【インタビュー】『モアナと伝説の海』屋比久知奈&尾上松也「屋比久さんの声を聞いた時に、これでモアナは大丈夫だと確信しました」

2017年3月10日 / 16:02

 神秘的な伝説が息づく南の島を舞台に、愛する島の人々を救うための旅に出た少女の冒険を描くディズニー・アニメーション最新作『モアナと伝説の海』が3月10日から公開される。本作の日本語吹替版で、主人公モアナの声を務めた新人の屋比久知奈(やびく・ともな)と、その相棒で伝説の英雄マウイの声を務めた歌舞伎俳優の尾上松也がインタビューに応じ、共に声優初挑戦の感想を語った。

尾上松也(左)と屋比久知奈

尾上松也(左)と屋比久知奈

-オファーが来た時の心境を教えてください。

松也 随分前からディズニー・アニメーションの声優をやりたいと言い続けていたので、収録前は僕の中で夢がかなった気持ちでした。

-アフレコはどんな感じでしたか。

松也 収録前はどんなに楽しいだろうと想像していましたが、いざやってみると細かい作業が必要だったり、順番通りに録るわけではなかったりと、不慣れな部分もあったので、前半は、終わってほっとした部分と、もう一度やり直させてくれないかなという気持ちもありました。僕はほかの方の声がない状態で(アフレコを)行っていたので孤独でした。屋比久さんの声を聞いたのは後日録り直しをした時で、スタッフの方に「収録したものがあるけど聞きますか?」と言われて、聞いた時に「もうこれでモアナは大丈夫だ」と確信しました。

屋比久 私も最初はワクワクしつつ不安も大きかったので、収録前は不安70パーセント、楽しさ30パーセントの気持ちでした。やってみると難しくて、せりふを聞き直したら、思っていた通りに聞こえず、悔しい思いもたくさんありました。でも、監督やスタッフの方々が一言一言丁寧に指導してくださったので、徐々に楽しむ余裕ができてきました。最初はついていくのがやっとでしたけど、次第に、楽しみつつ、学びながら収録ができるようになったので、貴重な体験だったと思います。

-屋比久さんは、ディズニー・アニメーションのヒロインとしては、過去最大規模のオーディションの中から抜てきされたわけですが、いかがでしたか。

屋比久 私も後から(過去最大規模だったと)ニュースで知って、「どうしよう」と驚きました。そういう意味では本当に光栄ですし、これが活動スタートの作品なので、幸せで恵まれているなと思います。

松也 活動のスタートがこの映画だもんね。うらやましい。

屋比久 ありがとうございます。

-屋比久さんはこれまでもミュージカルやダンスを学んできたそうですが、今後の目標は?

屋比久 ミュージカルの舞台に立つことです。それで東京に出てくる決意をしました。歌も演技もダンスもまだまだ勉強しないと、という思いでワクワクしていますし、やってやるぞという気持ちです。

-そういう意味では、主題歌も担当された本作はピッタリでしたね。

屋比久 はい、すごくうれしかったです。

-市川海老蔵さんや中村獅童さんなど、歌舞伎俳優の方が声優をすることも増えてきていますが、松也さんは今回どのような思いで臨まれましたか。

松也 歌舞伎以外にもいろいろな場面で、チャレンジできるのであればチャレンジして、歌舞伎に興味がない方もこの映画を見て「この声優誰だろう?」と調べて興味を持っていただけたらいいですね。いろんな分野で活躍することが歌舞伎への恩返しになると思いながらやらせていただいているところもあります。

-お二人とも劇中で歌も披露していますが、どんな気持ちを歌に込めましたか。

松也 僕の「俺のおかげさ」はとにかく陽気な楽曲で、マウイの、鼻につくけど憎めない感じを意識して、楽しみながらやっていました。リテイクもそれほどなくすんなりとできました。

屋比久 私の「どこまでも ~How Far I’ll Go~」は主題歌としてモアナの思いがすべて詰まっている1曲なので、歌としてというよりも、その言葉や気持ちが伝わるといいなと思いました。英語から日本語に翻訳された時点で、(歌詞が)どうしても少なくなってしまうけど、その中に含まれている思いは減らしたくないと思ったので、一言一言を丁寧に歌に乗せようと意識しました。

(取材・文・写真/中村好伸)

MOANA - (Pictured) Moana and Maui. ©2016 Disney. All Rights Reserved.

MOANA – (Pictured) Moana and Maui. ©2016 Disney. All Rights Reserved.

『モアナと伝説の海』
3月10日(金)全国ロードショー
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【Kカルチャーの視点】家族の情緒が国境を越える、俳優ムン・ソリが語る「おつかれさま」ヒットの理由

ドラマ2025年12月26日

 今年のヒットドラマ、Netflixシリーズ「おつかれさま」。子どもから親へと成長していく女性の人生とその家族を描き、幅広い世代から支持され大きな話題を呼んだ。IU(アイユー)との二人一役で主人公エスンを演じたムン・ソリに、ドラマの振り返り … 続きを読む

田中麗奈「こじらせ男の滑稽で切ない愛の行方を皆さんに見届けていただきたいと思います」『星と月は天の穴』【インタビュー】

映画2025年12月24日

 脚本家としても著名な荒井晴彦監督が、『花腐し』(23)に続いて綾野剛を主演に迎え、作家・吉行淳之介の同名小説を映画化した『星と月は天の穴』が12月19日から全国公開された。過去の恋愛経験から女性を愛することを恐れながらも愛されたい願望をこ … 続きを読む

天海祐希、田中哲司、小日向文世、でんでん、塚地武雅「12年の集大成を見届けてください!」大ヒットシリーズ、ついに完結! 劇場版「緊急取調室 THE FINAL」【インタビュー】

映画2025年12月23日

 2014年1月にスタートしたテレビ朝日系列の大ヒットドラマ「緊急取調室」。たたき上げの取調官・真壁有希子が、可視化設備の整った特別取調室で取り調べを行う専門チーム「緊急事案対応取調班(通称:キントリ)」のメンバーとともに、数々の凶悪犯と一 … 続きを読む

【映画コラム】時空を超えた愛の行方は『楓』『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』『星と月は天の穴』

映画2025年12月20日

『楓』(12月19日公開)  須永恵と恋人の木下亜子は、共通の趣味である天文の本や望遠鏡に囲まれながら幸せな日々を送っていた。しかし実は本当の恵は1カ月前にニュージーランドで事故死しており、現在亜子と一緒にいるのは、恵のふりをした双子の兄・ … 続きを読む

北香那「ラーメンを7杯くらい食べたことも」天野はな「香那ちゃんのバレエシーンは見どころ」 「ラーメン」と「クラシック・バレエ」が題材のコメディーで共演 NHK夜ドラ「替え玉ブラヴォー!」完成会見

ドラマ2025年12月19日

 12月19日、東京都内のNHKで、1月5日からスタートする夜ドラ「替え玉ブラヴォー!」の完成会見が行われ、主人公・千本佳里奈(ちもと かりな)役の北香那、佳里奈の親友・二木優美(ふたぎ ゆみ)役の天野はながドラマの見どころを語ってくれた。 … 続きを読む

Willfriends

page top