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「自分としては星野と常子さんはもう結ばれてもいいんじゃないかなと」 坂口健太郎(星野武蔵)2 【とと姉ちゃん インタビュー】

 高畑充希がヒロインの小橋常子を演じている連続テレビ小説「とと姉ちゃん」に、坂口健太郎演じる星野武蔵が再登場した。常子と再会した星野は、2人の子どもを抱えたシングルファーザーになっていた。坂口自身も驚きの展開だというが、果たして常子と星野は今度こそ結ばれるのか…。坂口が役への取り組みや思いを語った。

 

星野武蔵役の坂口健太郎

-約3カ月ぶりの撮影ですが、現場の様子はいかがですか。

 前回演じた学生時代のころと同様に、今回も常子さんとのシーンが多いのですが、やはり子どもがいるというのは自分の中では新しい感覚です。

-父親役は初めてですか。

 一度ありますが、ここまでちゃんと父親役をやるのは初めてです。それに僕はまだ25歳。子どもに対する思いというのも正直まだよく分かりません。今まではそれこそ“葉っぱのあんちゃん”として、自分が好きなものにまい進すればよかったものが、今回は親の役ですから、カメラの回っていないところでも “親”という意識をどこかに持ちながらやっています。

-まだお父さんになるのに憧れる年齢でもないと?

 そうですね。普段、自分に子どもがいるというのはあまりイメージしません。今も想像の中で演じるしかないのですが、だから逆に教えてもらうことの方が多いです。擬似体験ではありますが、親子を演じていると、自然と子どもに対する目線になってくるし、それは演じていても面白いです。

-“葉っぱのあんちゃん”からは随分大人になりましたね。

 はい(笑)。40歳で勤め人の服装になっています。

-星野の“大人度”を上げるために、前回と演じ分けをしている部分はありますか。

 最初台本を読んだ時点では、年を重ねたことよりも、常子さんと会っていない10何年の間に星野自身に起こったことの方が大事かなって、思っていたんです。星野は戦争にも行ったし、奥さんも4年前に亡くしている。これらのことは星野にとってはすごく衝撃度も強いし大事なことなんです。ただ、だからといって星野があまり“陰に入っている”となると、再会した常子さんに「やっぱり星野さんすてき」って思ってもらえない気がして。だから星野が抱えたものは、あまり深くは掘り下げないで、どちらかというと、子どもに対しての星野という新しい面を大事にしました。

-具体的には?

 もちろん子どもに対しての愛はあるけれど、ちゃんとけじめをつける瞬間、たとえば子どもに対してちょっと声を荒げたりする星野も見られます。あとはテンションも昔よりちょっと落ち着いた感じになりました。

-学生のころの、かわいらしいしゃべり方や、おどおどした感じは消えてしまったのでしょうか。

 でも、要所要所で星野の慌てっぷりというのは出てきます(笑)。大人になった星野としてしゃべっているつもりでも、常子さんと話している中で、何となく昔の星野が出てきてしまうといいますか…。

-今回の再登場について、台本を読んだ時の感想はいかがでしたか。

 何となく戦争に行くのかなとは予想していたけれど、子どもができていて、さらに奥さんに先立たれてしまって…というのは想像していませんでした。ただ、表現が適切かどうか分かりませんが、そういう過去を持った星野が常子さんと再会するというのにドラマ性を感じましたし、普通の星野のままで常子さんと再会したら、それだけで終わってしまった気がするんです。

-子どもと常子と4人のシーンが多いそうですがいかがですか。

 星野にとって、若いころに初めて好きになった人は恐らく常子さんなんです。だから、常子さんは2人の本当のお母さんではないけれど、4人で一緒に過ごしている時間というのは、何も知らない人が見たら普通に家族に見えると思います。そういう場面も満載なので楽しんでもらえたらと思います。

-常子と星野の関係は今後どのように変化していくのでしょうか。

 最初は、実際にせりふでも登場するのですが、星野自身が「亡くなった妻に後ろめたい」と勝手にわだかまりを作ってしまいます。でも、常子さんと過ごす時間が増えるにつれて徐々にそういった氷が溶けていきます。と同時に常子さんも、若いころの気持ちを少しずつ思い出していくので、2人の距離感が昔のものに戻っていく感じだと思います。

-今後の展開がとても気になります。

 坂口健太郎としてはもう(2人は)結ばれてもいいんじゃないかなと思いますね(笑)。若い時も、あと、一押しだったので。2人共、もっと引っ張ればいいのに、お互いのことを尊重し過ぎちゃうんですよね。

-ロマンチックな場面も期待できますか。

 はい。星野としては、もう会うことはないと思っていた初恋の人と再会して…という展開ですから、視聴者の方には、会社に遅刻してほしいなと思います(笑)。それぐらい見入ってほしいし、また自分もそれぐらいのシーンを作らなければと思っています。

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