野村克也氏、著書110冊超え!にも実感なし 女性ファンの重要性説く

2016年10月5日 / 23:35
野村克也氏

野村克也氏

 野球評論家の野村克也氏による新著「野村の遺言」(小学館)が発売され、このほど野村氏がインタビューに応じた。著書を手に取ると「若いな。こんな時代があったな…」と背番号19の捕手時代の自身が印刷された表紙を見て目を細め、「こないだ聞いたんだけど、俺の本110冊を超えたんだって。そんなに出したかなと思って。実感はまったくないね」とつぶやいた。

 本著は、野村氏が野球界のためにキャッチャーのすべてを語った本格捕手論。「キャッチャーは監督の分身である」「捕手型人間とは? 名捕手の条件」「真のプロフェッショナルとして生きよ」など8章で構成され、野球のダイヤモンドを“社会の縮図”と捉えて組織においての捕手的人間の重要性を説くリーダー論ともなっている。

──近年ではメジャーリーグでの日本人選手の活躍も目立つようになりました。

 我々の時代はメジャーリーグに対してすごく距離感があった。メジャーリーグなんてのは地球の裏側の話ってくらい距離を感じていた。なんで今、メジャーリーグが近くなったかっていうと、テレビの力だよね。今はメジャーリーグの真剣勝負がテレビで見られる。あれを見て力が伝わってくるから。今、何人の選手がメジャーリーグで働いているかわからないけど、我々の時代からしたら考えられないこと。

──今後、メジャーリーグで通用する日本人捕手は出ますか。

 キャッチャーで一番大事なのは謙虚さ。「功を譲る」、この精神がキャッチャーとして一番大事だと思う。キャッチャーはヒーローになれないの。先発完投して完封すりゃヒーローインタビューはピッチャーじゃない? リードがどうこうってキャッチャーにスポットが当たるようになったのは最近だね。我々のころにはキャッチャーには一切スポットが当たらなかった。昔は「他のポジションができないならキャッチャーをやらせておけ」というくらいの価値しかなかった。キャッチャーのファインプレーを見られる人が専門家なんですよ。ファインプレーを見られない人はへぼ監督。キャッチャーをころころ変える監督に名監督なし。

──2014年に「カープ女子」が新語・流行語大賞の年間トップテンに入り、今季広島カープが25年ぶりのリーグ優勝を決めたことでますます勢いが出ていますが。

 関心ない、無関心。でもファンがつくってありがたいじゃん。我々の時代と違ったなと感じるだけ。我々の時代は野球場に来るのは男ばっかり。女性なんてまず見かけなかった。旦那が野球好きでそれにくっついてくるくらい。女性同士で来るなんてなかったから、これも時代だね。いいことだよ、大変けっこうなこと。男性は女性に弱いから、女性から野球に行こうよと言われたら男性はノーと言えない。そういう意味でも、女性ファンはどんどん作ったほうがいい。

「野村の遺言」(小学館)

「野村の遺言」(小学館)


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

ジェイソン・ステイサム ~絶滅危惧種のアクションスター~

映画2025年12月31日

自然体の魅力で今年もお正月の主役  もはや新年早々の風物詩になりつつある。ジェイソン・ステイサム主演のアクション映画のことだ。24年は『エクスペンダブルズ ニューブラッド』、2025年は『ビーキーパー』、そして今年26年は1月2日から『ワー … 続きを読む

寺西拓人 声優初挑戦は「とても刺激的で楽しい経験でした」 「マクロス」、「アクエリオン」シリーズの河森正治監督の長編アニメーションに出演『迷宮のしおり』【インタビュー】

映画2025年12月30日

 2026年1月1日全国公開となる『迷宮のしおり』は、「マクロス」、「アクエリオン」シリーズなどで知られる河森正治監督初のオリジナル長編アニメーションだ。  引っ込み思案な女子高生・前澤栞(声:SUZUKA(新しい学校のリーダーズ))は、親 … 続きを読む

織山尚大、芸能活動10周年を迎え「今のこの年齢で演じる意味がある」 舞台「エクウス」で3年ぶりの主演【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年12月29日

 映画『うちの弟どもがすみません』やドラマ『リベンジ・スパイ』など、数々の映画やドラマ、舞台で活躍する織山尚大の3年ぶりの主演舞台となる「エクウス」が1月29日から上演される。本作は、実際に起きた事件を基に描かれた、ピーター・シェーファーに … 続きを読む

【映画コラム】「2025年映画ベストテン」

映画2025年12月28日

 今回は、筆者の独断と偏見による「2025年公開映画ベストテン」を発表し、今年を締めくくりたいと思う。 【外国映画】  2025年公開の外国映画を振り返った時に、今年の米アカデミー賞での受賞作は最近の映画界の傾向を象徴するようで興味深いもの … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】家族の情緒が国境を越える、俳優ムン・ソリが語る「おつかれさま」ヒットの理由

ドラマ2025年12月26日

 今年のヒットドラマ、Netflixシリーズ「おつかれさま」。子どもから親へと成長していく女性の人生とその家族を描き、幅広い世代から支持され大きな話題を呼んだ。IU(アイユー)との二人一役で主人公エスンを演じたムン・ソリに、ドラマの振り返り … 続きを読む

Willfriends

page top