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NHKの大河ドラマ「真田丸」で、真田家に仕える農民出身の素破(すっぱ)=忍者の佐助を演じている藤井隆。寡黙な顔の裏に潜ませる佐助の真意と、真田家の運命を語る。
三谷(幸喜)さんの舞台に出演した時に、本番5分前の袖で三谷さんから「壁を走ったりできますか?」と聞かれたんです。「はい、ええ、割とずっとやってきました」って適当に答えました。本番前だったのでね。さらに「水の中にはどれぐらい入っていられますか?」ときたので、「7、8分なら」って応じました。(忍者役ですから)思い返せば、ご本人からいただいたオファーというのはそれになるんでしょうか(笑)。
真田十勇士の話は知っていましたが、プロデューサーの方から「この佐助は猿飛佐助ではない」と聞いていました。農家の出身で身体能力が高い人がいろんな積み重ねで、後に忍者と呼ばれる者になったのではないかというご説明でした。
何かを頼まれて「はっ!」と言うのってぞくぞくしました(笑)。とにかく自分よりもスタッフの皆さんはもっともっと深くまで考えていろいろ教えてくださるので、そういう中で自分にできるベストを尽くそうと思いました。初大河で緊張はしましたけど、スタッフの皆さんが早い時期に話し掛けて居場所を作ってくださったので、うれしかったです。
乗馬クラブに行くのかなと思っていたら、三谷さんから「馬の稽古はいりません。佐助は馬より速く走れますので」って言われまして(笑)。だから準備はしていませんが、所作の先生に「そんきょの姿勢がいい」って褒めていただきました。光栄です。
荷が重いです。関ヶ原の戦いの結果を真田家に伝える時も、宴会で浮かれているみんなを堺(雅人)さん演じる信繁がたしなめて「まだ佐助がしゃべろうとしているでしょ」って言いましたよね。あの一言を頂いた時に、改めて、結果を報告するのがすごく怖くなりました。自分の一言で重大なことが始まってしまう。堺さんはいつもそんな具合に物語の中にぐわっと連れて行ってくださいます。
信濃のころにコイを釣ってくるシーンがあって、きりちゃんが「やったわね」 って笑顔になった時、昔から仲が良かったのかなという感じを長澤さんがくださったんです。(身分が違うので)幼なじみではないですが、子どものころから交流があったのでは?という雰囲気をもらったので、年を経て好きだという感情に変化することに戸惑いはありませんでした。
最初の方のシーンで器の大きさを感じさせるしぐさをされて「この人についていこう」と思わせてくださいました。出浦がやけどをして伏せっているのに、昌幸(草刈正雄)に大坂城を落とす作戦を本気で言っているのを見て、「あっ、この人死ぬかも」と思って悲しかった。生きていてほしいです。
どうでしょう? 演じていても、文(ふみ)が読まれたら本当にほっとします。渡した後、気になってずっと文を見ているんですよ(笑)。
映像の現場ではこれまでいつも僕に怒ったり教えたりする方がいてくださった。「真田丸」でもきちんといてくださいます。1年以上ご一緒しますので、そういう期間を経ることができたことは、ありがたいです。俳優さんが皆さんよくおっしゃる「NHKに来るのが楽しい」という気持ちがちょっと分かった気がしました。スタッフの方とたくさん話せたこと、それが得たものの一つだと思います。つなげていきたいですね 。
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