやっていて、全く妥協しない。全然OKが出なくて大変でした(苦笑)。こだわってやらせてもらうこともあまりないのでありがたいことなんですけど、アクションのできる俳優さんが、冗談で「お前どこのもんだ!」って怒鳴ったっていう話も聞きました(笑)。

──民放の連ドラ初共演のお二人ですが、お互いに気になるところや、ここはかなわない、悔しいなと思うところはありますか。

小栗 僕からすると、見ていてムラがないところ。僕はけっこうムラっ気があるので、その日のテンションで動いているところがあって。もしかしたら自分をちゃんと見られていないのかもしれないけど、西島さんはプロだなと思うことがある。もともとのイメージがすごくストイックで、さらに距離を置こうと思えばいくらでも置ける役どころだけど、こんなにチャーミングなところがあるとは知らなかった。大好きだからすごくそばにいたい。

西島 よく電話がかかってきます(笑)。

小栗 ときどき“秀俊さん”って呼んでいるんですけど、「下(の名前)で呼ぶな」って言われる(笑)。徐々に距離感を詰めて、最終的には“秀兄”って呼びたい。

西島 まだちょっとね、そこはね(笑)。この仕事は、年は関係ないし、僕より一回り下だけど、自分からどんどん高い壁に向かって突き進んで、乗り越えてきたっていうエネルギーをすごく感じる。自分で開拓していって、演技することだけじゃなくて、作品をクリエートしていく力をすごく感じています。僕はどちらかというと巻き込まれ型で、今回も完全に巻き込まれているので。学ぶことがたくさんあって刺激を受けます。ちなみに僕は小栗くんと呼んでいます(笑)。

crisis4

西島秀俊は、かつて公安部外事課に所属、真面目で常にストイックな捜査員、田丸三郎を演じる

小栗 「ウロボロス~この愛こそ、正義。」(2015年TBS系)を撮っているときに、同じスタジオで「流星ワゴン」(2015年TBS系)を撮っている西島さんと香川照之さんがいるメークルームに会いに行って世間話をしたんです。アクションものをやってくださいって(頼んで)。絶対やってくれないだろうなと心の中で思っていたので、(共演が)実現してうれしい。

西島 なんで? やってるじゃん、実際(笑)。

小栗 そのときからすでに金城さんといつかそういうのをやっていこうって話していて、西島さんはアクションに対して意欲的に取り組んでいる役者さんなので、無茶なことを言ってもやってくれそうっていうイメージがありました。なので、一緒にがっつりやってみたいと思っていたんです。

──放送を楽しみに待っている視聴者へメッセージをお願いします。

小栗 今のドラマ界に風穴を開けられるドラマになったと思っています。テレビドラマはつまらないと思っている視聴者にも楽しんでもらえるものができたんじゃないかと思います。

西島 (樫井勇輔役の)野間口さんが言っていたんですけど、日本で実際にあった事件や、都市伝説でこうだったんじゃないかと言われていることを題材にしている脚本が素晴らしい。作品の世界、何が起きているかというその空気や気配がリアルに構築されています。実際にこの世界をどう具現化するかって、企画から考えて5年もかけてやっていて、完成して見ていただくものは今までに見たことのない連続ドラマになっているのではないかと思います。

小栗 いま西島さんが話したのは俺が話したことにしてもらえませんか?(笑)。

 ドラマは4月11日午後9時から毎週火曜オンエア。

crisis1

直木賞作家・金城一紀が描く骨太なアクションエンターテインメント「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【インタビュー】「十三人の刺客」中村芝翫「ぜひまた克典さんと共演を」高橋克典「家族に近い感覚でできたことが楽しかった」幼なじみの2人が、名作時代劇のリメークドラマで初共演

ドラマ2020年11月27日

 昭和の名作時代劇が、令和の時代によみがえる。昭和38(1963)年の公開以来、映画やテレビドラマ、舞台劇として何度もリメークされてきた「十三人の刺客」が、NHK BSプレミアムで11月28日(土)午後9時から新作テレビドラマとして放送され … 続きを読む

【インタビュー】『記憶の技法』石井杏奈「自分も華蓮と一緒に旅をした気分になって、自然と成長していけたと思います」

映画2020年11月26日

 東京に住む女子高校生の鹿角華蓮(かづの・かれん=石井杏奈)は、奇妙な記憶喪失癖に悩んでいた。幼少期の記憶の断片が不意に脳裏をよぎり、しばしば意識が飛んでしまうのだ。ある日、華蓮は自分が養子であることを知る。真実を知りたいと考えた華蓮は、同 … 続きを読む

【インタビュー】「23階の笑い」小手伸也 三谷幸喜演出の舞台で「全力で恩返しをするときがきた」

舞台・ミュージカル2020年11月25日

 三谷幸喜が演出する、ニール・サイモン作の「23階の笑い」が、12月5日から上演される。本作は、熾烈(しれつ)な視聴率戦争で各局がしのぎを削っていた1950年代のアメリカのテレビ業界が舞台。ある高層ビルの23階の一室に集まった人気コメディア … 続きを読む

【大河ドラマコラム】「麒麟がくる」 第三十三回「比叡山に棲(す)む魔物」光秀を比叡山焼き討ちに導いた運命の歯車

ドラマ2020年11月23日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「麒麟がくる」。11月22日放送の第三十三回「比叡山に棲(す)む魔物」では、朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)と比叡山の天台座主・覚恕(春風亭小朝)の同盟に苦杯を喫した織田信長(染谷将太)が、家臣たちに比叡山 … 続きを読む

「派手な衣装からも、どこか憎めないキャラクターとして目に止まれば」ユースケ・サンタマリア(朝倉義景)【「麒麟がくる」インタビュー】

ドラマ2020年11月22日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「麒麟がくる」。個性的な戦国武将が数多く登場する中、本心の読めないキャラクターとして異彩を放っているのが、越前の戦国大名・朝倉義景だ。一時は美濃を逃れた明智光秀(長谷川博己)をかくまい、後には織田信長(染谷将 … 続きを読む

page top