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「長澤まさみさんの演じるきりがかわいくて妹のように感じられます」 橋本マナミ(玉=細川ガラシャ)【真田丸 インタビュー】

 NHKの大河ドラマ「真田丸」で、豊臣家の有力大名でありながら徳川家康(内野聖陽)についた細川忠興の妻で、明智光秀の娘の玉(細川ガラシャ)を演じている橋本マナミ。バテレン追放令下でキリスト教を信仰し、悲劇の最期を遂げる玉の苦悩と信念を語る。

 

玉=細川ガラシャ役の橋本マナミ

-出演が決まった時の気持ちは?

 19歳で大河ドラマ「武蔵」に出てから、また戻ってきたいと思って日舞を始めたり、自分で着物が着られるようにしたりしていたので、うれしくて、夢のような感じでした。歴史好きの父から「いろんな人がやりたいという役なんだよ」と言われ、そんな素晴らしい役を頂けたのだと感激しました。

-忠興と玉はどんな夫婦だと感じましたか。

 当時は側室を置くのが当たり前ですが、玉は忠興からすごく愛されていて、忠興は側室を作らず、すごく仲の良い夫婦だったと書いてあるのを読んで感動しました。

-知的なイメージが伝わってきます。役作りで工夫したのは?

 しっかりと相手を見詰めるなど目線の置き方に気をつけて芯の強いところを、どっしりしたたたずまいにして、りんとした感じを出しました。

-父親が織田信長に謀反を起こし、夫は豊臣家と対立、自らも秀吉が遠ざけたキリスト教を信仰するなど壮絶な人生ですが、玉の生き方をどう思いましたか。

 生きることの強さや素晴らしさを感じたので、とてもはかないけれど涙が出るぐらい素晴らしい人生を生きた方だと思います。

-橋本さん自身これだけは曲げられないということはありますか。

 清純派からセクシーにキャラを移行する時は、みんなが大反対の中、私はやるんだと貫きました。自分がこう思った道、生き方は絶対曲げないです。

-玉は死を前にしてどんなことを考えたのでしょうね。

 死が怖いという気持ちとマリアさまに会えるという気持ち。そして愛する夫の忠興を思った時に、人質に取られるよりは自分が死んだ方が良いと考え、死を捧げようという思いでいたのではないでしょうか。

-玉は豊臣秀次(新納慎也)という大切な人を亡くしたきりが希望を感じる人として設定されています。

 長澤まさみさんの演じるきりがかわいくて妹のように感じられます。きりにとって心のよりどころ、癒やされ学べる場所、母の懐のような感じになればいいですね。

-長澤さんとは現場で話はしますか?

 いいえ。ただリハーサルの時に、私の着物のお尻の部分がちょっと破けていたのを長澤さんが見つけてくれたんです。「下に何かはいていますか?」と言われたけど、何もはいていなかったので、長澤さんが自分の下着を脱いで貸してくれました。

-きりの真田信繁(堺雅人)への気持ちについてはどう思いますか。

 いちずで、すてきですよね。私は普段「愛人キャラ」でやっているから男性をたぶらかしているように言われますが(笑)、好きになったら(玉のように)一直線。一人の人を思い続けるという気持ちをずっと持ち続けていたいなと思います。

-そのいちずさと、橋本さんを愛人キャラと認識してる視聴者のイメージとのギャップについてはどう思いますか。

 「橋本マナミが正室を演じられるのか」という意見が多かったんですけど、愛人キャラというのはもともと自分の中になかったものなので、玉を演じているときは払拭して見ていただきたいです(笑)。

-キリシタンの研究はされましたか。

 実家の隣が教会で、よく遊びに行って聖書を読んだり、キリスト教の方たちと触れ合ったりする機会が多かったので、参考になりました。

-賛美歌を歌うシーンがありますね。

 ラテン語で2曲覚えてみんなで合唱しています。新幹線の中で練習していたら声が漏れてしまったみたいで、前の席のおばさんに「うるさい」って言われました(笑)。

-前回の大河出演と今回の違いは?

 前回はおどおどしていたんですけど、最近はバラエティー番組で結構度胸がついてきたので、変な緊張感はなかったです(笑)。

-演じることに意欲は?

 お芝居は楽しいですね。たくさん学んで、いろんな役ができたらいいなと思います。篤姫が好きなので演じてみたいです。

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